「ひさしぶりに、目のレンズ、超ワイド。焦点距離、無限大。なんだか楽しい」
ドラマ『孤独のグルメ Season3』聖地巡礼、今回は旅情回。第 3 話の舞台となった、静岡県賀茂郡河津町を訪れてみました。ドラマで放送されたときから来る機会をずっと狙っていたのですが、河津といえば、河津桜。2~3 月の河津桜の見ごろに合わせて旅程を組みました。
熱海までは来たことがあったけど、伊豆は初めてなので、交通手段はけっこう悩みました。成田エクスプレスの車両をそのまま使った「マリンエクスプレス踊り子」という列車があるらしいので、N’EX で行って「アルファ・リゾート 21」で帰ってきたらカメラネタ的に面白いかなとも考えましたが(笑)、ちょうどいい時間帯の列車がなかったので、行きも帰りもスーパービュー踊り子を利用。井之頭五郎が乗っていた海岸向きのシートがある列車は「リゾート 21」シリーズのようですね。これ、夏場とかに来る機会があれば一度乗ってみたい。
そんなわけで、河津の駅に到着。そしたら、いきなり駅のホームにわさび丼ののぼりが!しかも、「テレビ東京『孤独のグルメ』で紹介された地元グルメ」とか書いてあるし(笑。ゴロー、今やもうこんなに影響力あるのか…。
駅前のカフェでも「孤独のグルメ わさび丼」。ちょ、これはもろに便乗じゃないの(;´Д`)ヾ。
まあ、この店は登場店ではないけど、この界隈はもうそのへんの食堂や喫茶店に当然のようにわさび丼が置かれていたので、昔から地元の名物料理だったんでしょう。
お店には、駅前からバスで。このバスも、案内所で事前にチケットを買うという、今時珍しいシステム。河津七滝(ななだる)方面へは、往復で 1,040 円。
修善寺行きの路線バスに乗って向かいます。
七滝の先には、天城峠を経て修善寺に行くのか…あなたと~ぉ、越えた~いぃ~(ry
河津七滝のバス停を降りてすぐのところに、目的の「わさび園 かどや」を発見しました。
天城名物、わさび。うん、伊豆に来たからには、わさびものも一発入れておきたい。
って、ええ~っ。
まさか、放送後半年以上経ってこの行列、とは予想外でした。
でも、せっかく遠出して来るなら河津桜も楽しみたい、と考えることはみんな一緒か…。
この行列だけでなく、店内にも十数名のお客さんが並んでいます。
と、10 分くらい並んだところで、
「寒いでしょ。中で並んでくださいよ」
と、劇中では渡辺哲さんが演じていたこの店のご主人の温かいお言葉。
お言葉に甘えて、中で待たせていただきます。
行列が、雨のぱらつく店外から、暖かい店内に移動。
いいかんじ…この店、当たりなんじゃないか?
店先で売られている、生ワサビ。サイズの違いが値段の違い。
1 本 1,500 円って、いい値段するなあ。でも、この後にわさび丼を食べた後だと、わさび丼 1 杯分には 350 円の生ワサビでも量的に十分、ということが理解できます。
店内は、大盛況。踊り子号の中ではけっこう年配のお客さんが多かったので、こんなに聖地巡礼のお客さんが多いとは思いませんでした。でも『孤独のグルメ』の話をしている人が多く、わさび丼をおかわりしている人も多かったので(笑)みんなファンなんだろうなあ。
お店の奥には、久住さん(2 枚)、松重さん、渡辺哲さんのサイン色紙が。おお、「ふらっと QUSUMI」のロケ日も雨だったのか。
さておき、何を食べよう。まあ、自らわさびをダブらせた丼、「生ワサビ付わさび丼」はもう決まっているんだけどな。
なにげにわさび丼の値段が 400 円から 500 円に値上がりしているのは、あまりに頼む人が増えすぎて苦しくなったのでしょうか…。
こういうひととき、なかったなあ、しばらく。
いかにもなお食事処。こういう「いかにも」、好き。
さあて、やってきましたよ、生ワサビ。それと、鮫肌のおろし器。
スマホいじってないで、丼が来るまでに、わさびを摺って事前の段取り。
(モデル:井之頭コジ郎)
茎を折ったら、折った方から摺っていきます。
まあるく、まあるく。
どこまで摺ればいいんだろう…。
おお、なんだかすごいことになっちゃったぞ。
頼んだのは、生ワサビ付わさび丼とわさびそばのセット。生ワサビとわさび丼に、さらにそばでもわさびをかぶせる(笑。
それに、あゆの塩焼き。やっぱり、炭水化物だけじゃなくて、タンパク質も欲しいじゃないですか。この店、タンパク質はあゆの塩焼きかイノシシ鍋しか置いていないようで(汗。
かつおぶしの上にわさびをちょこんと載せたら、醤油を 2~3 周まわして、あとはガーッとかき混ぜて、いただきます。
おおお、これ、いい!うまい。
ごはんと、かつおぶしと、わさびだけなのに。
わさびとかつおぶしと醤油が、ごはんの甘みを引き立てて、日本人が本質的に求めている味をダイレクトに味わわせてくれる。
これですよ。シンプル・伊豆・ベスト。
わさびそばにも、わさびを載せて。
このわさびそば、普通のそばと比べると、わさびの刺激が爽やかで、普通のそばにわさび入りのそばつゆで食べるのともまたちょっと違った味わい。確かに、これもうまい。
あゆの塩焼きは、しっかり塩に、しっかり焼き。わさびの葉に載せて出してくるあたりに、こだわりを感じます。
この苦味がいい。わさびづくしの中で、すっごく落ち着ける存在だ。
飲み物は、自家製わさび焼酎。「ふらっと QUSUMI」で久住さんが飲んでいた、この店のご主人手作りの焼酎です。裏メニューとなっていたけど、普通にメニューに書いてありました(笑。
わさびのつーんとくるいい香りが、焼酎の味を引き立てます。これはつまみなしでも飲めそうな感じ。ただ、一口めはいいけど、このわさびづくしの中にあっては、二口め以降はわさびの香りが相殺されて、けっこう普通の焼酎に感じます(笑。これ、わさびづくしで飲むんじゃなくて、刺身とか焼き魚とかと飲んだらいいんじゃないかなあ。
こちらは、わさび丼盛り上げ要員。
左上から時計回りに、わさび味噌、わさびのり、わさび漬、わさびのくきの三杯酢漬。
みんな、すこーしわさび入れてる。なるほど、なるほど。
うんうん、白い飯好きにはたまらんぞぉ。でも、これ単品で酒のつまみにしてもいいくらいだ。
いやー、おいしかった。
すいませーん、わさび丼もう一杯ください(ぉ
と、いうわけで、また摺ってる、俺。
さっきのよりも小さい生ワサビ。どうやら、さっきのはわさび丼とそば用にちょっと大きめだったらしい。
摺っていたら、店員のおばちゃんがさっきの生ワサビの残りを指さして「これ、まだ摺れるから、もったいないから最後まで摺ってくださいね!」とのこと。けっこうがんばったつもりだったけど、まだまだ甘かったか。さっきの残りも摺って、おかわりのわさび丼に投入。
よしよし、よしよし。
丼がさっきのと形も大きさも違う。ごはんの量もさっきより多い。ああ、そばセットの丼はちょっと少なめ、こっちがゴローが食べたわさび丼だったか。でも、どちらにしても、これはゴローじゃなくてもおかわりできてしまう量だよ。
またしても、わさびを入れて、醤油をかけて、ガガッとかき混ぜる。そして、好きな薬味をちょっと載せる。
やっぱりうまいなぁ~っ。醤油がいい働きをしている。
俺は、最終的には、こういうシンプル極まりないごはんが、いちばん好きな気がする。
ああ、おいしかった。
遠出してきた甲斐がありました。
ごちそうさまでした。
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