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F1 オーストラリア GP 2019

本日は待ちに待った F1 2019 年シーズン開幕戦、オーストラリア GP の決勝日。私は例によって青山のホンダ本社ビルで開催されたパブリックビューイングに参加してきました。

Honda ウエルカムプラザ青山|FORMULA 1 2019 ROLEX AUSTRALIAN GRAND PRIX パブリック・ビューイング

去年の経験から 10:00 の開館時刻に間に合うように行けばそれなりの席は取れるだろうと高を括っていたら、開館時点で 250 人くらいの行列ができていました(;´Д`)ヾ。去年までとは違い今年はレッドブルとのタッグで結果が期待できる分、応援しようというファンも増えているのかもしれません。これはもしかして一階席は空いてないかも…と思いましたが、なんとか中央付近に一席空いているところを見つけたので、それなりにいい席で観戦できました。

冬季テストでは圧倒的な速さを見せ、今年はフェラーリの年なのでは?とまで言われていましたが、いざ蓋を開けてみれば開幕戦はメルセデスがフリー走行から席巻し、予選もコースレコードを樹立しながらフロントロウ独占。レッドブル・ホンダはガスリーがチームの戦略ミスでまさかの Q1 落ち、いっぽうフェルスタッペンはフェラーリの一台を食って 4 番手スタートと明暗が分かれました。トロロッソのほうはアルボン 13 番手、クビアト 15 番手と期待には及ばなかったものの中団のタイムは拮抗しており、決勝への期待がかかります。

決勝は 2 番手のボッタスが見事なホールショットを決め、ハミルトンを出し抜きます。その後ろはハミルトン-ヴェッテル-フェルスタッペン-ルクレールと続き、レースはそのまま膠着するかと思われました。
が、レースペースに劣るフェラーリはこのままでは状況を打開できないと判断したのか、ヴェッテルのピットインタイミングを予定より早めてハミルトンに対してアンダーカットを仕掛けます。ハミルトンはそれに対抗し、翌周にピットイン。フェラーリのギャンブルは失敗に終わりましたが、レッドブル・ホンダにとってはこれが後半に効いてきます。
フェルスタッペンがスタート時に履いていたソフトタイヤは想定よりもよく保ち、早めにタイヤ交換したハミルトン/ヴェッテルに対して逆にオーバーカットを掛けられるかどうかという位置関係。一方ハミルトンとヴェッテルが交換したミディアムタイヤでは残りの周回を走りきれるか微妙なところ。フェルスタッペンは仮にオーバーカットできなかったとしても中盤以降にコース上でヴェッテルとハミルトンを攻めることができるというまたとない状況を得ました。


去年までのホンダ製 PU ならば ICE のパワーが足りないとか MGU の回生が足りないという理由で追い切れないことも少なくありませんでしたが、今年のホンダ派ひと味違う。もちろんシャシーの良さやフェルスタッペンの技量によるところも大きいでしょうが、フェルスタッペンはまずヴェッテルを追いまくって 31 周目に見事オーバーテイク!今季最速と言われていたフェラーリをレッドブル・ホンダがコース上で抜き去る瞬間には、思わず涙が出ました。
その後フェルスタッペンは引き続きハミルトンに標的を移し、チャンスを虎視眈々と狙うもののハミルトンはなかなか隙を見せません。逆にフェルスタッペンが一瞬ミスをしてコースオフする場面もあったほど。残り 4 周でフェルスタッペンがファステストラップを記録しながらハミルトンを攻め続けたものの、結局決め手がないままチェッカー。ハミルトンはタイヤのグリップに苦労しながらも、なんだかんだで最後まで状況をコントロールしていました。

結局最後まで誰にも脅かされることなく独走したボッタスが今季最初のレースを制しました。去年はチームオーダーもあって未勝利のシーズンを過ごしたボッタスですが、これを機にナンバー 2 に甘んじず攻めていってほしい。最後にリスクを取ってフェルスタッペンからファステストラップを奪ったのも良かったと思います。しかしこのファステストラップ、直前にフェルスタッペンが記録したタイムよりも 1 秒近く速いんですよね…レッドブルが実力でメルセデスを打ち負かすのは簡単なことではなさそうです。

とにもかくにもフェルスタッペンが 3 位表彰台獲得!ホンダにとっては 2008 年以来、第四期 F1 としては初めてのポディウムに上りました。レッドブルと組んだことで今年は何勝かできるチャンスがあるとは思っていたものの、実際に表彰台に上がる姿を見ると嬉しいですね。

F1オーストラリアGP:レッドブル・ホンダ初戦でフェルスタッペン3位表彰台! ボッタスが独走で開幕戦制す|motorsport.com日本版

4 位以下はフェラーリの二台にマグヌッセン、ヒュルケンベルグ、ライコネン、ストロール、クビアトの順。三強はともかくとしてその後ろにハース/ルノー/アルファロメオ/レーシングポイント/トロロッソが一台ずつ入っているのが興味深い。マクラーレンも予選で一台 Q3 進出しているし、今季は三強とウィリアムズ以外の 6 チームが本当にダンゴ状態になりそうです。

レッドブル移籍後初レースだったガスリーは残念でした。決勝も無意味(?)にピットストップを引っ張った挙げ句、コースに復帰したのがクビアトの後ろ。その後ほぼずっとテールトゥノーズだったにも関わらず抜きあぐね、そのままポイント圏外でフィニッシュすることになりました。オーバーテイクしづらいサーキットとはいえこの結果はなかなか厳しいモノがあります。ガスリーには今回のレースのことは早く忘れて次のレースへ切り替えていってほしいところ。

冬季テストから最速と言われていたはずのフェラーリが本当に失速したかどうか、は正直まだ判りません。メルセデスのテストでの遅さがブラフだった可能性はなきにしもあらずですが、むしろメルセデスがテスト後の二週間できっちりキャッチアップしてきたことと、おそらく伝統的に公道サーキットで強いメルセデスとそうでもないフェラーリの違いが出ただけという気もします。本来のマシン性能はむしろ次のバーレーンや中国以降で明らかになるのではないでしょうか。

ともあれ、まだ 1 レース観ただけですが今季の F1 は本当に面白そう。三強の実力は昨年以上に伯仲していそうだし、それ以降のチームも含め全体的に差が縮まって結果を予測するのが難しいシーズンです。パワーユニット導入以降で最も面白い一年になりそうな予感。

ホンダ ウェルカムプラザ青山では、F1 新シーズンの開幕を記念して歴代のホンダ F1 マシンが並べられていました。展示されていたのはリッチー・ギンサーが駆ったホンダ RA272(1965)、ケケ・ロズベルグの乗ったウィリアムズ・ホンダ FW09(1984)、まだ記憶に新しいジェンソン・バトンのホンダ RA106(2006)、そして昨年のガスリー車トロロッソ・ホンダ STR13(2018)。セナ時代のマクラーレン・ホンダが一台も並んでいないのがちょっと意外でしたが、この並びはそれぞれの参戦期における初優勝車(第四期を除く)で、今シーズンはこの第四期の STR13 に代えて初優勝車としてレッドブル・ホンダ RB15 を置きたいというホンダからの意思表示と受け取りました。今季のレッドブル・ホンダへの注目はもはや「勝てるかどうか」ではなく「いつ勝つか、そして何勝できるか」に移っているような気もします。

フェルスタッペンがポディウムに上がったことで、パブリックビューイングはこれまでの中で最も盛り上がりました。次のバーレーンは昨年ガスリーが初入賞、その次の中国は昨年レッドブルが勝っていて、いずれも験の良いサーキットと言えます。サーキットとの相性という意味で言うと遅くともモナコまでには一勝を挙げてほしいところ。応援する身としても今まで以上に力の入るシーズンが始まりました。

コメント

  1. えむくま より:

    フェラーリをオーバーテイクしたシーンは痛快でしたねー。ヴェッテルが無線で「なんで俺ら遅いの?」と聞いていましたが、まさかメルセデスとレッドブルに引き離されていくフェラーリを見ることになるとは…。

  2. B より:

    過去のパブリックビューイング会場は毎度お通夜状態でしたがw、今回のあのシーンはこれまでにないくらい盛り上がりました。
    フェラーリが遅かったのは冷却の問題とミディアムタイヤとの相性問題?という気がしますが、前者が主要因だとすると引きずりそうですね…。

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