ガンダム THE ORIGIN 展を見に行ったついでに、会場である角川武蔵野ミュージアムも見てきました。
ここ、建物全体が文芸・マンガ・アニメ等のカルチャーを振興する施設になっていて、角川グループの作品であることにこだわらず様々な展示やイベントが行われています。中でも圧巻なのは 4F にあるエディットタウンから本棚劇場へと至る展示。2020 年の紅白歌合戦で YOASOBI がこの本棚劇場を舞台に歌っていたのを見て以来、一度来てみたいと思っていたんですよね。
ちなみにこの不思議な外観の建物は隈研吾デザイン。日本の建築家って隈研吾しかいないのかというくらい、近年の大規模建築は隈研吾だらけになっています。
※今回の写真は全て α7C+Vario-Tessar FE 16-35/F4 にて撮影。
というわけでこちらがエディットタウン。エレベーターを降りた瞬間にこの光景が目に飛び込んでくると、もうワクワクし始めてしまいます。この知識欲を満たしてくれそうなレイアウト!あえて少しランダムさを感じる本棚の作りがイイ。
ここに並んだ大量の本たちは自由に手に取って読むことが許されています。ところどころに椅子やミニテーブルが設置されていて、気になる本を見つけたらその場で読み始めることができるという。これは本好きにはたまらないだろうなあ。展示自体も写真映えする感じになっていて、それも良い。
引きで撮っても面白いけど、個別の展示物に寄ってみるとまた違った世界観が見えてきます。いろいろと小物を凝らした展示が楽しい。
まあ展示の仕方自体は雰囲気重視な印象はあるし和書と洋書が混ざっていて図書館的な使い方はできませんが、そういう中から偶然の出会いを楽しむのがこの施設の正しい使い方なのでしょう。
「サイバー・アンドロイド」のコーナーに『ドクタースランプ』と『鉄腕アトム』。日本文化としては圧倒的に正しい(笑
これを見つけたときにはさすがに笑ってしまいました。
どこにどうレンズを向けても画になる感じ、いいですね。
完全に非日常。この感覚、期待以上でした。
公共の図書館だとちょっと整然としすぎているし、お洒落系の書店で撮影できる機会なんてまずない。
大量に本の並んだ本棚を自由に見て撮っていいという状況がこんなに楽しいものだとは。今まであまりこういう発想がありませんでした。
天井からぶら下がっている造作物がまた見た目に楽しいわけですが、展示パネルだけでなく創作物だったりディスプレイだったりも吊されていて、見ていて飽きません。
そしてエディットタウンの最奥にあるのが噂の本棚劇場。
5F までの吹き抜けになった四面の壁ほぼ全体が本棚。これは圧巻だし、超広角レンズの使い甲斐がある場所です。
本棚の下の方にある本は手に取れるけど、上の方はそもそも手に取ることを考慮していないように見えます。
それもそのはず、この本棚劇場は「劇場」というだけあって本を読むためだけにある空間ではありません。
ちなみに本棚劇場を 5F から見下ろすとこんな感じ。
ファンタジー映画の巨大図書館にやって来たかのような感覚に囚われます。
劇場内には 1980 年代のものと思われる角川文庫の広告ポスターが貼られていました。
切れ味鋭いコピーといい、写真の力強さといい、フォントの使いようといい、この時代の広告って好きなんですよね。さまざまな配慮で表現を丸めなくてはならない現代の広告とは全く違う良さがあります。
で、この本棚劇場の「劇場」たる所以というのが、
定期的に壁面に映し出されるプロジェクションマッピング。
本棚に直接投影される映像で、いきなり本棚が燃やされるところから始まるショッキングな演出。
映像自体は雰囲気重視であまり内容やメッセージ性を感じないものですが、この巨大な本棚に映像が投影されるということ自体が面白い。
音響もサラウンド的に四方八方から聞こえてくるのが楽しいです。
角川武蔵野ミュージアム、とても面白い場所でした。カメラ持って歩くとめちゃくちゃ楽しい。
これはまた見に来ても良いなあ。自宅からだと二時間近くかかるけど、興味のある展示が始まったらまた来ようと思います。
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