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レッドブル・エアレース千葉 2017

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

日曜日に行ってきたレッドブル・エアレース千葉の写真を貼っていきます。

今年は午前中のチャレンジャークラスは実施されず、マスタークラスだけの開催。そのためチャレンジャークラスを使って撮影の練習ができず、ぶっつけ本番ということでけっこうプレッシャーがかかりました(汗。ただ合間の催しが今年は豪華で、入場待ちの時間以外は特に退屈せず過ごすことができました。

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

レーススタートに先駆けて、今回のイベントの目玉とも言える零戦(零式艦上戦闘機二二型)のデモフライトが行われました。全世界で 4 機しか現存しない実機をレストアしたもので、本来ならば昨年も登場するはずだったのが機体トラブルにより直前でキャンセルになっていたのが、今年は無事飛んでくれました。70 年前の戦闘機が今改めて日本の空を飛ぶ、というのは実にロマンを感じます。

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

エアレースのコース上を 2 周回っていきましたが、2 周目はキャノピーを空けて飛んでくれていたようです(私も撮影データを見てから気がついた)。

悠々と飛行した後に戻っていく後ろ姿を見ながら、『風立ちぬ』のクライマックスシーンを思い出していました。


[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

というわけで本戦、ラウンドオブ 14。初戦はマット・ホールとニコラ・イワノフの対決ですが、ここは実力のあるマット・ホールの貫禄勝ち。
私は鮮やかなオレンジにハミルトンの腕時計が描かれたイワノフのマシンがけっこう好きなんですが、ここであっさり敗退してしまい残念。

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

2 戦目はペトル・コプシュタインからのフライト。
レッドブルの本拠地であるオーストラリア・シュピールベルグの風景が描かれたこの機体、エアレース参戦マシンの中でも特に個性的で私は好きです。

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

コプシュタインに対するは、我らが室屋義秀。
おそらくラウンドオブ 14 は楽勝のつもり、その先のラウンドを見据えて「そこそこの速さで十分」というフライトだったんでしょうが、ゴールしてみるとコプシュタインと 0.007 秒差という辛勝でした。室屋も限界を攻めていなかったとはいえ、ここは参戦二年目のコプシュタインが本当に成長した結果僅差になったということかと思います。今季のエアレース、若手(といっても参戦が遅かっただけで年齢的には四十代が多い)も含め実力が伯仲していて、どのレースも息が抜けません。

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

チャンブリス vs ベラルデの戦いは、順当にチャンブリス勝利。

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

この見慣れないグリーンの機体は、昨年引退したナイジェル・ラムと入れ替わりで参戦してきたミカエル・ブラジョー。29 歳という現在のエアレースでは最若手のパイロットです。
が、相手が悪かった。今季開幕戦で初優勝したマルティン・ソンカは昨年までとは見違えるほど速く、楽勝でブラジョーを下します。

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

こちらはクリスチャン・ボルトンですが…これも相手がディフェンディングチャンピオンのドルダラーとあってはさすがに敵いません。

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

フランソワ・ルヴォはピート・マクロードと対戦。マクロードは予選でトップタイムを記録していることもあり、ここは順当にマクロードの勝利。
という感じでラウンドオブ 14 は波乱らしい波乱もなく、勝つべき人が勝ったという内容。

[ Sony RX100 III ]

ここでショートブレイク、再びショーアップの時間です。
レース以上にワクワクさせてくれる曲技飛行が見られたり、

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

ブライトリング社が保有するオールド旅客機・ダグラス DC-3 の展示飛行もありました。
こちらは世界一周飛行の途中でこの展示飛行に参加したとのことで、零戦に負けず劣らず貴重なものを見ることができました。

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

というわけで、レース再開。ラウンドオブ 8 です。
今度はいきなり室屋からのフライト。いいタイムを刻んできたかと思ったら…まさかのインコレクトレベル(パイロン通過時に機体が水平を保てていなかったペナルティ)。日が傾き始めたこの時刻からはけっこう強い横風が出てきており、室屋も攻めていたところでこの風の影響を受けたということでしょうが、これは痛い。相手がマット・ホールということもあり、2 秒ペナルティを受けてしまってはさすがに勝てないか…という空気が会場を支配します。

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

が、なんと対するマット・ホールもインコレクトレベルのペナルティ(こちらはパイロン通過時の上昇開始が早すぎた)。結果、僅差ながら室屋がマット・ホールを下します。ここはかなりラッキーだったと言えますが、これもレース。

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

続いてチャンブリス vs コプシュタインの戦い。ここは順当に行けばベテラン有利、と思いましたが、チャンブリスがまさかのオーバー G(10G 以上の G フォースを一定時間以上記録したことによるペナルティ)で失格!さっきは室屋に 0.007 秒差でファステスト・ルーザー(敗者の中で最もタイムが速い選手が敗者復活できる)だったコプシュタインのフライトがチャンブリスにプレッシャーを与えたのかもしれません。

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

次がラウンドオブ 8 最大の見どころ、ドルダラー vs マクロード。同じ 2009 年デビュー組で、かたや現役チャンピオン、かたや予選トップタイム。どちらが勝ってもおかしくありません。
そんな伯仲する戦いの中、マクロードまでもオーバー G!ドルダラーがファイナル 4 に駒を進めます。

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

ラウンドオブ 8 のトリはソンカ vs グーリアン。ここは順当にソンカ勝利、それもラウンドオブ 14・8 ともに 54 秒台という速さを見せつけます。
この結果、ファイナル 4 はソンカ・ドルダラー・室屋・コプシュタインという、この時点で年間ランキング 1~3 位が直接対決する構図になりました。

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

ファイナル 4 も室屋からのフライト。ラウンドオブ 8 のとき以上に横風が強くなってきているように感じます。
ここでペナルティを受けると命取り、むしろ安全に飛んでそこそこのタイムを記録すべしと本人も考えていたようで、すごく速いとは言わないまでもステディなフライト。

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

結果、55 秒台前半をマークして残りの 3 人のリザルトを待ちます。
ファイナル 4 初進出となったコプシュタインはタイムが伸びず、ノーペナルティだったものの 55 秒台後半でフィニッシュ。この時点で室屋の表彰台が確定します。

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

マティアス・ドルダラー。これが見るからに室屋より速いペースで飛んでいて、これは負けたかな…と思ったら、ラストのターニング・マニューバ前でまさかのパイロンヒット!
これによって 3 秒ペナルティを受けてしまい、この時点での 3 位に。

[ Canon EOS 7D Mark II | SIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM ]

マルティン・ソンカもまさかのインコレクトレベルで 2 秒ペナルティ!

これだけの実力者揃いでありながらペナルティが続出するファイナル 4、やはり横風の影響で難しかった部分はあるのでしょうが、1 番手でのフライトであったラッキーもありつつ、そこできっちり「攻めないと抜けないタイム」を最初に刻んできた室屋の作戦勝ちと言えるように思います。

前戦サンディエゴでの室屋はまるでチャンピオン経験者かのような完璧なレース運びでしたが、ここ千葉ではそこまでではなく、天候や相手のミスに救われての勝利でした。でもファイナル 4 の戦い方は良かったと思うし、こういう際どい戦いも制していくことで、チャンピオンへの道が開けてくるのだろうと思います。

[ Sony RX100 III ]

今季は開幕戦でソンカが初優勝、第二戦ではピーター・ポドルンシェクが初表彰台、そして千葉ではコプシュタインが初表彰台と、これまでにない接戦のシーズンとなっています。それだけ各パイロットの実力の差が縮まってきたということなのでしょう。しかしそんな中でも室屋が 3 戦 2 勝でランキングをリードしていることは紛れもない事実。残り 5 戦で 1 勝以上重ねれば、いよいよ年間チャンピオンが見えてきます。室屋本人のインタビュー等を聞いていても、去年までとは違う確固たる自信のようなものが感じられます。今年は本気で期待しちゃってもいいんじゃないですかね…?

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