昨日のエントリーで書いた PC 用外部マイク、最終的に購入したのはこの製品でした。
ソニー / エレクトレットコンデンサーマイクロホン ECM-PCV80U
確実に接続できてそこそこ指向性があって音が悪くない PC 用マイク、という条件だと USB マイクが最も確実なはず。なんたってマイクを USB 端子に挿すだけで良いわけですから。当初は各方面での評価が高かったマランツ MPM1000U かテクニカ AT9934USB が欲しかったんですが大人気で転売価格がついており、いつになったら正規価格で買えるのか分からない。そうこうしているうちにヨドバシや Amazon でソニー ECM-PCV80U の流通が回復してきたことに気づいたので、マランツやテクニカをこれ以上待つよりは早く入手したいと思って購入しました。
発売は 2011 年ということでちょっと古い製品です。当時はまだ YouTuber という言葉もなかったはずですが、PS3 のカラオケアプリでも使えるなど地味に用途は広かったようですね。それにしても発売からこれだけ経ってからリモート会議需要で在庫が払底するほど売れるとは誰も予想してなかったんじゃないでしょうか(笑
マイク本体は何の変哲もないボーカル用ハンドマイクです。金属製でひんやりした感触と程良い重さがあり、カラオケで使うとしっくり来そうな質感。
周波数特性は 80-15,000Hz で人の声には十分なスペック。パッケージには楽器録音を想起させるイメージ画像が印刷されていますが、ギターはほぼカバーしているけどピアノやベースの低音域は拾いきれなさそう。基本的にはボーカル/会話用と割り切るのが良さそうです。
ケーブルがちょっと変わっていて、マイク側が XLR なのに反対側がステレオミニプラグ(だけど音声信号はモノラル)になっています。マイク側の XLR 端子がダイナミックマイクと同じ形状なので紛らわしいですが、PC 等に繋ぐのであれば逆側がミニプラグなのは取り回し的にはありがたい。PC 側にマイク入力があれば、後述する USB オーディオボックスを経由せずに直結することもできます(音質的には直結するメリットはあまりないですが)。
それとこのケーブル、長さが無駄に 1.8m もあるから机上で使うには長すぎるんですよね。邪魔になるからほぼ巻いた状態で使うことになりそうです。
付属の USB オーディオボックス。機器側のコネクタが miniB なのが時代を感じさせます。また OS 付属の汎用オーディオドライバで動作するため、別途ソフトウェアをインストールしなくても繋ぐだけで使えてしまうのはお手軽。
見ての通りマイク入力に加えてオーディオ出力もついており、マイクから入力された音声を PC 側の音声処理を介さずにスピーカ/ヘッドホンから(PC からの音声とミックスした上で)出すことができる模様。マイクの音に遅延がなくなることでカラオケ等で使った際の違和感がなくなるとのことです。リモート会議では自分の声を自分で聞くことはまずないため、その効果を感じることはできませんが…。
小型のマイクスタンドも付属しています。角度が変えられるだけで高さは固定のため机上に置いて使うのにしか使えませんが、PC 用としてはまあ十分。
ボーカル用のハンドマイクなので、口に対してマイクを垂直に配置するのが最もよく音を拾う使い方になります。そうするとマイクを少し寝かせることになり、ただでさえ狭い机上の投影面積を大きく取ってしまうのが難点。サイドアドレス型で口に対して平行に(マイクを立てて)設置できるマランツやテクニカのマイクが欲しかったのは、音質だけでなく設置面積の小ささにも利点を感じたためです。まあ買えないものはしょうがないけど。
音の指向性に関しては、マイクの正面(垂直方向)と周辺方向で明らかに感度が変わり、マイクの側面から話したときには拾える音が半分程度に下がります。また遠くの音は拾いにくい傾向にあるようで、これなら周囲の生活音をあまり拾わずに自分の声だけをリモート会議のメンバーに送ることができそう。仕事ではまだ半日くらいしか試せていませんが。
音質については正面から話してもちょっと篭もった感じがなくはないけど、そもそも私の話し声自体が低めでマイクや電話では拾いにくいので、一般的な声質の人だとどうかはちょっと分かりません。自分の声をネットに晒すつもりがないのでサンプルを聞かせられないのが申し訳ないですが…。
また、各所に掲載されているレビューでは「十分な音質」という評価と「ノイズが酷い」という評価が二分されているのが購入前から気になっていたのですが、その原因の一つは「USB オーディオボックスが他の USB ポートのノイズの影響を受けやすい」からだと思われます。私が最初に PC に接続したときにも、ホワイトノイズですらない「ビーーー」というノイズが定常的に聞こえていたのですが、これはどうやら隣の USB ポートに挿したワイヤレスマウスのレシーバ(ロジクールの Unifying レシーバ)から発せられるノイズを拾っていたようで、USB ケーブルを別のポートに挿し直したら収まりました。これ以外のホワイトノイズもないわけではないけど、三千円台のマイクで PC 内蔵マイクよりも格段にクリアかつ環境音を拾いにくいリモート会議環境が手に入れられたから十分です。
結果的に今の私の自宅デスクは PC にフルサイズカメラと USB マイクが接続されて、オマエは YouTuber か何かかというような状態に(笑。映像はともかくとして、これでリモート会議の効率が少しでも向上すると良いんだけど。でもこればかりは相手方の機器やネットワークの状況も揃わないと全体的な解決とはいかないのが難しいところです。
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