サインツおめでとう!!!
大波乱のイギリス GP を制したのは F1 初優勝となるカルロス・サインツでした。これまでの流れ的に今年はもうサインツの優勝はないんじゃないかと思っていたのですが、ここにきて初 PP・初優勝を成し遂げるとは思っていませんでした。荒れたレースでなければ勝てなかったろうとも思いますが、こういうときにチャンスをモノにできるのも大事な才能の一つ。今回は素直にサインツを祝福したいです。
■フェラーリ
サインツが勝ったのはいいけど、チャンピオンシップ全体を考えたときにこの結果が本当にフェラーリにとって良かったのかどうかはシーズンが締まってみるまで判りませんねこれ。ちゃんとチームオーダーを出してルクレールに最大ポイントを獲らせるべきだったようにも思うけど、このままサインツを自信喪失状態にしておくことがチームにとって良いとも思えない。難しい舵取りだとは思うけどレース中のピットの態度が優柔不断だったのが一番の不安要素ではないでしょうか。どちらのドライバーに勝たせるにしろチームとしての優先順位は明確であるべき。自チームのドライバー二人でチャンピオンシップを争っている状況ならばそれを曖昧にする手もあるけど、エースを決めていてもレッドブルに勝てるか怪しい状況でこれは…。今年はもうフェラーリにチャンピオンは獲れないな、と改めて実感しました。
■レッドブル
ノートラブルであれば間違いなく勝てていたレースだけにフェルスタッペンは不運でしたね。しかも失速の原因が姉妹チームであるアルファタウリのマシンから落下したデブリという…去年のイギリス GP もハミルトンとの接触がなければ勝てていたレースだったので、マックスは二年連続で勝てるレースを落としたことになります。まあどんなチームでも年に二回くらいはこんなレースがあるし、まともに走らないクルマで 7 位入賞を果たしたのはさすがフェルスタッペン、可能な限りのダメージリミテーションでした。
ペレスは一度最後尾に落ちながらも戻ってきて 2 位。それだけのポテンシャルがあるマシンだし、こういう荒れたレースに強いのがペレスでもあります。ラスト 10 周のスプリントレース状態はサインツとの一騎打ちなら勝ち目があったでしょうが、後ろから攻めてくるハミルトンやルクレールを防御するのにタイヤを使ってしまった印象。
■メルセデス
オープニングラップの多重クラッシュでリタイヤしてしまったラッセルは残念でしたが(開幕以来の入賞記録が止まってしまいました)、ハミルトンが 3 位表彰台。今季はサーキットによって浮き沈みが激しいメルセデス+ハミルトンでしたが、今回でいよいよポーパシングを解決できたのか、それともコースとの相性が良かっただけなのか。いずれにしても久しぶりにハミルトンのポジティブな無線が聞けたことと活き活きとした走りが見られたのは良かったです。レッドブルサポーターの私からしても、ハミルトンが上位争いに絡んでこないレースはイマイチ面白くない。
■アルファタウリ
最悪の週末になってしまいました。ほぼアップデートのないマシンでフリー走行からずっと苦しみ、予選は二台のマシンのセットアップを正反対に振って何とか Q2 進出。決勝もスタート直後のクラッシュに角田が巻き込まれる不運がありつつも一時は二台揃って入賞圏を走っていたというのに、同士討ちでノーポイント。クラッシュの直接的な原因は角田にあるけど、ウェットセットアップでペースの上がらないガスリーの後ろをドライセットアップの角田が追い上げていた時点でチームとしてできることがあったんじゃないでしょうか。今シーズンのアルファタウリはマシン性能以上にあらゆるミスで失っているポイントが多すぎる。ドライバー、チームともに猛省してほしい。
■スタート直後のアクシデントについて
今回のレース最大のハイライトは 1 周目の大クラッシュと、それでも周冠宇が無事だったことではないでしょうか。接触によってクルマがひっくり返り、そのまま猛スピードでグラベル上を飛んでいった挙げ句タイヤバリヤを乗り越えて観客席前のフェンスに当たって止まる…というあわや大惨事のアクシデントでした。客席にクルマが飛び込まなかったのも良かったし、ロールバーが完全に喪失するような事故だったにも関わらず周はほぼ無傷。最悪の事態も考えられる状況だっただけに、改めてハロを含めた F1 マシンの安全性が証明された格好です。とにかく良かった…。
二連戦となる次のレースはレッドブルの本拠地、オーストラリアに移ります。次はクリーンなレースになることに期待。
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