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F1 ロシア GP 2019

F1ロシアGP決勝:フェラーリ、速さを活かせず。ハミルトン逆転優勝、レッドブル・ホンダのフェルスタッペン4位

夏休み明けからのフェラーリ三連勝をふまえてのロシア GP。今回も予選から決勝序盤まではフェラーリが席巻したものの、お家騒動からの自滅でメルセデスが逆転の 1-2。ある意味で久しぶりにそれぞれ「フェラーリらしい」「メルセデスらしい」だったと言えます。

スターティンググリッドはルクレール-ハミルトン-ヴェッテルの順。グリッドからターン 1 までの距離が長く、飛び込みでハミルトンに並ばれることを恐れたフェラーリはヴェッテルがルクレールのトウ(スリップストリーム)を使ってハミルトンを抑え込む作戦を採ります。それは見事に成功したものの、そこで首位を奪ったヴェッテルとルクレールの間で主導権争いが発生。最終的にルクレールを前に出す取り決めはあったらしいのですが、序盤はヴェッテルのほうがペースが良く、わざわざルクレールとポジションを入れ替える方がハミルトンに攻撃されるリスクが高い。結局ファーストスティントではポジションの入れ替えを行わず、チームはピットインのタイミングでルクレールにオーバーテイクさせる作戦に出ます。
このピット作戦は(チームとルクレール的には)まんまとうまくいき、ヴェッテルをルクレールの後ろに回すことに成功したわけですが、その直後にヴェッテル車の PU にトラブルが発生、そのままマシンを停止。あまりにもタイミングが良すぎてヴェッテルが抗議のためにわざとトラブルを装ったんじゃないかと思ったほどでしたが(笑)、いずれにせよこれが原因で VSC が導入され、その隙にタイヤを交換したハミルトンがルクレールの前に出る形に。ルクレールは再度ソフトタイヤに履き替えてコース上でオーバーテイクを狙ったものの、そこはメルセデス最強のセカンドドライバー・ボッタスが完璧なブロック。そのまま戦況は変わらず、本来なら 1-2 確実だったフェラーリは 3 位 15pt を持ち帰っただけという結果になりました。

いやー、フェラーリのチーム運営ひどいですね。マシンの性能が上がってきたと思ったらドライバーの制御ができず、夏休み前よりもさらに酷い状況に陥ったと言えます。対するメルセデスは冷静に「最も勝てる可能性の高い作戦」を実行し、その状況下で取れる最大限のポイントを持ち帰ってくる。
個人的にはドライバーが勝つためにエゴを丸出しにするのは嫌いじゃない(そうでなければチャンピオンは獲れないと思っている)し、優等生を装いながらチームの主導権を掌握しにかかっている黒いルクレールは面白いキャラだと思っているんですが(笑)、フェラーリは今それをやっている場合じゃないでしょう。まだ可能性が残っているうちは一丸となって最大限のポイントを取りに行くべきだし、内輪もめしていいときじゃない。まあ、ルクレールは今季のチャンピオンシップはもうどうでも良くて、来シーズン初頭から自分がエース待遇を受けてチャンピオンを獲りに行くために今動いているようにも見えますが。逆にヴェッテルはそういうことをするキャラではないだろうしなあ。
F1 にとってチームメイトの確執は風物詩であり、贔屓のチーム以外で起きる分には「いいぞもっとやれ」と思っている自分もいますが(笑)、少なくともフェラーリには今はそれよりもチャンピオンシップを面白くしてほしい。

レッドブル/トロロッソ・ホンダは…今回 4 台全てにパワーユニットのエレメント交換を行って鈴鹿および終盤戦への供えをしたというところでしょう。グリッドペナルティを受けてフェルスタッペンが 9 番手スタートから 4 位、アルボンがピットレーンスタートから 5 位というのは立派。でもフェルスタッペンはメルセデス/フェラーリのレースペースについて行けていなかったので、今のマシンでは根本的に戦闘力が劣っているのもまた事実。次の鈴鹿ではレッドブルが新フロントウイングを、エクソンモービルが新燃料を持ち込むということでそれが優勝争いに絡めるほどの効果を見せることに期待したいです。
5 位に入ったアルボンの走りは素晴らしかったですね。序盤こそトロロッソに抑え込まれる場面も見られたものの、その後は躊躇のないオーバーテイクでみるみる順位を上げていきました。昇格してからまだ 4 レースしか見ていませんが、これは来季のシートはアルボンに合格点をあげて良いのでは。一方ガスリーはレッドブル時代よりは安定感があるものの、今回も抜ききれないレースで「やっぱりかー」という感じ…。

気がつけば来週末はもう日本グランプリじゃないですか。今の勢力図だとメルセデスとフェラーリがやっぱり強そうですが、そこにレッドブルも何とか食い込んでいってほしいところ。

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