フェラーリF1、セバスチャン・ベッテルとの契約を延長せず。今季限りでの離別が決定
COVID-19 の影響により未だ開幕することができずにいる F1 ですが、このタイミングでフェラーリとセバスチャン・ヴェッテルがドライバー契約を今シーズン限りで終了することが明らかになりました。
昨シーズンの確執を経てヴェッテルとルクレールの関係は決定的に悪化し、またルクレールが 2024 年までの長期契約を締結したことでヴェッテルのチーム離脱はほぼ決定的というのが大方の見方でした。しかし、かといってヴェッテルにも「勝てるチーム」という意味では他のオプションはないに等しく、おそらくはフェラーリ/ヴェッテルともに今シーズン前半の結果を見極めてから来季を判断したかったはず。しかし今シーズンの開幕が早くても 7 月以降という状況になり、これ以上待つことで両者にとって取れる選択肢が狭まっていくことを嫌った結果このタイミングでの決定に至った、といったところでしょう。またフェラーリの慣例からいって後任のドライバーは内々には既に決まっているか、少なくともかなり具体的な段階に来ているとみて良いと思います。
こうなると注目されるのが後任ドライバーとヴェッテルの行き先。今後のフェラーリでルクレールが絶対王政を敷くとなればハミルトンやフェルスタッペンの加入はあり得ず、その次にフェラーリに乗れる資格がありそうなのはルノーのリカルドとマクラーレンのサインツのどちらか。あるいはフェラーリ育成枠でアルファロメオに乗っているジョビナッツィの可能性もあるけどちょっと力不足感が否めません。昨年の成績やチームへの貢献度を考慮するとサインツが濃厚か…という気はしますが、もう一度競争力のあるマシンに乗るリカルドも見てみたい。
一方ヴェッテルの移籍先(引退しないとして)はメルセデスはまずあり得ません。古巣レッドブルに戻るヴェッテルも見てみたい気はするものの、ルクレールのセカンドを嫌がったヴェッテルがフェルスタッペンのセカンドに甘んじるとも思えないし、レッドブルはヘルムート・マルコがヴェッテルの出戻りを考えていないと発言しているため、これも厳しいか。そうすると必然的にマクラーレンかルノーに乗れなければ引退 or 一年間の休養しか残されていません。マクラーレンとルノーの二択であれば、いつ撤退してもおかしくないルノーよりはチーム再建の勢いがめざましいマクラーレンのほうがポジティブでしょう。あとは年俸が折り合うかどうか。個人的には、メルセデスが今季 or 来季いっぱいでワークスチームの活動を終了し、マクラーレンかレーシングポイント(改めアストンマーチン)がワークス扱いになる可能性もあると思っているので、そうなった場合マクラーレン・メルセデスのヴェッテルというのはけっこう強力なパッケージになりそうな気はします。まあ仮にそういう状況になったらハミルトンとボッタス、それにトト・ウォルフまでもが移籍することになるため、F1 シーン全体を揺るがすシャッフルに発展するでしょうが。
あまりにもニュースがなさすぎて寂しいと感じていた F1 ですが、ここに来てドライバー市場に大きな一石が投じられました。これをふまえて他チームとドライバーがどう動くか、しばらく注視したいと思います。
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