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ROAST HORSE #4

久しぶりにお誘いをいただいて、馬を堪能してきました。

ロースト ホース

私の大好きなローストホース。完全会員制だけど私は会員権を持っていないので、馬主(会員権持ち)の某氏にお誘いいただいて二年ぶりの訪店。ここに来る日は万難を排して、十分にお腹を空かせて挑まなくてはなりません。

随分久しぶりに来たけど、ここはスタッフとお客さんの距離の近さがなんかいい。

お酒は持ち込みで。自分たちで馬肉に合うお酒を持ち込んでも良いのがこの店の嬉しいところ。

今回馬とのマリアージュを楽しませてくれるのは、梵 しぼりたて初雪 純米大吟醸と蓬莱泉「摩訶」純米大吟醸の二本になります。

一品目は汁物から。蓮根のすり流し。

私も大好きな汁物の一種ですが、家庭で作る蓮根の味噌汁とは全然違う、上品で優しい味。この品の良さを醸し出しているのは何かと思ったら…梅!この香りとほんのりした酸味はそれか。蓮根すり流し汁の新しい境地を知った気分。

そしていつもの如く肉寿司。今回は三角バラの握りです。

バラ肉って脂身が多くて、牛肉だと生で食べるのはちょっと…という感じですが、馬肉の三角バラは脂身なのに脂っこくなく、舌の上でサッと融ける。タレの味もちょうど良くって、これはいきなりたまりません。

鱈の白子と馬のオビ肉のワカメあんソースがけ。
何を言ってるのかわからねーと思うが(ry)とろける白子にこれまたとろけるオビ肉、そこにダシの深みを感じるワカメあん。こんなの初めて食べました。やばい(既に語彙力崩壊

つづいてハラミとシャトーブリアンの刺身。まだ序盤にも関わらず大ネタが出てきます。

どちらも赤身の肉肉しさを感じられつつも、やっぱり豚や牛とは違うサッパリした食感。これならバケツ一杯分でも食べられそうな気がしてきます。

そしてこの店の馬刺しの定番たるフタエゴとオビ。フタエゴは赤身の食感ととろける脂身のコンビネーションがいい。対してオビは一瞬にして融けてなくなる儚さ。

手前にあるのは馬ロース&チーズ。このチーズの詳細は不明ながら、濃厚なチーズの味と香りがロースの旨味を引き出して素晴らしい。

まだまだ続きます。これは確かカイノミとバラの刺身。

山椒の香りをちょっと効かせたタレの風味がイイ。
馬の様々な部位を、それぞれの長所を引き出すように調理して饗してもらえている感覚がありがたい。

さらにレバーとハツ。

牛レバーは生食での提供が法律で禁じられてしまいましたが、馬レバーは刺身でいただけるのが嬉しい。
ハツのほうはオリーブオイルで香りを立てているのが新しい。

一品食べるごとに、会話するのも忘れてしばし後味に浸ってしまうほどの幸福。

馬刺しラッシュに続いては、この店の定番にして本命のひとつ、馬肉ユッケのエスプーマ!

この幸せの黄色いフワトロの中にユッケが隠されているわけですよ。

ユッケはなんと蟹肉と和えてありました。

馬と蟹を組み合わせるとこんなになっちゃうのか!
そこにエスプーマの濃厚なおいしさ。もうこの世に思い残すことはない…という気持ちさえ持ち上がってきます。

そこに現れた馬肉の治部煮。

治部煮って石川の郷土料理ですが、ちょっと地味なので私はさほど好きではありませんでした。
が…、この馬の治部煮は見るからにうまそおおおおおおおお!

食べてみたら、見た目通り…いや見た目以上にうまい。本当にうまい。

肉を食べ終わったところで「煮汁、ごはんにかけますか?」。

なんという甘美な誘惑。これで食べなかったら男がすたる(何
馬の旨味が煮詰められた汁をごはんにかけると…もうこれで最後の〆でもいいんじゃないの?というクライマックス感。ああうまい。

しかしこれで終わりなんかじゃ全然ないのがこの店。

ここで全く趣向を変えて、馬肉のリエット。
治部煮とはまた方向性の違う、でもこれまた馬を煮詰めて旨味を凝縮したやつ。

それとコウネの軍艦。
口の中に入れた瞬間に脂身(脂っこくない)がじゅわあっと広がるやつ。

今の俺はもう、次から次へと出てくる料理のうまさをひたすらに味わうマシーンになっている。

待ってましたよ焼き野菜!

今回の焼き野菜はエリンギ、カブ、それにギンナン。
普通は焼肉屋に行っても焼き野菜で興奮することなんてまずないのに、ここの焼き野菜は出てきた瞬間に高揚してしまいます。

エリンギの断面のみずみずしさ!
表面は少しパサッとするくらいよく焼けているのに、内部にはこれだけ水分を湛えているという。

香ばしさと旨味と食感の三位一体が素晴らしい。

カブもこのジューシー感ですよ。

バーベキュー等でもカブを焼くことって滅多にないと思いますが、こうやって食べるとカブが何か別の食べ物のよう。カブの新しいうまさを発見した気分。

クライマックスはローストホース。
今回は「ギザギザ」という部位のローストホースです。

イチボに近い部位らしいのですが、イチボよりもさらに赤身肉らしい、食べ応えある食感と濃いうまみ。
野菜焼きでワンクッション置いた後にこの肉肉しさ、また新たなる気持ちで肉を味わえます。

二品目。ここまで来るとうまさのあまり記憶が混濁してますが、イチボだったかバラだったか…。

とにかく先ほどのギザギザとは対照的な、脂乗りの良いローストホース。
最後にしっかりとした満足感を与えてくれます。

〆は意外にも(?)うどん。春菊とおあげ、揚げ麩が入った海老芋出汁(!)のうどんです。

この細くてコシが強い麺はもしかして氷見うどんじゃないですかね。ツルツルした喉ごしがおいしい。
それにこの海老芋出汁!最後の一滴まで残さず飲み干したくなるおいしさ。

デザートは林檎のかき氷と安納芋のエスプーマ。最後にまたエスプーマが味わえるとは。
しかも林檎と安納芋の甘みと香り…完全に秋を満喫させてくれる味。これはかき氷界の合法ドラッグや…。

はああああ、今回も最初から最後まで完璧に堪能させていただきました。
この一年あまり、いろいろ辛いこともあったけど頑張ってきて良かった、と大げさなことまで感じてしまうおいしさ。やはりこの店は幸福度が高い。

日々の生活に疲れたら、またこの店でご褒美を食べに来たいと思います(会員じゃないから好きなときには来れないけど)。
本当にごちそうさまでした。

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