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機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ [UHD Blu-ray]

完全に出遅れましたが、『閃ハサ』の UHD Blu-ray を購入しました。

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ [4K UHD Blu-ray]

劇場公開時に限定版 Blu-ray を買って安心してしまい、UHD BD の発売をスルーしてしまっていました。BD のほうはこれまでに幾度となく観て元は取ったつもりでいますが、さらなる高画質版ときたら改めて欲しいじゃないですか。特に画作りの暗さが特徴的な作品なので、HDR が活きるだろうという目算もありました。

せっかくなので 2K(FHD)/SDR な Blu-ray と 4K/HDR な UHD Blu-ray とでどれくらい画質差があるか比較してみました。我が家のテレビはいまだに 2K なので、機材は 4K プロジェクターの BenQ CinePrime HT3550ソニー UBP-X800M2 です。PC 用の 4K ディスプレイならあるけど UHD BD を繋ぎ直すのが大変なので。
以下、写真はカメラをマニュアルモードにして固定露出に設定し、撮って出し JPEG を切り出したもので比較しています。完全に同一コマでの比較になっていない画像もありますがご容赦を。

HDR(ハイダイナミックレンジ)というとよりコントラストが高くパキッとした映像になりそうな先入観がありますが、少なくともプロジェクターで見る限り実際の映像はその逆。ピーク輝度が抑え気味になって中間調の階調や色再現が良くなる感覚があります。↑は夜景が全体的に暗めになって闇夜のリアリティーが増すと同時に、コクピットに表示されている情報の透過感というかオーバーレイ感の表現力が上がっている印象。
4K 解像度になっているだけあって映像内の細かな文字情報の判読率も上がっています。これ元素材は 2K なのをマスタリング時に 4K にアップコンバートしているらしいですが、コンバーターの性能が良いということですかね。再生機器側で 2K 映像をアプコンしたときのような輪郭強調感がない、自然な高解像度が得られています。

特に暗いシーンでの比較。SDR は全体的に黒浮きしているのに対して、HDR は闇が締まる。この画質は液晶テレビだとちょっと辛いかもしれませんが、プロジェクターで見る限りはこれくらい暗くてもディテールが見えます。
また、夜景の灯りの一点一点にそれぞれ違う色が乗っていることが HDR だと判りますね。UHD BD は解像度よりもむしろ HDR の恩恵が強いことを実感します。

一転してコントラストの高い映像。ペーネロペーのメガ粒子砲発射シーンですが、UHD BD の方がコントラストが高い。それだけでなく機体への光の照り返しが SDR ではほぼ完全に白く潰れているのに対して、HDR だと照り返しの中にも各部位本来の色がうっすら見えています。
ビームそのものについても SDR は白飛びしきっている一方で、HDR ではビームの中に重金属粒子が存在することが表現されています。このシーンが最も HDR らしさが感じられたように思います。

こちらも同様に、HDR は発光の中に繊細なグラデーションが存在することが分かるのと、照り返しの階調表現が豊か。また Ξ ガンダムとペーネロペーの機体色の違いがより明確になっています。

スカイウォーカーの夜明け』で比較したときもそうでしたが、4K/HDR 映像はコントラストの高さよりも陰影や中間調が豊かで濃厚であることが美点だと感じます。

劇中で最も美しいシーン。ここも光源が飛びきらずに情報量が残っているのと、色乗りが特に良い。
微妙な違いのように見えるけど、一度 UHD BD の映像を見ると 2K 映像には戻る気がしませんね。

ちなみにこの比較はもしかするとプロジェクターの特性に引っ張られている部分があるかもしれません。スクリーンの白が輝度の上限で、バックライトの部分駆動もできないフロントプロジェクターでは動作原理上中間調の見せ方でしか HDR を表現することができないので、ピーク輝度次第でいくらでもコントラストを稼げる直視型ディスプレイだとまた違った評価になるような気がします。ただし自宅にいながらにして大スクリーンで映像を楽しめる贅沢さはプロジェクターならではのもので、そこで 4K/HDR の恩恵を受けられることには十分意義はあると思います。

まあ、本当は早くテレビも 4K OLED モデルに買い換えたいんですけどね…。

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