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三鷹のお茶漬けの味

「人生には…大嫌いなものを黙って食べなきゃならない時もある。だけど、人が嫌がるものを無理矢理食わせる権利は誰にもない」

三鷹

『孤独のグルメ』聖地巡礼は先日ドラマ三部作を無事完結しましたが、原作のほうがまだ少し残っています。っていうか、原作のほうは当初はコンプするつもりもなかったのに、気がつけばだいぶ巡ってきてしまっているという(笑
残り少ない原作版の聖地で残っているのはいずれも私にとって(主に立地的に)ハードルの高い場所ばかりですが、今回は 22 話に登場した、東京都三鷹市にやってきました。

三鷹といえばドラマ Season2 の最終話の聖地でもあります。あの聖地巡礼以来久々に三鷹までやってきたわけですが、今回のお店は駅からはだいぶ遠い。徒歩 15 分ほど歩き、ほぼジブリ美術館の近くというような静かな住宅街の中に、そのお店はありました。

みさと

みさと

ん、お茶漬け…?
うーん、どう見たって居酒屋だけどな…。お茶漬け屋さんではないだろう。

このハードルの高さ。駒沢の煮込み屋もたいがいハードルの高い店でしたが、この店が醸し出すオーラはその比ではありません。建物の年期の入り方がそう感じさせるんだろうな…中からは常連さんらしき人の話し声。意を決して、引き戸を開こう。


みさと

店内には、テーブルが 2 つとカウンターのみ。70 代と見えるおばあちゃんがお一人で切り盛りされているようです。壁には、いかにも「こどグルっぽい」感じでお品書きが吊されています。

カウンターでは、おじさんとおじいちゃんの間くらいの年齢の、おそらく地元の人とおぼしき常連さんたちが話し込んでいる感じだったので、ちょっと遠慮して空いていたテーブル席に。

「いらっしゃい。飲み物何にする?」

って、聞いてきたのおかみさんじゃなくて常連さんかよ!(;´Д`)ヾ。

みさと

とりあえず、ビール。
お通しは、筍と厚揚げの煮物。ああ、居酒屋っていうよりも、ばあちゃんちでじいちゃんが晩酌するときってこんな感じだったよなあ、と思わせる光景。

煮物は、予想にたがわず出汁の効いた、おばあちゃんの煮物の味。
でも、我が家の味とは確かに違う。人んちっぽい味だ。

みさと

それで、ビールのつまみに、あたりめ。
これはゴローが頼んでいたメニューですが、確かにマヨネーズたっぷりで、原作通りの見た目。
それにしても、酒も飲まないのにあたりめをおかずにするゴローの味覚は、さすがに私の理解の範疇を超えています(笑

それにしても、このあたりめ、確かに劇中にあったとおり、固い。
あたりめは今までにもお酒のつまみとしてけっこう食べてきたけど、こんなに固いあたりめは初めてかも。

アゴが疲れてきた。食べてるんだか処理してるんだか…。
ぎ、ぐぎ、か…固い。いい。

このあたりめだけとずっと対峙するのも大変だな、次の五郎メニュー・ハムエッグでも頼むか…と思っていたら、

さっきの常連さんが自分のコップを持って、おもむろに私の向かいの席にドスン。
えっと…(´д`)。

「お茶漬け食べに来たんでしょう?ここはたらこがうまいんだよ。ママ、たらこ一つね」

…いかんな、タイミングがズレてる。

みさと

というわけで、たらこ茶漬けが出てきました。
…本当は、ゴローが注文した梅茶漬けが食べたかったんだけどな。まあ、ゴローも原作では「二度目のアームロック」をこの店で披露した挙げ句お茶漬けは食べずに帰っていたので、そういう意味ではお茶漬けが食べられただけマシか(笑。

このたらこ茶漬け、出汁の効いた薄味で、なんとも沁み入るやさしい味。おばあちゃんのやさしさが溶けているような。気取らないけど、それだけに、妙に落ち着くなあ。
飲んで帰ったときに、自宅でこんなお茶漬けが出てきたら、ありがたくて涙が出てきそう。「お茶漬け屋」という珍しい看板は伊達ではないのだなあ。

お茶漬けは美味しかったけど、結局最後まで歯車がズレた感じで…ハムエッグとか、他にも劇中に出ていないけどししゃもとかいわしとか、そういう地味なつまみが食べたかったけど、今回は以上で終了。固いあたりめが、気づけば腹の中で膨れてきて、妙に胸がいっぱいになってしまいました。ちなみにあたりめは半分ほどしか食べられませんでしたが、残りは包んでもらえたので、ありがたく持ち帰りました(笑。

これまでの聖地巡礼史上最も食べた量の少ない結果となってしまいましたが、たまにはこういうこともあるか…。

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ドラマ&漫画『孤独のグルメ』の聖地を実際に巡礼してきた本人によるまとめです。(※2017 年大晦日スペシャルの広島編、2019 年大晦日スペシャルの釜山編、2023 年大晦日スペシャルの台湾編、および原作の病院、パリのみ未巡礼)。ドラマ『孤...

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