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F1 アブダビ GP 2023

角田裕毅、”恩師”へ送る8位! 奮闘見せて初のドライバー・オブ・ザ・デイ獲得。フェルスタッペンが今季19勝目|F1アブダビGP決勝

2023 年の F1 最終戦アブダビ GP。主要タイトルはここまでのレースで確定済みでしたが、ドライバーズ/コンストラクターズのチャンピオン以外の順位がかなり接戦だったこともあり見どころの多いレースでした。波乱は少なかったものの見応えという意味では今シーズンベストだったんじゃないですかね。アブダビは(あの 2021 年を除いて)退屈なレースになることが多かったので、良い意味で期待を裏切られました。

■レッドブル

フェルスタッペンが「いつもの感じ」でレースを支配し今季 19 勝目。シーズン中盤の 10 連勝に続き、日本 GP 以降最終戦までを 7 連勝。マックスが完全に支配した一年を象徴するようなレースでした。これでレッドブルとしては 22 戦 21 勝、年間勝率 95.45% は 1988 年のマクラーレン・ホンダを上回って歴代トップ。フェルスタッペン個人としても連勝記録(10)、年間最多勝利記録(19 勝)に加えて年間勝率 86.36% の新記録を樹立。さらに F1 通算 54 勝目はセバスチャン・ヴェッテルを抜いて歴代単独 3 位、という記録づくめのシーズンでした。もうあとは全勝記録に挑戦するしかありませんが、同一レギュレーション内で熟成の進む来季は今年のようにはいかないだろうし、これがもう不倒の記録として F1 史に刻まれ続けることになるのでしょう。

僚友ペレスは予選 Q3 でのトラックリミット違反によるタイム抹消、からの決勝での追い上げ→終盤にノリスとの接触で 5 秒ペナルティー、までこちらも完全に今年を象徴するレースをしてしまいました。来年も変わらないようだとレッドブルのコンストラクターズチャンピオンは厳しくなってくると思うんですけど、大丈夫でしょうか。

■各チーム/ドライバーのポイント争い

フェラーリとメルセデス、マクラーレンとアストンマーティンのコンストラクターズ争い、およびそれらのチームのドライバーズランク争いが白熱しました。特にラッセルが頻繁にピットに対して(コンストラクターズポイントを考慮した)ハミルトンの順位を確認したり、ルクレールがペナルティーを受けたペレスを前に出すことでメルセデスとのポイント差を調整しようとしたり、露骨にポイントを意識した走り方をしていたのは最終戦ならでは感があって面白かったです。
結果としてコンストラクターズは 2 位以下がメルセデス→フェラーリ→マクラーレン→アストンマーティンの順。ドライバーズは 3 位以下がハミルトン→アロンソ→ルクレール→ノリス→サインツの順となりました。いずれも結果的にはほぼ現時点での実力順になったという印象ですが、開幕当初の勢いを考えるとアストンの失速感がすごかったなあ。2026 年のホンダとのジョイントを視野に入れると、シーズン中の開発力と二人目のドライバーをどうするかが課題と言えそうです。メルセデス・フェラーリ・マクラーレンに関しては今季はサーキットごとに浮き沈みが合ってポイントを分け合う形となりましたが、来年は(アストンを含め)どこかのチームが抜け出してレッドブルとの直接対決の構図を作れるかどうか、が見どころ。

■アルファタウリ

角田裕毅が今季ベストと言えるレースを見せてくれました。最終戦にしてフロアアップデートを持ち込んできたチームはフリー走行でこそセットアップ迷子になりそうな不安をよぎらせましたが、予選までにはなんとかまとめて角田が見事 P6 を獲得。決勝では 1~2 ポジション落としてでもポイントフィニッシュが期待できそうな位置でした。
決勝はスタート直後にアロンソに交わされながらもコース上で抜き返し、その後はトップグループと遜色ないペースを披露。上位狙いのギャンブルで 1 ストップ戦略に賭け、終盤に苦しみながらも 8 位入賞をもぎ取りました。ファイナルラップに一度はハミルトンに抜かれながらも相手のミスを誘って抜き返したのはうまかった。それまでの展開も「最終的に何位になれそうか」を想定してプッシュするところと無理しないところを自分で制御していたように見えたし、レースクラフトうまくなりましたよね。あの悔しかったメキシコでの無謀なオーバーテイクからもちゃんと学習したことが分かります。
正直なところ、レースペースの良さを鑑みれば他と同じ 2 ストップ戦略を採っていれば 6~7 位でチェッカーを受けることができたかもしれません。事前に決めたストラテジーに固執し、レース中の臨機応変な戦略変更ができないのがアルファタウリの限界。でもまあ今回のレースに関していえば「ベストではなかったかもしれないけど十分よくやった」と言えるのではないでしょうか。

また今回のレースで角田は自身の予選最高位(6 位)と初めての(そして日本人として二人目の)ラップリーダーを記録し、また初めてのドライバー・オブ・ザ・デイを獲得。得票率 24% という数字は日本のファンの投票だけでは取れないと思うので、世界中のファンが角田の敢闘を認めた結果でしょう。苦しい一年を経て大きく成長した証として、シーズンの最後に立派な結果を残してくれました。

TSU22

長かった 2023 年シーズンもこれにて終了。各チームはそのままアブダビに残ってポストシーズンテストに移行しますが、レースとしてはこれからシーズンオフに入ります。ほんの三カ月後には新しいシーズンが始まるとはいえ、ちょっと寂しい。

来シーズンの F1 と、角田の活躍を今から楽しみにしています。

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