先日二回目の横浜ガンダムを見に行ったときに買ってきていた、会場限定販売の RX-78F00 ガンダムのプラモを組み立てました。
横浜ガンダムは「ガンダムの立像」として見たときのデザインはあまり好きじゃないけど、「実寸大の動くガンダムを目指して作られた工業製品」として見たときの有り様はすごく良い。いや、実際には現物をこの目で見るまではちょっと斜めに構えていた部分もありましたが、動いている姿を見るとガンダムの立体物の表現としてはアリだと思えたし、何よりもそれに携わったエンジニアたちの情熱と苦労が伝わってきて好きになってしまいました。これはミニチュアを手元に置いておきたい、と思えました。入場特典の 1/200 もあるけど、あまりに簡素すぎてちょっと寂しかったので。
キット自体は MG などのブランドを冠していない無印扱いでパーツ点数も少なく、組み立て難易度はさほど高くありません。私はファーストガンダムの劇場版三部作を流しながらでほぼちょうど完成までもっていけたので、塗装やスミ入れなしならば 6 時間程度といったところでしょうか。
というわけでこれが 1/100 RX-78F00 ガンダム。オリジナルのガンダムと比べて大胆なアレンジが加えられていますが、それでもちゃんとガンダムに見えるあたり「デュアルアイセンサー」「V 字アンテナ」「への字口」「白基調のトリコロールカラー」あたりを満たしていればガンダムとして成立するということなのでしょうか。大河原邦男氏が四十年以上前に描いたこの意匠は実にアイコニックだったことを改めて実感します。
デザイン上は肩や肘に可動のためのモーターや減速機を仕込むための形状が目を引きますが、後ろから見ると膝裏が大胆に開口しているのも印象的。今までのガンプラになかった形状の多くは「動かすため」に考えられたものです。
実物の RX-78F00 は白青赤黄がそれぞれツートンで構成されていますが、1/100 ではその色分けはされていません。塗り分けでキレイに仕上げる自信がなかったのと、このスケールで細かく塗り分けてもうるさいだけだと思ったので成型色をそのまま生かしました。ビームサーベルの柄のグレー部分と足裏の一部だけは塗装しましたが、スジ彫りは実物でもちょっとうるさいと思っていたのでスミ入れは一切行いませんでした。
装甲のエッジ部分のグレーはシールですが、丁寧に折り曲げながら貼ってやるとカドがパキッと見えてきて悪くない。
各パーツは表面処理がキレイで素組みのまま完成としても良いと思えましたが、ゲート跡に軽くヤスリ掛けした部分もあったのでプレミアムトップコート半光沢を吹いて仕上げました。
膝の二重関節を二重関節っぽく見せないデザイン処理がなかなか秀逸。前述の膝裏の処理も併せて、動かすために相当練り込まれたデザインであることが自分で組み立ててみると改めて解ります。
肘も見せかけの関節(Φ モールド)と実際の関節の位置が違うんですね。それを二重関節に見えないよう巧く騙すデザインになっています。
12 年前のお台場ガンダムを元にした MG ガンダム Ver.3.0 と並べると、似ているようで全然違うことがよく判ります。いわゆる「ガンダム」としてはお台場ガンダムのほうがイメージに近くて、横浜ガンダムのプロポーションはロボットというより人間の体型に近いものを感じます。
キットに付属の G-CARRIER。横浜ガンダムの真の本体であり、ガンダムの全体重をこれが支えている影の主役。これがついていることでこのキットは「ガンプラ」ではなく「横浜ガンダムのスケールモデル」たり得ているわけです。
G-CARRIER のほうは雰囲気を出すためにつや消しトップコートをかけてみましたが、真っ黒な物体につや消しを吹くと埃や擦り傷が目立ちますね。半光沢のほうが良かったか。
ガンダムの腰の部分にジョイントさせることができます。
実際の G-CARRIER とは違って上下に可動はしないためガンダムを棒立ちさせるためにしか使えませんが、このキットはこの状態で飾っておくのが正しい楽しみ方なのでしょう。
しかし、こうなってくると G-DOCK TOWER も含めてジオラマ化したくなるじゃないですか。
というわけで MGEX ユニコーンガンダム 付属の MS ケージに入れてみました。MGEX ユニコーンのスタンドより G-CARRIER のほうが奥行きがあるせいでガンダムを完全に格納することはできず、デッキオープン状態でしか飾れませんが、これでも雰囲気は十分出る。
あー、この状態で飾るのが圧倒的に正解な気がしてきた…。
動く実寸大ガンダムを初めて見たときの感動が甦ってきます。
MG や RG に慣れているとプラモとしては物足りない部分も多いけど、実物を見て感動した勢いで組み立てるスケールモデルとしては良い出来だと思います。気持ちの勢いのままにサクッと完成までもっていけるスピード感もプラモには刻に重要なんですよ。
プラモが完成したらなんだかまた実物が見たくなってきてしまいました。近いうちにもう一度行くかなあ…。
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