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静岡県富士宮市朝霧高原の焼き芋

「焼き芋、ひとつください」

先月の東海ツアーに続いて、昨年末の『孤独のグルメ 大晦日スペシャル』の聖地巡礼に行ってきました。
今回の行き先は静岡県富士宮市・朝霧高原。ゴローが食べた焼き芋を求める旅です。ここは新幹線でも行きづらい立地で浜松のついでに行くわけにもいかず、改めて旅程を立てました。

↑の写真はゴローが運転するミニがオーバーヒートした場所。Google マップで指定するとこのあたり↓です。

この道、どう見ても浜名湖から東京に向かうルートから外れすぎていて、ゴローが完全に焼き芋を食べるためだけに朝霧高原に寄り道したことが分かります(笑

というわけで、改めて今回の目的地であるあさぎりフードパークにやって来ました。

道の駅朝霧高原に隣接するフードテーマパークで、お茶・さつまいも・乳製品・日本酒など朝霧高原の特産品にまつわる施設のほかにドローン飛行場やオートキャンプ場まで備えた場所になっています。
東京からだと自家用車で来るのが一番早いですが、私は車を持っていないのでバスタ新宿から高速バスで河口湖駅まで行き(約 100 分)、河口湖駅からさらに路線バスで約 60 分。路線バスは河口湖~西湖~精進湖~本栖湖という富士五湖のうち四湖を経由するから長い道のりでもけっこう楽しい。

芋工房 かくたに

今回の聖地である「かくたに」さんはバックに富士山を背負ういかにも富士の麓らしい店舗。
お店の前に並ぶ三角コーンが牛柄と芋柄というのが面白い(笑

店先に焼き芋屋台が出ていますが、販売自体は店内の模様。
そういえば劇中でもゴローちゃんが店内に案内されるくだりがありましたね。

焼き芋のほかには芋けんぴ、干し芋、スイートポテト、紫芋ソフトクリームあたりが名物らしい。
「わんこ用スイートポテト」なんてのもあるけど、確かにこの周辺広々としていてドッグランにうってつけな感じがする。

店内、芋商品だらけ。はいいとして、富士宮でこんなにたくさんの種類のさつまいもが生産されているとは知りませんでした。
一口にさつまいもと言っても、それぞれ形も大きさも全然違う。性質の違いを活かして異なる加工品に使われているというのも納得です。これは一つ食べてみたい。

店内にはもちろん松重さんのサインや写真が飾られていました。
サインや松重さんと一緒に撮った写真ももちろん良いけど、あのミニと一緒に撮られた写真が羨ましい!
あのミニ、本当に細部までこだわって丁寧にレストアされた一台なんですよね。レストアを担当した鈑金屋さんのブログで事の顛末が公開されています。

羽鳥鈑金塗装工業所| いよいよ完成 そして ミニとのお別れ 井之頭五郎様のミニクーパーができるまで。。その6 完成・・・
横浜市都筑区、県内有数の設備。高級外車から国産中古車まで、自動車修理・自動車鈑金・自動車塗装専門店。

このクルマ、一度でいいから実物を見てみたい。

焼き芋コーナーは強力に井之頭五郎推し。
使われている芋の銘柄は日替わりのようですが、この日は富士宮産の紅はるかでした。

サイズは S/M/L がある中で、私が行ったときには M サイズが一個だけ残っている状況。
眺めていたところ、私が巡礼客であることを察したのか店員さんが「五郎さんも M サイズを食べられたんですよ」と声掛けしてくださいました(笑

というわけで焼き芋を購入。店先の焼き芋屋台の脇にある焚火コーナーが劇中でのゴロー席です。
残念ながらこのときには焚火に火は入っていませんでしたが、このドラム缶の配色も焼き芋イメージなのでしょう。

こちらが紅はるかの焼き芋。
焼き芋っておいしくないやつは実がパサパサしてることも少なくないけど、この焼き芋は見るからにしっとり。いや、しっとりを超えて中から蜜が溢れてくる。こんな焼き芋はちょっと食べたことがないレベル。

これはおいしそうだ。
では早速、いただきます。

しっとり、いや、ねっとり。
うん、あま~い。

焼き芋っていうより、蜜入りスイートポテトをさつまいもの皮でくるんだような感じ。
これはすごい、うまい。完全にスイーツじゃないですか。

お店の背後に富士山が控えているわけですが(つまり劇中のゴローは曇ってたとはいえ富士山がない方向を探していたことになる)、食べている間に富士山がだんだんと雲に隠れていってしまいました。

やはり、山の天気は移ろいやすい。
でもこんな状態でも富士山を眺めながら食べる焼き芋、なんか特別感がある。

片道 4 時間(自宅から新宿までを含む)かけてここまで来て、焼き芋一個食べて帰るのもなんかもったいない。まだ腹が満たされたわけでもないし、せっかくだからこの辺の名産品を他にもいただいていこうじゃないか。

というわけで次は同じくあさぎりフードパーク内にある「ビュッフェレストランふじさん」にてランチをいただきます。
テラス席もある広々としたレストランで、夏に外で食べたらきっと気持ちいいだろうなあ。

店内はごく普通のビュッフェレストランという印象。でも店員さんの接客が丁寧で居心地がいい。
提供される料理は基本的にこの朝霧高原や富士宮市内で採れた農作物や酪農品を中心に使っているようで、富士の麓の味を堪能できます。

いろいろ取ってきました。
見た目的にはよくあるビュッフェレストランのランチなんですが、どれもこれもちゃんとおいしい。一つ一つの料理に素材の良さと調理の丁寧さを感じます。そして地産品をいただけるというのが旅に来た醍醐味を感じられて良い。

名物という「ふじさんカレー」。ちゃんと富士山をイメージして盛り付けてみました。
ビーフがゴロゴロ入った、ちょっとしっかりめの辛口カレー。これもまたおいしい。

食べていたところ、窓の外では雲が晴れて富士山が姿を現しているじゃないですか!
東京から遠目に見るのとは全然違う雄大な姿が素晴らしい。ちょっと信仰に近い気持ちさえ湧いてきます。

朝霧高原の名物を堪能後、再び道の駅前から出ているバスに乗って帰ります。
その前に道の駅で軽く土産物でも物色していこうか。

今日食べたもの、どれもおいしかったけどせっかく富士宮市まで来たのに富士宮焼きそばがなかったのだけが実はちょっと心残り。
…と思ったら、なんかどこからともなくソースのいい香りが漂ってくるんですけど!?

あった!富士宮焼きそばの屋台。
完全にあきらめて帰るところだったのが、こんな形で出合えるとは。

本当はさっきのビュッフェでけっこうお腹いっぱいだけど、これは食べて帰る以外の選択肢はない。

こんなところで鉄板でソースをジュージューやってたら、そりゃあ食欲をそそること請け合い。
私が買ってる間にもこの匂いに何人ものお客さんが引き寄せられていました。

これが富士宮焼きそば、500 円。
見た目的には普通の屋台の焼きそばっぽいけど、茹で麺ではなく蒸し麺を使い、肉かす(油かす)を入れて削り節の代わりに削り粉がかかっているのが富士宮流。確かに蒸し麺ならではのモチモチした食感が良く、削り粉の香りとうまみも効いてる。A 級とか B 級みたいな区分けは好きじゃないけど、ちょっと駄菓子っぽい感覚で気軽に食べられる楽しさはいいですね。B 級グルメの代名詞・富士宮焼きそば、うまかった。

というわけで朝霧高原と富士宮の名物を満喫した聖地巡礼でした。
天気は悪かったけど富士山も見れたし、大満足。

ごちそうさまでした。

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ドラマ&漫画『孤独のグルメ』の聖地を実際に巡礼してきた本人によるまとめです。(※2017 年大晦日スペシャルの広島編、2019 年大晦日スペシャルの釜山編、2023 年大晦日スペシャルの台湾編、および原作の病院、パリのみ未巡礼)。 ドラマ...

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