西小山にいいとんかつ屋があると聞いて、ちょっと足を伸ばしてきました。
西小山って武蔵小山と大岡山という商店街が有名な街に挟まれたちょっと地味な場所というイメージだったんですが、実際に降り立ってみると小ぶりながらよさげなお店が立ち並んでいて、イイ街ですね。
この「波止場」はその駅前商店街をほんの 2～3 分歩いたところにあるとんかつ店です。
メニューはこんな感じで、オーソドックスにロースかヒレを選ぶだけ…かと思ったら豚しゃぶもあるし、何その「ロースエアーズロック定食」って！
エアーズロックといえば市ヶ谷の大木屋が有名ですが、ここのエアーズロックはどんなのだか、かなり興味ある。
店内は 1F はカウンターのみ、2F がテーブル席になるようです。入店した途端サザンオールスターズの楽曲が耳に入ってきて、その瞬間に店名の「波止場」の意味を悟りました（笑。サザンがかかってる店に入るとテンション上がりますよね…。
壁際にはずらっと焼酎瓶が並んでいるし、店内の雰囲気はとんかつ屋というよりは居酒屋。どうやらこの店はとんかつ屋になる前は同じ店主が居酒屋として営業していたようですね。ちなみに店主は一見いかつい感じでしたが、他のお客さんと話している様子ではかなり気さくな印象。
とんかつを注文して出来上がってくるのを待ちます。目の前が鍋で、自分のとんかつが仕上がっていく様子が観察できるお得感。
ここのとんかつは一度低温の油でじっくり揚げてから、最後に高温の油でカラッと仕上げる二度揚げ。私が頼んだ上ロースとんかつは 10 分ほどで揚がってきました。
これが私の上ロースとんかつ定食。とんかつにキャベツ、お新香、ご飯に豚汁。何も奇をてらわない、王道中の王道。
その中で一片だけ断面を誇示するように並べられたとんかつが光って見えます。
味付けもヒマラヤ岩塩だの奄美の塩だの、そういう変わったのは一切ない（そういうのもおいしいんですけどね）。ストレートに粗塩ととんかつソースで勝負する潔さ。
このロースカツがまた…柔らかくてジューシー、なんていう陳腐な言葉では表現しきれないおいしさ。
そして口の中で解けるように溶けていく脂身の甘みがたまらない！これ、めちゃくちゃおいしいです。
そういえばここ、有名店らしいのに SPF とか銘柄豚とか一切謳っていないと思ったら、実際に銘柄豚ではないらしい。マスターが長野県で見つけたとある養豚場から直接仕入れている通称「ヤミ豚」とのこと。
ブランドに振り回されず、自分が信じた道を行く姿勢。それが実際にすごくおいしいんだからこれ以上のことはありません。
しかも、脂の甘みを感じられるくらい脂が乗っているのに、食べた後「ヒレカツもう一枚くらい行けたかな？」と感じてしまうほど、胃にもたれない。揚げ物のおいしい店に共通するのって、この食感の軽さなんですよね。
なおこの店、実はあの『孤独のグルメ』のロケ地の有力候補に挙がったことのあるお店だそうです。
食べて納得、確かにこの味ならこどグルに登場した数々のとんかつ店にも負けてない。
とても気に入ったので機会を見つけてまた来ようと思います。ヒレカツもおいしそうなんだよなあ。
でもエアーズロックも気になるし、豚しゃぶもおいしいに違いない。今度は誰かを誘って夜に来てみたいところです。
ごちそうさまでした。
コメント