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CP+ 2016 (3)

CP+ 2016 レポート、最後はソニー。

カメラと写真映像のワールドプレミアショー シーピープラス2016

注目の α6300。外観が α6000 からほとんど変わらないので新鮮味はありませんが、中身は別物と言って良いカメラになっています。もともと定評の高かった AF 性能をさらに磨き上げ、α6000 に足りなかった要素をほぼ全て補完した、ミドルレンジ一眼キラーと言えるカメラ。

本体が α6000 よりも分厚くなっているということで、α7→α7 II のときのようにガッツリ大きく重くなっていたらどうしようと思っていましたが、α6000 自体が厚みを感じるデザインだったこともあって、見た感じではそれほど分厚くなった印象は受けません。重さもまあ許容範囲かな。

ただ個人的には、NEX-5 シリーズのようにストイックにコンパクトさを追求したカメラが出てこなくなったことが残念。α5000 シリーズは見た目の印象こそ似ていますが、NEX-3N の流れを汲んできているデザインなので、別物なんですよね。α6300 に匹敵するスペックで NEX-5 系の小型ボディか、EVF なしで超小型にしたフルサイズミラーレス、みたいなのも出てきてほしいところではあります。

AF は α6000 以上にレスポンスが良い印象。動きモノを撮っていないので実際にどの程度かは分かりませんが、EOS 80D と実地テストしてどちらが動体撮影に強いか比較してみたいくらいです。でも動体を撮るなら EVF はレンジファインダースタイルではなく光軸上に欲しくなってきますね。ボディ内手ブレ補正が入った α7000 がもし出てくるとしたら、そのあたりを考慮したデザインにしてくると予想。


そして G MASTER レンズ。こちらは FE 24-70mm F2.8 GM ですね。

既存の FE レンズの中でも標準ズームにあたる FE 24-70mm F4 ZA はデジタル補正をオフにしたときの歪曲収差が強く、また非球面レンズの多用により描写が硬く、ボケにタマネギ状のムラが出やすいという難がありました。今回の G MASTER では XA レンズを採用することで非球面レンズ特有のボケムラを軽減しているとのこと。通常の非球面レンズも使われているので完全に消えたわけではないのでしょうが、F4 ZA 比で非球面レンズ(XA 除く)が 5 枚→2 枚に減っているため、かなりマシになっていると言えそうです。あとは歪曲収差がどうかですが、これだけ大きければあまり無理はしていないのではないかと。
まあ F4 ZA の倍以上重さのあるレンズなので私は買いませんが(´д`)、一度試してみたいレンズではあります。

そして FE 85mm F1.4 GM。これ待ってた人は多いんじゃないでしょうか。ミノルタ時代から歴代の 85mm F1.4 G は評価が高く、ソニー α になってからはツァイスの Planar に取って代わられていたのが、10 年ぶりに「85mm の G レンズ」が復活したことになります。
私はこれ、覗いちゃうと欲しくなりそうなので覗きませんでした(ぉ。A マウントの Planar 85/F1.4 が気に入っているから、というのもありますが。

Manfrotto ブースに移ってきました。

今年は個人的に注目の新製品はあまり出てきませんでしたが、一つ気になっていたのがこの「befree one」三脚。私も以前から愛用している befree の小型版という位置づけです。
折りたたんだ際の全長は 32cm。初代 befree が格納時 40cm だったので、さらに短くなりました。これなら普通のカバンにも強引に突っ込んで行けるくらいのサイズ感。

全伸高は 130cm。初代 befree が 142cm なので、かなり近い高さまで伸ばせることになります。

ただし、センターポールが下げられない構造のため、ローアングルの設定に制限があるのが小型化とのトレードオフとなっています。ただこの可搬性アップは捨てがたいメリット。私はメイン三脚を 190CX、サブ三脚を befree にしていますが、befree はメイン三脚として使えるクオリティなので、190 や 055 シリーズのサブとして使うならば befree one のほうがメインとのバランスは良いのではないでしょうか。

最後はコシナ/ツァイス/フォクトレンダーブース。

フルサイズ E マウント用の AF レンズ「Batis」シリーズに始めて触れることができました。
この曲線主体の鏡筒デザインはどうしても好きになれませんが、Touit の描写が良かっただけに、そのフルサイズ版とも言える Batis は気になっていたレンズ。

賛否両論ある距離指標には OLED が使われており、起動直後には「ZEISS」のロゴが一瞬表示されます(笑

OLED に表示される大きな数字は合焦距離、右側の小さな+-の数字は被写界深度を示しているようです。

25mm F2(Distagon)、85mm F1.8(Sonnar)の両方を覗いてみましたが、EVF で覗く限り、いずれも解放から高いシャープネスを持ちつつボケも素直という、とても素性の良いレンズだと感じました。けっこう無理してることの多いソニー純正のツァイス FE レンズよりも良いかも。明るさを欲張っていないぶん、フルサイズ対応にしてはコンパクトというのも、α7 シリーズと相性の良いところ。マウントアダプタなしで使える 85mm は今のところこれと G MASTER しかないので、この 85mm はちょっと欲しい。

一眼レフ用の MF レンズ、Milvus。この鏡筒デザインは見れば見るほど悲しい(´д`)。

カットモデルを見ると、85mm F1.4 は伝統的な Planar 構成の前群に何枚かのレンズを追加したような作りになっています。特に前玉の凹レンズは鏡筒内における光の乱反射を抑えコントラストを高める効果があると言われ、Classic シリーズの 85/1.4 よりもさらに高いレベルの描写を目指したものと思われます。でも私は Classic の 85/1.4 が欲しいですが(笑

標準レンズの 50mm F1.4 でも前玉が凹レンズ化。でもそれ以上に驚きなのが、標準レンズなのに定番の Planar 構成ではなく Distagon 構成で設計されていることです。
これは以前にも書いたとおり、おそらく中判レンズのような設計でレンズを作り、その中央部だけを使うことで実使用上の解像性能を高めたいという狙いなのではないかと思います。が 50mm なのに Planar ではない、というのはなんとも寂しい気がします。

隣接するフォクトレンダーブースでは、新アプリ「COSINA AR」のデモが行われていました。これはカメラのボディキャップに AR マーカーを貼り付け、スマホやタブレットのカメラを通してアプリから見ることで、そのカメラにフォクトレンダーの VM レンズを装着した状態が確認できるというもの。気になっているレンズを自分のカメラにつけたらどうなるか見えてしまうという、危険な背中押しアプリです(笑。
今のところ iOS 専用アプリなので、iOS 機器を持っていない私は使えないのが悔しいような、助かったような(ぉ

フォクトレンダーブースでの注目は、E マウント対応版レンズの発売がアナウンスされた WIDE-HELIAR シリーズではないでしょうか。超広角ながらテレセントリック性を確保した光学系、電子連動に伴う自動拡大フォーカスや Exif 記録対応など、今まで VM マウント版を使っていたユーザーが挙って買い換えたくなるスペックになっています。

その中でも最大の注目は、従来の 2 製品を上回る超広角「HELIAR-HYPER WIDE 10mm F5.6」。このクラスになると超広角ではなく魚眼レンズの領域になってきますが、どんな画角で撮れるのか。気になるじゃないですか。

そしたらなんとハンズオン機は自分のカメラにつけて試写が可能だったという!これがその実写画像です。

写真だと実際の距離感が分かりづらいですが、中央に写っているカーキの服を着た人物(よく見たら澤村徹さんだった(笑))との距離はせいぜい 5m 程度。それが 10m 以上離れて見えるわけですから、強烈な広角度合いになります。周辺の歪曲はかなりすごいことになっていて、画面端はさすがに少し流れちゃっていますが、私が持っている SUPER WIDE-HELIAR 15mm Asph. II の周辺描写に比べれば遙かにマトモに解像しています。点光源の外側にゴーストが出ているのは、レンズ由来ではなくセンサの自己反射によるものなので、センサにもっとマシな AR コートが施されているボディでは軽減するはず。

あまりに広角で何でもかんでも写ってしまうので構図の取り方が難しいレンズですが、それだけに発想ひとつで面白い画が撮れるレンズに違いありません。これはちょっと欲しくなっちゃったなあ。

うーん、今年の CP+ はそれほど欲しいものがないかも…と思っていたのに、実際見てみるといろいろ欲しくなるものですね(汗。

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