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数えきれない悔しさが、私たちを強くした。

青山のホンダショールームにて先日の F1 オーストラリア GP 優勝記念展示を行っているとのことで、足を運んできました。

Honda ウエルカムプラザ青山|F1世界選手権 オーストリアGP優勝展示

エントランスのピラーからして優勝記念の広告が貼り出されています。

新聞の全面広告としても出稿されたというこのキャッチコピー、第四期初優勝の喜び以上にここまで辿り着く過程での苦労や情念みたいなものが込もっていて、ずっと応援し続けてきたいちファンとしても胸に来ます。勝てなくて悔しいことはもちろんのこと、実際の結果に対するもの以上の批判や侮辱に晒されてきたホンダが耐えて耐えて、それでも諦めずに勝てるパワーユニットを作り上げた。だから今はちゃんとパートナーとして苦楽を共にしてくれるレッドブルファミリーとの信頼関係がありがたいわけです。

優勝記念展示なんだからどどーんとショールーム中央にあるのかと思ったら、ショールーム自体はあくまで通常営業で壁際にやや奥ゆかしく展示されていました。
でも優勝した翌週にレッドブルのショーカーと実際の表彰式で使われたシャンパンボトルを東京に持ってきたわけだから、ホンダの喜びの大きさとファンへの感謝、そしてレッドブルとの協力関係を推し量るに十分です。

なお今回の写真は全て EOS 5D Mark III+EF24-70mm F4L IS USM。最近 α7 III ばかりだったから久しぶりに。

レッドブル RB15 のショーカー。これまでにはマクラーレントロロッソのマシン展示には来たことがありましたが、春先の青山公道デモランには参加できなかったので、レッドブル・ホンダとしてのマシン展示に来たのはこれが初めて。
あくまでショーカーではあるものの、実車相当のマシンを目の前で見られるのはやっぱり興奮しますね。


F1 のショーカーというと通常は前年型の実車をリペイントして展示することが多いのでこれも昨年の RB14 ベースなのかと思っていましたが、よく見るとロールフープの形状が三角形(昨年型と現行型は横長の楕円形)。このマシン、おそらく 2017 年型の RB13 ベースのショーカーですね。

フロントウィングはカスケードウィングやエンドプレート外側にフィンのない 2019 年レギュレーション準拠な形状のものがついていました。が、よく見るとウィングはいくらなんでもシンプルすぎるし、フラップの角度を調節するアジャスターに可動構造が見当たりません。これはあくまで 2017 年のマシンに現行仕様っぽい外観のウィングを装着するためのモックアップにすぎないのでしょう。もしかするとカーボン製ですらないのかもしれません。

現行レギュレーション下でのエアロ開発のキモであるはずのバージボード~エントリーダクト周辺も非常にシンプル。この部分の空力開発が制限されていた 2017 年当時のバージボードがそのままついているようです。ポッドウィングは外されており、そのせいで随分やせっぽちに見えます。

このステアリングも 2019 年の実車とは仕様が異なるんでしょうが、フェルスタッペンがこんなスイッチを操作してエンジンのセンサトラブル発生時に設定を変更して出力を回復させたり、エンジン寿命を犠牲にしてパフォーマンスを上げる「モード 11」にセットしたりした結果として表彰台の中央に立てたんだなあ…と思うと感慨深い。

タイトルスポンサーの ASTON MARTIN との兼ね合いかフロントノーズに刻まれているホンダのエンブレムが小さくて残念ですが、エンジンカウル部分にある「HONDA」ロゴこそがファンの誇り。本気を出せば(そしてシャシーとのマッチングがうまくいけば)メルセデスやフェラーリもガチンコ勝負でブチ抜けることを証明した今こそ、ここに往年の「Powered by HONDA」を記してほしいとも思います。SNS 等ではオフィシャルに「#PoweredByHonda」のハッシュタグを使っているようですが、実車に使わないのには何かこだわりがあるんですかね。

リヤエンド。トロロッソ STR13 のそれと見比べるとパワーユニットが搭載されていないのはもちろんのこと、リヤウィングやディフューザーの形状はあまりにもシンプルだし、サスペンションも可動しないパーツに見えます。後ろ回りはほぼモックアップなんでしょうね。

個人的には同じ自動車メーカーであるアストンロゴの主張が強いのがやっぱり不満。ホンダにはぜひ冠スポンサー権も買い取ってここに堂々とホンダロゴを掲げてほしいところです。

パワーユニットも一応展示されていましたが、これは昨年型の RA618H。でもこれがあったからこそ今年の開発に繋がっているわけで、トロロッソと過ごした 2018 年は非常に重要な時間だったと思います。

オーストリア GP のポディウムで使用されたシャンパンボトルも展示されていました。これはドライバー用のものかコンストラクター用のものかは不明ですが、何となくコンストラクター代表として田辺さんが振っていたもののような気がします(笑

「CARBON」ブランドのシャンパンボトル、外装はその名の通りカーボン製のようですが、レースごとにサーキットのレイアウト図や国旗がプリントされていて毎回少しずつデザインが異なるんですね。
過去の F1 公式シャンパンであるモエ・エ・シャンドンやマムは個人でも買える価格帯だったけど、CARBON は高すぎて買えないんですよね…一度飲んでみたいものです。

優勝からかれこれ一週間が経つ今でも、当日の写真や映像を見るだけで泣けるほど感動したオーストリア GP。本当におめでとう。

願わくは、今後はいちいち勝ったからといってこんな特別展示をすることもなくなるくらい当たり前のように優勝争いをするチームになっていってほしい。これからも変わらず応援し続けます。

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