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It’s a Sony 展 Part-2

今月末で 50 年の歴史に幕を下ろす、銀座ソニービルに最後の観覧に行ってきました。

ソニービルの正面には、東日本大震災の日に合わせて復興応援企画の広告垂れ幕がかけられていました。私も被災地には松島女川~石巻と行ってきて、実際に「この高さまで津波が来た」というのも見てきましたが、それを自分が生活している東京のど真ん中で表現されると改めてその恐ろしさを実感しますね。あれから 6 年が経過し、決して忘れてはいけないけれどいつまでも立ち止まってはいるわけにもいきません。犠牲者を悼む気持ちや防災への思いを忘れずに、前に進んでいかなければ。

ちなみに Yahoo! の復興応援企画は 3.11 当日いっぱい実施中です。残り時間も少ないですが、検索するだけで復興の支援になるので、ぜひ。

3.11、検索は応援になる。|3.11応援企画 – Yahoo! JAPAN

というわけで、ソニービルに来たのは 「It’s a Sony 展」の後半戦が始まったからでもあります。Part-1 はソニー設立から現在までの歴史をたどる展示でしたが、Part-2 はソニービル取り壊し後の跡地、通称「ソニーパーク」の姿を想像させるものになっていました。

It’s a Sony 展

現在の銀座ソニービルは、花びら構造と呼ばれる螺旋階段状の構造になっていて、フロア間の断絶を意識することなく上下階を行き来することができます。縦方向の閉塞感がなく、展示の繋がり感も作りやすい構造ではありましたが、フロア間の行き来は原則階段だったりして「バリアフリー」とはかけ離れた時代遅れな構造になっていたのも事実。ただでさえ狭い土地を細切れのフロアに区切ったような空間で、広々とした展示がしづらい問題もあったように思います。
二十年近くこのビルに通ってきた身としてはこの構造がなくなってしまうのは寂しいですが、新しい時代に適した構造のビルに建て替える必要にも迫られていたのでしょう。2020 年以降に着工するという新ソニービルはどのような構造になるのでしょうか。


ソニービル取り壊し後、新しいビルの着工までの間はこの場所は「ソニーパーク」という憩いの場として展開されるとのこと。上の写真はそのイメージモデルですが、銀座の真ん中にあって緑あふれる場所になるようです。果たしてそこにソニーやテクノロジーを感じさせるものはあるのかどうか。

「It’s a Sony 展 Part-2」、つまりソニービルのほぼ全館にわたって、床が人工芝で敷き詰められていました。ソニーパークをイメージさせるもの、とのことですが、かつてはショールームだった場所から全ての製品と什器が取っ払われ、がらんどうになったビルはある意味異様。こういう状態のビルに入る機会もまずないだけに、なんだか変な気分です。

白壁にはアーティストが銀座の街並みをイラストで再現していました。これ展示期間をかけてずっと描いていく、ということなんでしょうか…。

展示を眺めていたら、ふと木琴の音が耳に入ってきました。ふと振り向くと、ビルの螺旋構造に沿うように木琴が並べられ、その上を木製の球が転がり落ちてきているじゃないですか。

しかもその曲は Louis Armstrong の “What A Wonderful World”。ソニー的には一昔前、BRAVIA の CM で John Legend が見事なカヴァーを歌っていた曲でもあり、懐かしい気持ちになりました。そういえばこの木琴、数年前に docomo のケータイの CM で同じ手法を使っていましたが、同じクリエイターによるものなんですかね。

ちなみに階段と音楽といえば、ソニービルの 1F から地下の PLAZA GINZA に降りていく階段にも音が鳴るセンサが仕込まれているのは有名な話ですが、これに裏技があるという話をつい最近になって初めて知りました。

私も試してみようと思ったんですが、さすがに休日のソニービルでは人の往来が多くて無理(;´Д`)。これも今月いっぱいでなくなってしまうはずなので、平日に行く機会がある方はぜひ試してみてください(笑

…閑話休題。

上の方のフロアでは、既に銀座の街のイラストは出来上がっているようで、そこに来館者が葉っぱのシールを自由に貼っていくことができるようになっています。その上にプロジェクションマッピングで光の演出が動いていたりして、なかなかに楽しい。製品の展示がなくなったソニービルなんてどれだけの人が見に来るのかと思っていましたが、想像以上の盛況で驚きました。やはり長年愛されてきた施設だけのことはあります。

なお、イベントに関する写真をタグ付きで Instagram にアップするか、ソニーパークプロジェクトの Instagram アカウントをフォローすると懐かしの「It’s a Sony」のステッカーがもらえます。今改めて見ると古いのに新しく感じるこのロゴ。私もステッカーはもらいましたが、何に貼ろうかな。仕事用の VAIO にでも貼るか(ぉ

というわけで、It’s a Sony 展後半でした。前半戦とは全く違う内容で、製品展示を期待していた人にはがっかりでしょうが、ゆったりとした内容でこれはこれで楽しい。子ども連れなんかで来ると楽しめるんじゃないでしょうか。

そして 8F のイベントスペース「OPUS」では「エレクトリカルアンサンブル」と題されたイベントを実施中。これも OPUS での最後のイベントになるようです。

何なのかと思ったら、往年のソニー製品を電気製品ではなく「楽器として」使って音楽を奏でてしまおう、というユニークな展示でした。
どれも見てるだけだと何が何だか分からないような展示ですが、複数人いるスタッフの方がフレンドリーな感じでいろいろ教えてくれるので、フラッと覗きに行っても十分楽しめます。

例えばこれはトロンボーンのような器具に Handycam と縞模様の描かれたパネルをくっつけて、カメラに写る縞模様の太さに応じて音階が変わる、という楽器。弾く人が弾けばちゃんと楽曲になっているから面白い。

そしてこれは α7 シリーズ(α7 II、α7R II、α7R)のマウント付近にマイクを装着し、シャッター音をパーカッションとして使ってしまう楽器。確かに機種によってシャッター音や連写できるスピードも違うわけで理屈は分かるけど、曲がりなりにもカメオタとしてはこの露出したフルサイズセンサ(一応フィルタで保護されてはいる)を見るのは心臓に悪い(;´Д`)。

こちらは最近のソニーの懐古系イベントに引っ張りだこな(笑)スカイセンサー。電波感度の良さを楽器として使う、というコンセプトで、リモコンや一眼カメラ用のフラッシュから発せられるノイズをスカイセンサーで拾うことで音を出そうという仕組み。いやあ理屈は分かるけど(ry

オープンリールさえもターンテーブルのように使ってスクラッチして遊べてしまいます(笑。これはこの展示の中でも特に分かりやすいし、センスさえあればそれなりに音楽にできてしまうので楽しい。

初代ウォークマン(TPS-L2)のモーター音(テープ送り音かも)を楽器にしてしまう仕掛け。もう何でも楽器になってしまって、STOMP っぽくもあります。

このトリニトロンは何?よく見ると三つとも機種が違うけど。と思ったら、

このコイルを手に持ったりポケットに入れたりして、もう一方の手でトリニトロンの画面に触れると通電して音が鳴る、という仕掛け。おお、ブラウン管の電子銃から発せられる電気が身体を通ってコイルまで伝わっているのかー!
しかも複数人の身体でも伝っていくので、私がコイルを持ってスタッフの人が画面に触れた状態で二人でハイタッチすると、音が鳴る(笑)これは楽しい。機種によって音の高さが違うので、ちょっとしたパーカッション的に遊べてしまいます。

行く前は何が何だか分からないし面白いんだろうか?と思っていましたが、これは想像以上に楽しめました。

ソニービルの完全閉館まであと三週間を切りました。スケジュール的に私が来れるのはこれが最後になるだろうなあ。たくさんの思い出が詰まったビルだからちょっと寂しいけど、今まで本当にありがとうございました。
ソニーパーク、そしてその後の新ソニービルも楽しみにしています。

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