「富山、いいじゃないか」
『孤独のグルメ Season10』第 6 話・下呂の聖地巡礼を済ませたら、本当は温泉宿で一晩ゆっくりしたいところですがそのまま再び特急ひだに乗って北へ。続けて第 8 話・富山の聖地巡礼に突入していきます。一日で複数の聖地を巡ったことはこれまでにもありますが、東京から名古屋経由で岐阜→富山という中部地方半周ルートは我ながらストロングスタイルすぎか。でもたまにはこういう旅も楽しい。
というわけで富山。シリーズ十年目にしてついに『孤独のグルメ』の舞台に私の生まれ故郷が登場するというのは本当に感慨深い。
本編の前に、まずは五郎の仕事パートに登場した富山市の岩瀬地区に行ってきました。
富山市の北端に位置するこの地区は、富山港・岩瀬漁港を擁する港町。廻船問屋業が盛んだった時代の街並みを今も残しているレトロなエリアです。
私は隣市の出身だけど同様の港町だったから、風景がよく似ている。歩いているだけで懐かしさがにじみ出てきます。
写真は富山の地酒「満寿泉」の蔵元である桝田酒造の建物。日本酒は年末年始の贈答品需要が高まる時期で、出荷作業が忙しく進んでいる様子が窺えました。いいなあ、こういう光景。
そんなフォトジェニックな風景を撮り歩きたい衝動に駆られつつ、目的のお店を目指します。
確かこのへんのはずだけど…あった、ここだ。
古民家を改装した喫茶店「アナザホリデー」。
あまりにも古民家として周囲に馴染みすぎていて、看板が出ていなければ通り過ぎるところでした。
五郎はここで依頼人(滝山の姪)と待ち合わせます。滝山(演・村田雄浩)といえばドラマでは Season4 と配信オリジナルドラマに登場していますが、ここで姪っ子が富山人として設定されるとは思いませんでした。もしかして滝山も富山出身なのか?あんなにグイグイ来る富山県人も珍しいような(笑
こちらが商談に使われていたゴロー席。店内は本当に古民家そのもので、障子の感じとか狭くて急な階段とか、昔住んでいた実家を思い出します。右手奥(黄色いカーテンの向こう側)には床の間を潰して拡張したらしいのが判る構造になっていたりして、古民家をどう改造したかを想像しながら眺めるのも楽しい。
でも全体的に和風古民家カフェな雰囲気かといえばそうでもなくて、装飾や調度品にはインドっぽいものも多い。インドは紅茶の一大産地だから分かるけど、古民家と組み合わさるとなかなかのカオス(笑。
劇中では外されていた映画のポスターを発見。ムトゥ踊るマハラジャはインド感という意味でまあそうだよね、と思うけど、その隣に何故ロッキーホラーショー(笑。こういうのがこの店の雰囲気を形作っていると思います。落ち着かないけど、逆にこの落ち着かなさが一周回ってイイ。
メニューは意外にも(?)オーソドックスな紅茶系カフェらしい内容。でもキーマカレーとかチャイとか、インドへのリスペクトも忘れていないあたりが「らしい」。
ついさっきとんちゃんとけいちゃんを食べてきたところだし、この後にはもう一軒の聖地巡礼もあるからあまりお腹いっぱいになるわけにはいかないけど、せっかくだからケーキセットでもいただいていきますか。
注文を済ませてしばらくしたところで運ばれてきた、謎の象。
よく見たらティーポットを保温するためのカバーでした。やっぱり基本的にはインドスタイルなのか。でもこの味のある象、なんかいいな。
劇中ではゴローが飲みたくても飲めなかった紅茶、代わりにいただきます。
普段はコーヒーばかりだから紅茶ってあまり飲み慣れないし味の違いもよくは分からないけど、香り高くていい紅茶。コーヒーとは違った落ち着きが得られると思う。
ケーキセットはモンブランを選択。
球状でクリームに包まれた、想像とはちょっと違うモンブラン。でもおいしそうじゃないですか。
白いクリームの中にマロンムースっぽいモンブラン本体、それにクッキー地っぽい土台がサクサクの食感を与えていておいしい。あまり食べたことないタイプのモンブランだけどこれは気に入りました。モンブランにはコーヒーを合わせる派だったけど、紅茶と一緒に楽しむのも良いじゃないですか。
店主、もともとドラマのファンだったようで店内はけっこうな孤独のグルメ推し。残念ながら富山では地上波による放送は行われていないのですが、来年 1 月には BS テレ東での再放送が観られるようですね。
それにしても、岩瀬にこんな古民家カフェがあったとは。そしてそれを発掘してくる番組スタッフもすごい。
今度帰省してきたときにチャンスがあればまた来てみたいところです。この店でキーマカレーとチャイ、絶対にハマるんだろうなあ…。
ごちそうさまでした。
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