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Photoshop 2022 のオブジェクト選択とニューラルフィルター

Adobe Creative Cloud の定期アップデートが配布され、Photoshop が 2022(ver.23)に更新されました。

真夏の風景もAIがちょちょいと秋の夕暮れに ~デスクトップ版「Photoshop」に驚きの新機能 – 窓の杜

近年の Adobe CC はマシンラーニングに基づく AI「Adobe Sensei」を使った新機軸を次々と打ち出していますが、今回の大規模アップデートにも目玉機能がいくつか追加されています。一つめはオブジェクト選択ツールの大幅な進化。

Adobe Phothoshop 2022

オブジェクト選択ツールを使って画像にマウスホバー(選択したい対象の上にマウスカーソルを重ねる)するだけでクリックしなくても選択するオブジェクト候補を強調表示してくれます。↑は青く色づいているヘルメット部分が選択候補になっている状態。ここでマウスをクリックすると該当オブジェクトが範囲選択されます。

Adobe Phothoshop 2022

ホバーする場所をちょっと変えると今度はライダー全体が選択候補に。ライダーブーツの足先だけ選択されていませんが、これくらいなら後でどうとでもなります。バイクとライダーをちゃんと別のオブジェクトとして認識していることが分かります。

Adobe Phothoshop 2022

もちろんバイクだけ選択することも可能。ブーツとライダーの胴体の一部まで選択されているのはまあご愛敬でしょうか。
ちなみにタイヤにマウスホバーするとバイク本体を除いたタイヤだけ選択することも可能。さすがにホイールの背景を抜いてスポークだけ選択するのは難しいようですが。

Adobe Phothoshop 2022

これができると、例えば「逆光の写真で被写体だけの明るさを補正する」ようなレタッチが簡単にできるようになります。従来も「被写体を選択」機能を使って簡単に選択することはできましたが、今回のようにライダーのヘルメットだけ選択するというような部分的な使い方はできませんでした。この機能はメチャクチャ捗りそう。

しかし話題という意味では「ニューラルフィルター」のほうが今回のアップデートの中心なのではないでしょうか。

Adobe Phothoshop 2022

Sensei の処理能力を応用した画像合成系のフィルターです。
「フィルター」メニューの中から「ニューラルフィルター」を選択すると、様々な種類の合成フィルターが出てきます。

最もわかりやすいのは「風景フィルター」。

Adobe Phothoshop 2022

既存の写真に緑化、砂漠化、降雪など様々なエフェクトをかけられるフィルターです。いやエフェクトというよりももう画像を別物に変える勢いで変化させています。
↑は秋の夕景が一瞬にして雪景色に。ビルや自動車が一部崩れかけていたり、人物が消滅してしまっているところに発展途上感はあるものの、これはこれで面白い。
ただしまだ不具合が多いのかエラーが出てフィルターがかからなかったり、Photoshop 自体が落ちてしまったりする場合もあります。

まあ写真的にはかなり邪道、飛び道具的な機能だと思うので私は 2~3 回面白がったらそれ以降はあまり使わないかな…。

Adobe Phothoshop 2022

ニューラルフィルターの中で実用性が高そうなのは「調和」フィルターかもしれません。
これは別々に撮られた写真を合成する際に有用なフィルターで、異なる写真の色温度や色合いを自動的に揃えてくれるというもの。

今回は試しに先ほどのオブジェクト選択ツールを使って切り抜いたバイク写真を横浜ガンダムと合成してみました。
あくまでテスト用なのでバイクの切り抜きが甘いのはご容赦ください。

Adobe Phothoshop 2022

合成対象の画像を別レイヤーで貼り付けたところで「調和」フィルターをかけると、二枚の画像を参照して自動的に貼り付けた方の色味を合わせてくれます。自動処理後に自分で微調整することも可能。
これも合成写真作成のための機能なので純粋な写真としては邪道だと思いますが、広告写真なんかだとこの手の合成は割とやるのでそういう仕事には手間が減って助かるのではないでしょうか。アマチュア的にもこれを使えば雑コラがあまり雑じゃなくなるかも(笑。

Adobe はこのように地味だけど実用的な機能と派手で話題になる機能をうまい具合に織り交ぜながらアップデートしていくのが巧いですね。
私が実際に使うのはオブジェクト選択ツールが主になるでしょうが、これはかなり役立ってくれそうなので多用していこうと思います。

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