昨年は独走するフェルスタッペンがまさかのタイヤバーストを喫し、伏兵ペレスがレッドブル移籍後初勝利を記録したアゼルバイジャン。今年はどんなレースになるかと思ったらフェラーリはマシントラブルで自滅、結果的にレッドブルが完勝。
予選まではフェラーリとレッドブルががっぷり四つという印象でしたが、Q3 でルクレールが異次元のタイムを記録して PP。チームメイトのサインツは僚友について行けず、いよいよチーム内での序列が明確になってきた感があります。対するレッドブルはペレスがフェルスタッペンよりもコンスタントに速くて 2 番手。3 番手にフェルスタッペンがつけます。
決勝はスタートでペレスがルクレールを出し抜きトップに。ルクレール~フェルスタッペン~サインツと続きますがサインツは序盤に油圧トラブルでリタイヤ。ここで投入された VSC によってタイヤ戦略が分かれ、早々にタイヤ交換したルクレールがハードタイヤで飛ばして 16 周目にレッドブルの二台がピットインしたタイミングで逆転。ただしルクレールは最後までタイヤがもつのか怪しく、終盤にレッドブルの再逆転があるのでは…と思っていたら 20 周目にルクレールの F1-75 がパワーユニットから白煙を上げながらスローダウン!これにより、レッドブルはあとはクルマを無事チェッカーまで持ち帰るだけという簡単なお仕事になりました。
今季に入ってからフェルスタッペンと遜色ないタイムを刻むようになったペレス、フェラーリが消えてマックスとの一騎打ちになったら本当はどちらが速いか見物だと思っていたのですが、実際にそうなってみるとやはりフェルスタッペンが一枚上手。結局ペレスは最後までマックスのポジションを脅かすことなく(途中、チームオーダー的な指示は出ていたものの)序列通りのオーダーでチェッカー。もしかしてペレスは今年ドライバーズタイトルにワンチャンあるのでは?と思っていたけど、この差を見る限り挑戦権はなさそうですね…。
フェラーリは相変わらず予選一発はめちゃくちゃ速いけどレースではレッドブルの方がペースが良さそうだし、信頼性も今や逆転。開幕三戦の完全無欠感はもはやなく、チャンピオンシップの流れは完全にレッドブルのものになってしまいました。今回壊れたルクレールの PU が復旧不可能だとするとシーズン終盤(もしかすると中盤かも)での PU 基数ペナルティーは避けようがなく、早くも今季のチャンピオン争いは終戦の様相を呈してきたようにも思います。いくらレッドブルサポーターの私でもこれは面白くないので、フェラーリにはもうちょっとちゃんとしてほしい。
フリー走行から速さを見せて入賞の期待が高かったアルファタウリはガスリーが 5 位入賞、角田はずっと入賞圏を走っていながらもマシントラブルでノーポイント。それもリヤウイングが割れて DRS が正常動作しなくなり、オレンジサークルフラッグ(トラブルが発生したクルマをピットインさせて修理するよう指示する旗)が提示されるという体たらく。DRS の不具合は今季(というか昨年後半から)レッドブルも悩まされている持病ですが、アルファタウリにも現れるとは。とにかく今季のアルファタウリはセットアップ、戦略、信頼性とあらゆる部分でミスが多すぎる。いや、むしろ去年のクルマができすぎていてチームのミスを覆い隠していたのかもしれませんが…とにかく角田は 6 位入賞できていた可能性もあるわけで、あまりに惜しい。とはいえ角田の週末の組み立て方は今回も落ち着いていたので、全ての歯車が噛み合うまで腐らずに続けること、これに尽きます。
次のレースはもう今週末、カナダ GP。荒れるレースになりがちなサーキットですが、レッドブルがさらに差を広げるのか、それともフェラーリの逆襲があるのか。あるいは新たなウィナーが誕生するのか…個人的にはレッドブルのワンサイドがさらに進みそうな気がしてなりません。
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