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F1 オランダ GP 2021

Max Verstappen

マックス・フェルスタッペンの母国グランプリとして 36 年ぶりに開催されたオランダ GP。前回開催時(1985 年)はまだ日本での F1 中継が始まる前であり、私も当然オランダ GP を見るのは今回が初めて。ザントフォールトは鈴鹿サーキットの原型と言われるとおりコースレイアウトや風景がよく似た中高速のテクニカルサーキットで(道幅やコーナーの繋がり方が似ているだけでなく観覧車まである!)見応えがありますね。しかし道幅の狭さやグラベル主体の作り、それに最大 19° と言われる強烈なバンクなど難易度も高いようで、FP1 から予選まで全てのトラックで赤旗中断が発生。決勝で赤旗もセーフティカーも出なかったのは奇跡的と言って良いのかもしれません。

F1オランダGP決勝:フェルスタッペンが総力戦を制し初の母国優勝! 角田はマシントラブルによりリタイヤ
総力戦となったF1第13戦オランダGPの決勝レースを制したのは、母国マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)だった。角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は、マシントラブルによりリタイヤを喫した。

そのオランダ GP を制したのはフェルスタッペンでした。予選では圧倒的な速さを見せたものの、決勝ではハミルトンの底力とメルセデスのチーム戦略を見せつけられてラクな場面はラスト 3 周しかありませんでした。上位陣に関してはオーバーテイクはほとんどなかったものの終始緊張感に包まれた熱いレースで、ほとんど走ることなく終わってしまった前戦ベルギーの欲求不満を晴らしてくれるようなグランプリだったと言えます。

■マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

今回はチームメイトのアシストも望めない中、二台が戦略を分けて攻めてきたメルセデスを一人でねじ伏せての勝利。ミスなく、攻めるべき時に攻め守るべき時に守った冷静なレース運びは見事でした。ほぼ完璧なマシンに仕上げてきたチームとメルセデスが何を仕掛けてきても動じないフェルスタッペンの安定感、これを維持していければ初戴冠は手が届くところにあると確信できるレースだったと思います。
全ドライバーの中でハミルトンが唯一フェルスタッペンと同レベルの走りをしていましたが、今回はレッドブルのクルマのほうが良かったのと、フェルスタッペンがスタートで先行してオープニングラップで 1 秒以上のギャップを確保できたのが勝敗を分けました。その後はメルセデスが何をしてもフェルスタッペンには少し及ばなかった感じ。最後にハミルトンにファステストラップポイントを取らせるためにボッタスをピットインさせ、ボッタスがチームへの抗議の意味を込めた FL を記録(すぐにハミルトンに塗り替えられた)したところで、昨年まで盤石だったメルセデスのチーム戦略にも綻びが生じているのを感じました。ボッタスの放出はもう確定的な状況で、こうなった以上ボッタスが残りのレースでどこまでチームを優先するのか、それとも自分のために走るのか、がチャンピオンシップに影響してきそうな予感。

■セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)

予選ではチーム側のミスによりアタックタイミングを逸してまさかの Q1 落ち。前半戦でも予選アタックのタイミングを失敗して下位に沈んだレースがいくつかありましたが、レッドブルはレースエンジニア代えた方が良いんじゃないですかね。
それを逆手にとって PU を交換し、ハードタイヤを履いてピットスタートしたところまでは良かったですが、序盤にマゼピンを抜きあぐねてタイヤを傷め、早々にピットインを余儀なくされたのはペレス自身のミス。こういうチームのミスと本人のミスが細かく続いて理想的なレースがあまりできていないのが今季のペレスの残念なところです。最後尾からオーバーテイクを繰り返して 8 位入賞しドライバー・オブ・ザ・デイを獲得しましたが、マゼピンとの絡みさえなければ 4~5 位まで上がってくることは可能だったはず。今回のフェルスタッペンはペレスのサポートがなくても二台のメルセデスに勝てることを証明しましたが、レッドブルがドライバーズだけでなくコンストラクターズタイトルも狙うならペレスはこの位置にいて良いはずがありません。次戦に向けてドライバー、エンジニアともに猛省してほしい。

■ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

国際映像に映ることもほとんどありませんでしたが、予選から決勝まで素晴らしい安定感で 4 番手スタート→4 位フィニッシュ。二台目のレッドブルはペレスではなくガスリーなんじゃないかと思えてしまう内容でした。このレースでフェルスタッペンと二台のメルセデスに続く 4 位というのは優勝に等しい結果と言って良く、ガスリーもいよいよトップドライバーとして完成されてきた感があります。次戦は自身が昨年初優勝を遂げたモンツァで、チームにとってのホームグランプリでもあります。波乱でもなければ 4 位を超えるリザルトを望むのは難しいでしょうが、再びの表彰台を目指してほしいところ。

■角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

FP1 でのマシントラブルで幸先悪いなあ…と思っていましたが、その後も赤旗入りまくりのフリー走行でしっかり周回を重ねました。予選は Q1 をきっちり突破、Q2 はいざタイムアタックというところでウィリアムズのクラッシュに伴う赤旗中断→セッション終了でタイムを上げる機会を失い 15 番グリッド。いきなり無理するのではなくジワジワとタイムを上げていくアプローチは正攻法ですが、こういう赤旗が多発するレースでは先にタイムを出しておく方が大事なはず。角田もペレスと同様に予選時のピットの指示が微妙であることが多く、ここを何とかしないと本人だけ頑張ってもダメなんですよね…。
この抜けないサーキットでは予選で後方に沈んでしまうとポジションを上げていくのも簡単ではありませんが、中盤に PU トラブルが発生してリタイヤ。結果は残念でしたが、1 ストップ戦略にも関わらず悪くないタイムを刻んでいて内容的には悪くなかったので、次に向けてきたいが持てるレースだったと言えます。

今回でドライバーズチャンピオンシップはついにフェルスタッペンが再逆転、まさにマックスのマックスによるマックスのためのオランダ GP でした。三連戦だから次のイタリア GP はもう今週末、マックスはこのリードをさらに広げることができるのか。このまま流れが傾くのか混沌が続くのかはモンツァの結果次第となるはずです。イタリア GP では伝統的にドライバー移籍関連の大きな発表があることも珍しくなく、その点でも注目です。

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