「古き良き、正統派の洋食をいただく最高のひととき。もう誰も俺のナイフとフォークを止められない」
ドラマ『孤独のグルメ Season8』は大晦日スペシャルの放送も済んだところですが、私の方はまだ残っている通常回の聖地巡礼レポートを続けていきます。
今回は、年末のうちに巡ってきた高井戸のレストランのお話。
「EAT」、超ストレート。いい店名だ。今までありそうでなかった名前のレストラン。いかにも『孤独のグルメ』っぽいじゃないか。
第 2 話に登場したこちらのお店ですが、放送後からしばらくマスターの体調不良(?)によりしばらく休業していたようで、巡礼することが叶いませんでした。が、11 月末から営業再開したため、今回満を持して訪店。予約不可とのことでいつもより早めの時間、18:00 頃に到着したところ、10 分ほどの待ちで入店することに成功しました。
よし、入ろう。
老若男女、一人客から家族連れまでで賑わう店内。さまざまな映画や舞台のポスターが壁を埋め尽くしている雰囲気もけっこう好き。
地元に密着した洋食レストラン、こういう店ってどこにでもありそうで案外ないんだよな。
厨房では年老いたマスターと若いシェフの二人体制でテキパキと調理が進んでいるけど、このけっこう広い店をカバーするのはそうとう大変じゃないだろうか?
ハンバーグステーキやビーフシチュー、テンダーロインステーキなど洋食の王道が並ぶメニューの中に、ちらほらと「ミート・パトラ」「ア・レ」という他では見ない品名が。このちょっとカオスな感じがこの店らしさです。
しかしまあどれも名前を見ているだけでおいしそう。聖地巡礼でなければ上から順に全部食べてみたいところ。
まあまずはビールから始めましょう。
乾杯!
ビールに合わせるのは、久住さんも食べていたレバーの唐揚げ。
レバーの濃い味が唐揚げになることでさらに凝縮される感じ、これは確かにビールに合う!
冒頭からグッと胃袋を掴まれた。
チャーチャースープ。
この、何気ない見た目なんだけど、すごく深くて…やさしいうまさ。
ボルシチっぽいけどまた違う。いろんな野菜のうまみとか…それにジャガイモと卵のクリーミーさ。
この店の料理に対する思想そのものが溶けているような気がする。
何がチャーチャーなのか全然わからんが、さりげなくすごいスープだ。
丼で欲しい。
スープを飲んでいる間に次々と運ばれてきたメインディッシュ群。
タンステーキ、ミートパトラ、ア・レの三つ巴戦。
絶対時間かかるだろうから最初にまとめて注文しておいたつもりが、一気にやって来てしまった。
どれもこれもうまそうで、頭がメリーゴーラウンドだ。
あぁ…空腹がジェットコースターのごとく加速する。
タンステーキ、この大きさ厚さ!もう笑うしかない。
一瞬「サーロインステーキなんて頼んだっけ?」と勘違いしそうになったほど、立ち向かい甲斐のある肉だ。
うおぉ…メチャ柔らかい。歯を立てなくても口の中で解けていきそうな勢い。
この舌触り、噛み応え。ヒレもロースも吹っ飛ぶぞ。
そしてこのストレートなガーリック醤油味、最高にして最強。
これは食べ応えあるステーキだ。
ミートパトラ。見た目からでは一体何がどうなっているのかよく分からない料理だけど、見るからにうまそう。
挽肉とトマトチーズで確かにドリアっぽい食感なんだけど、その実体は全然違う。
アッツアツで半端ないミート感を、辛さが追っかけてくる。
この辛さがけっこうしっかりした辛さだけど、何故か止まらなくなるうまさ。
チーズに卵。この二つが辛さをまろやかにしてくれる。これがまずかろうはずがない。
胃袋を熱く焦がすスパイシー洋食、俺は今日新しい世界を知った。
これ、大好きだ。
さらに「ア・レ」。
ヒレステーキをチーズで包み、それを濃厚デミグラスソースの中に沈めてアツアツにしたやつ。ちょっとやりすぎじゃないですか、シェフ。
ヒレステーキというだけでうまいのに、それにチーズとデミグラスソース。
オトコノコの好きなもの全部盛り。まさにうまさの限界突破だ。
大胆にして強引、既成概念をバリバリと踏み倒していく。
こういう洋食をいただいたらビールじゃなくてワインが欲しくなるというもの。
洋食レストランらしく気取りすぎないワインをグイグイいく感じ、いいじゃないですか。
いやあ、おいしいねえ!
まだまだいきます。こちらも久住さんメニューのムーンバーグ。
ハンバーグの上にマッシュポテトと卵が載りつつ、周りは濃厚デミグラスの宇宙。
これもたまらん。日本の洋食、その底力を見せつけられるようなごはんに合うご馳走。
ちょっとちょっとここのシェフ、何者なんだ?
ボリュームたっぷりの肉にたっぷりのソース、チーズ、卵のコンボ攻撃。それがこの店のキモ、という気がする。それでいて、一品ずつちゃんと違う味。
オトコノコの食欲が刺激される洋食味、それにボリューム。
大人が食べてもこんなに嬉しいんだから、子どもを連れて来たら大歓喜に違いない。
パンコキール。
厚切りパンで作ったグラタンのとろけるチーズ包み。
ほうら、デミグラスだけじゃなくてホワイトソース系もうまいだろうと思ったんだ。
久しぶりの王道洋食づくし、幸せすぎる。
デザートはオレンジシャーベット。
最後にスッキリするために軽めのデザートを…と思ったら、想像の倍の量のシャーベットが出てきた(汗
でも、それもまたこの店らしい。
どの料理も注文から待たせずサッと出てきて、洋食屋なのに町中華のような手際の良さだった。
これはきっと仕込みがしっかりしているんだろうなあ。
月・水・木が定休日とのことだけど、定休日は休んでいるんじゃなくて営業日のための仕込みのための時間に違いない。
放送を見たときからここは当たりという直感があったけど、実際に最初から最後まで全部おいしかった。
実に懐の深い、いい店だった。今まで知らなかった肉満足だ。
「チキンオー」とか「スパニッシュライス」とか、まだまだ未知のメニューがたくさんある。
ここもまた、再び訪れたい店の一つになった。
ごちそうさまでした。
本当においしかったです。
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