震災以来、時間ができたら仙台には改めて旅行に行きたいなあ、と思っていたんですが、先に仕事で来ることになろうとは。でも、せっかく遠くに来たからには、やはり地元のうまいものを食べて帰らないと、というわけで、少しの空き時間を縫って強引に牛たんランチを敢行。せこい出張でも少しは旅気分を味わいたいじゃないか。
仙台の牛たん、といえば元祖は国分町にある「太助」でしょう。10 年ほど前に旅行で仙台に来たときに、地元の同僚に教えてもらって食べに行ったことがあります。ただ、今回は流石に国分町まで足を運んでいる時間はない。駅ビルの中にあった「喜助」もけっこう名の知れたお店。初めてだけど、試してみることにしました。
…まあ、この後、帰りに駅の新幹線改札の脇に「牛たん通り」なるものがあって、そこには利休や伊達の牛たんが出店していることを知ることになるわけですが、まあいいです(泣
頼んだのは、数量限定「特切り厚焼定食」。¥2,000 もする定食だけど、しかも日帰り出張だから日当もつかないけど(´д`)、自分へのせめてものご褒美です。せこい出張でも少しは旅気分を(ry
牛たんって、確か戦後の食糧難の時代に米軍が残した牛タンを食材として使って…という発祥だと言われている割に、仙台で食べようと東京で食べようと、高級食材扱いですよね。定食を ¥1,000 以下で食べられる店のほうが少ない気がします。
分厚くて、とても噛みごたえのある牛タン。他の店でも、これだけ分厚いのはなかなかない。今改めて写真を見ているだけで、口の中が唾液で満たされてきます。
定食のテールスープも、テールのうまみがスープとネギに凝縮されていて、じわあっと幸せになる味。こういう味、ほっとします。
肉のうまみをシンプルに味わえる塩味の牛たんに、さっぱりしたキュウリの浅漬け、それに定番の味噌南蛮。どれをとっても、麦飯が捗ります。
いやあ、やっぱり牛たんって美味しいなあ。
でもって、その帰り道。ちょっと遅くなったし、新幹線で駅弁でも食べながら帰ることにしました。
何を食べようか…そういえば、5 年前に松島を訪れたとき、仙台の駅で弁当を買ったなあ。それも、ジェットであっためるタイプだったよなあ…というのを思い出しました。駅弁のシュウマイは残念ながらもうジェットをやめてしまったので、江戸の敵を仙台で討つ、というわけじゃないけど、5 年ぶりに買ってみました。
駅には普通の牛たん弁当も売っていて、伊達の牛たんのお店で売られている弁当(ちなみに東京駅でも売っていたりする)なんかもやたら美味しそうだったりしたけど、あえてこれを。ジェットのせいで歯車がズレたか…。
この弁当の製造元の名前が「株式会社こばやし」。イラストもそれっぽいし、小林亜星が副業でやってる弁当屋かと思ったら、会社自体は関係ないようです。調べてみたら、昭和 50 年から小林亜星氏をイメージキャラクターとして起用しているんだとか…。
ともあれ、ジェット牛たん弁当。5 年前に食べたときは『孤独のグルメ』も知らなかったので特に意識はしておらず、どんな感じだったかもよく覚えていないのですが、改めてチャレンジ。
なになに、ヒモを引き抜く…これだな。
引き抜くだけでいいのか…。
ズズッ、ズルズル。
シュウウウウウウ!
…あれ?
特に音がするわけでも、すごい湯気が出るわけでもなく、静かに温まっていっています。消費期限の書かれた感熱紙だけがジワジワ黒くなっていっているので、内部が発熱しているのがかろうじて判ります。
「ウ…牛たん臭せェ~~」「誰か温める牛たんやったんじゃないのォ」という非難の声が近くの席から聞こえてくるかと思ったら、そんなこともなく(ぉ
そのまま数分待って、ホカホカの牛たん弁当(というより、牛たん丼、だなこりゃ)ができあがりました。
昼間食べた牛たん定食とは比べようもないほど薄切りの牛たんが 5 枚、麦ご飯の上に並べられているだけで、温まっている以外はちょっと寂しい。満足度だけでいったら、温めないタイプの牛たん弁当のほうが良いような気もします。
でも、牛たんには味がしっかりついていて、なかなかおいしい。そして、麦ご飯があったかい、というのが、この牛たんと一緒に食べるご飯としては、改めて嬉しい。ああ、やっぱり俺は、米どころで生まれ育った日本人なんだなあ。俺は、この米に生かされている。
ただ、もう一品おかずがあったら、もっと良かったなあ。ま…そんなこと言っても始まらないか。
この牛たん弁当のパッケージ、厚みも重さもあるんですが、実はその半分はこの発熱ユニット。生石灰と水の化学反応を利用した古典的な発熱ユニットで、これのおかげで弁当が底上げされて見えます。その分、実際の量が少なく感じる、というのも物足りなさの要因かも。まあ、味は悪くないし、半分ジェットネタのために買ったので良いんですが、それならジェットがもっと盛り上がってくれても良かったのに(笑。
ともかく、久しぶりの仙台、短時間ながら味わいました。今度は、仕事ではなく旅行で訪れたいところです。
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