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ライカ M3 デジタル化国内成功例あらわる

オールドライカをデジタル化「LEICA M3 DIGITAL CONVERSION KIT」
今日 Twitter で見かけて強烈なインパクトを受けた話。 LEICA M3 DIGITAL CONVERSION KIT 海外で、ライカ M3 にソニー NEX-5 および α7(いずれも初代)を内蔵し、デジタル化対応に成功した方が...

二年前に掲載した上記エントリーに、なんか昨日今日で PV が集まっていました。
なんで今さら?と思って少し調べてみたら、このエントリーで紹介した LEICA M3 DIGITAL CONVERSION KIT を使って実際にライカ M3 をデジタル化した人が国内で現れたようですね。ライカ M3 に初代 α7R のセンサーや基板類(EVF まで!)を詰め込んで、外観は M3 のままデジタル・35mm フルサイズセンサーで撮影可能になっています。

手順としては上記の海外サイトから 3D データを購入し、DMM.make の 3D プリントサービスに発注して必要なパーツを入手したようです(一部パーツは自前の 3D プリンターで出力した模様)。確かにこれなら自前で 3D プリンターを持っていなくても部材は用意できる。DMM の 3D プリントサービス、なにげに金属の出力にも対応していて何でも作れちゃいますね…。

しかし作業方法と 3D プリントデータが公開されていることと実際に作れることの間にはそう簡単には越えられない壁があります。フィルム時代のカメラを分解再構築できるスキル、大量のフレキシブルケーブルを断線させずに取り回す丁寧さ、そして一部配線をハンダ付けできる技術。あと素材となるカメラも初代 α7(無印)なら今や中古で 7 万円程度で入手できるからいいとして、M3 は中古でも 18 万円くらいしますからね。この初期投資も低くはないハードルです。それらを乗り越えて M3 のデジタル化を実際に形にしてしまった情熱と実行力がすごい。

ちなみにこのデジタル版 M3、外観はほぼ完全に M3 そのまんまでありながら、アクセサリーシューを外すと EVF が仕込まれていたり、ベースプレートを外すとメニュー操作ボタンにアクセスできたり、α7 としての機能も AF 以外は生かしているのも良い。よく考えられたキットです。

α × Leica

(こういうエントリーを書いておきながらライカは一切持っていない私。沼が深すぎて手を出す勇気がない)

私は昨年の南雲暁彦さんのライカ SL2-S による写真展を見に行った際にいろいろとライカの話を伺って以来、少しライカに興味が出てきました。M3 のデジタル化は初期投資 25 万円コースとはいえ、ボディだけで新品 100 万円~な M 型デジタルに比べれば全然安い。何よりこうやって手間をかけて M3 をデジタルとして甦らせることにロマンを感じます。
ただ、今のデジタルライカは夜景のカメラ内 JPEG をそのまま B0 オーバーサイズにプリントしても破綻しない画を作る画像処理エンジン「LEICA MAESTRO」シリーズだったり、M 型はイメージセンサーのマイクロレンズやカバーガラスの最適化によって旧い M マウントレンズでもフィルム時代と遜色ない画質が得られるという話だったり(逆に言えば他のボディにアダプター経由で M マウントレンズをつけても特に周辺部においてレンズ本来の画質は得られない)、デジタルで楽しみたいならデジタルのライカボディを買うべきではあります。逆に言えば M3 に α7 の中身をぶち込んだところで使いにくくした α7 に過ぎません。が、それでも往年のボディをデジタルで使ってみたいという気持ちは分かるし、その愛や情熱には共感するところが多い。最初にこの手法を確立した方、それに倣って自分でやってしまった方、いずれも同様に尊敬します。

これを見ていてオールドレンズ黎明期のいろいろ試行錯誤していた時代の感覚を思い出しました。私もなんかディープにカメラをいじりたくなっちゃったなあ。

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