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Anker の Web カメラ:PowerConf C200

最近ではもう普通に出社しているよ、という人も随分増えたように思いますが、私の勤務先は若干出社率を上げつつも今後も基本的にはリモートワークが標準になるようです。体の良い固定費削減ですね。
まあそれは良いのですが、最近はオンラインミーティングで顔出しが求められる機会が増えました。話している相手の顔が見えないと不安な人が多いのかもしれません(私はあまり気にしません)。

私はリモートワーク時にはノート PC を Dell の 4K ディスプレイに接続して使っています。ノート PC 内蔵の Web カメラを使うと自分の視線がカメラから外れすぎてしまうため、昔買ったロジクールの USB Webcam C270 をディスプレイの上に載せて使っているのですが、ディスプレイが狭額縁だから画面に被ってしまっていました。こうなるとブラウザーのタブバーや Office アプリのメニューバーが隠れてしまって使いづらい。都度カメラを動かすのも面倒くさいので、画面に被りにくそうなカメラに買い換え。

Anker / PowerConf C200

Web カメラの定番といえばロジクールなのですが、ロジはハイエンドはいいけどローエンドは長年モデルチェンジしてない古い機種ばかり。まあ仕事の VC で自分の顔を高画質に見せたいわけではないからこだわらないとはいえ、どうせ買うなら新しめの製品を試してみたい。というわけで、Web カメラカテゴリーでは新規参入組である Anker の新製品を買ってみました。充電物とケーブル/アダプター以外で Anker 製品を買うのはもしかして初めてじゃなかろうか。

Web カメラ本体と USB ケーブル(A to C)だけのシンプルな内容物。

スペック的には 2K のイメージセンサーと FOV(画角)95° のレンズにオートフォーカス機能を備えた USB Web カメラです。2K というのが具体的にどの解像度を指しているのかは明記されていませんが、PC でキャプチャしてみたところ 2,560×1,440 の模様。後述しますがクロップ機能も備えているので、センサー画素数はもっと高い可能性はあります。

見てくれが野暮ったい Web カメラも少なくない中、本製品のデザインはまあ悪くない。
カメラの前面はカバーガラスに覆われていてレンズに指が触れてしまうことはないし、カバーガラスが多少汚れても拭きやすい。写真用のレンズだったらガラスが一枚増えることは画質的にはデメリットですが、Web カメラなら利便性重視で良いです。

折りたたみ式の脚が仕込まれていて、前面下部の出っ張りと併せて PC ディスプレイの上辺に引っかける構造になっています。

また底面には三脚穴も備えており、PC ディスプレイ上以外の場所に設置することも可能。

このカメラ、レンズ前面にプライバシーシールドを搭載していて、本体上面のレバーを使ってカメラを塞ぐことができるのが特長です。
Zoom や Teams などの VC アプリ上でもカメラのオンオフを切り換えることができますが、物理的に塞がっているのはやはり安心感が違う。こちらの姿を見せたくないときに操作ミスで写ってしまうことを防げますからね。またシャッターが真っ赤というのもパッと見で状態が判別しやすくて良い。

ただ、赤くて丸いカメラを見ると、

ついこうやって飾りたくなります(ぉ
このカメラはカメラが赤くなっているときにオフ、モノアイはカメラが赤くなっているときにオン、だから真逆なわけですが。

これを実際に PC ディスプレイ上に置いてみたのがこちら。ロジ C270 は画面上部を完全に塞いじゃっていますが、PowerConf C200 はギリギリ画面表示の邪魔をしていません。かなり狭額な Dell U2720QM でこれならば大半の PC ディスプレイで問題なく使えるのではないでしょうか。

なお、ダウンロード提供されているユーティリティ「AnkerWork」をインストールすると画角、明るさ、コントラスト、ホワイトバランスなどの調整が可能になります。画質についてはデフォルトのままでも悪くないと思いますが、画角調整機能がついているのがありがたい。カメラ本来の画角 95° というのはちょっと広角すぎるので、私は 65° に設定すると従来のロジ C270 とほぼ同じ感覚で使えました。光学ズームがついているわけではないためクロップで調整しているだけだと思われますが、VC 用途であれば画質劣化が気になるレベルではありません。

実写画像はこんな感じ↑。Windows 10 標準の「カメラ」アプリで撮りっぱなしにした画像です(画角はデフォルト=95°)。ミラーレスカメラの画像を見慣れていると特段高画質だとは感じませんが、後述する既存 Web カメラの画質と比較すると雲泥の差。自分の顔を映すと今までのカメラとは違って肌の荒れ具合が見えて怖くなります(汗

オートフォーカス対応だからよーく見ると時々レンズがウォブリング(フォーカスを合わせるためにレンズが前後する動作)しますが、カメラ画像を全画面表示してようやく気づくレベル。VC でサムネイルサイズで顔出ししている分には気になりません。

こちらが先ほどとほぼ同じ位置からロジ HD Webcam C270 で撮った画像。画角も画素数(1,280×720)も違いますが、とにかくフォーカスが合っていません。というのもこのカメラはパンフォーカスだから離れている分にはそれなりに写っているように見えるけど、近づくとピントが合わないんですね。そもそも 1/144 スケールのガンプラを撮るように作られていないということです。人の顔を 50cm 以上離して撮る程度ならまあ見れる、というカメラです。

PowerConf C200 と同じくらいの被写体サイズになるよう下がって撮ってみたのがこちら。これでもまだピントが合っていませんが、さっきよりは何が写っているか解るレベルになりました。要するに私は今までこの程度の画質で自分の顔をリモート会議に晒していたということです。多少身だしなみが整っていなくてもバレない、という意味では良いことでもあるけど(笑

ちなみに PowerConf C200 で最短撮影距離付近まで寄るとここまで撮れます。これはちょっとした簡易マクロ的に使えるレベルではないでしょうか?会議中、手元にあるモノをリモート会議の相手に見せたいと思ったとき、今まではスマホ等で撮影して会議のチャットに貼り付けるという手間を要していたのが、これならサクッとカメラの前にかざすだけでディテールを伝えることができます。
レンズもイメージセンサーも極小だから周辺画質はイマイチですが、中央部でこれだけ解像していれば十分です。

具体的にはだいたいこれくらいまで寄ることができます。このザクが 1/144 スケールなことを考えるとどれくらい近寄れるか分かるでしょうか。

久しぶりに Web カメラを買い換えてみると、性能の進化に隔世の感がありますね。このクラスのカメラはスマホカメラの進化の恩恵を受ける分野でもあるから、基本的には新しい製品であればあるほど良くなっているはずです。会議に自分の顔を高画質で出してもあまり意味はありませんが、オートフォーカス機能や簡易マクロ的性能も含めてリモート会議の可能性を広げてくれるカメラだと感じました。720p 以下の Web カメラをまだ使い続けているなら、買い換え先としてオススメできると思います。

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