オーストラリアから四週間空いて、随分待たされた感のある F1。第 4 戦アゼルバイジャンは開催直前になって新フォーマットのスプリントレースが導入されるなど混乱はありましたが、結果的にはスプリント・決勝ともにセルジオ・ペレスの勝利。今季のタイトル争いに改めて名乗りを上げる形となりました。
■レッドブル
圧巻の開幕四連勝。マックス→ペレス→マックス→ペレスと交互に優勝しており、早くもコンストラクターズチャンピオンシップは勝ったも同然、ドライバーズもこの二人で競っていく構図が明確になりました。
それにしてもペレスは強かったですね。もともとストリートサーキットに滅法強いドライバーでしたが、今季はジェッダ、バクーともにフェルスタッペンを上回る速さでレースをコントロールしました。フェルスタッペンにしてみればセーフティカー導入のタイミングがもうちょっと違っていたら勝てていた可能性はありますがそれでもペレス優位ではあったはず。今季はこの後もマイアミ、モナコ、シンガポール、ラスベガスと市街地サーキットがまだまだあるからもうしばらくこの二人のチャンピオン争いを楽しめそうです(最終的にはマックスが勝つんだろうけど)。
■フェラーリ
本予選、スプリントシュートアウトともにルクレールが PP 獲得。でもレースになるとどちらも勝てないのが今のフェラーリです。とはいえルクレール的には今季初表彰台、アストンマーチンにもメルセデスにも脅かされる様子がなかったのはサーキットとの相性ですかね。チームメイトのサインツが精彩を欠いていたところを見ると、クルマが劇的に良くなった感じはあまり見られません。
■アストンマーチン
開幕から連続表彰台を続けてきたアロンソがここにきて 4 位ということで、ルクレールには届かなかったものの今回も安定した速さを見せてくれました。しかもレース中にブレーキバランスについてストロールにアドバイスを送るというチームプレイまで見せ、アロンソが近い将来のチャンピオン奪還に向けてチーム自体を強くしようとしているのが興味深い。そのストロールも 7 位入賞、今季はチームとして強いことの証明でしょう。アストンが速いことが今シーズンを面白くしていると思うので、この調子を継続していってほしいところ。
■アルファタウリ
角田が予選 8 位/決勝 10 位入賞、素晴らしい!直線スピード等を見る限りではマシンのアップデートが成功してようやく競争力がついてきたと思われます。それでも予選は Q3 進出できるとは思っていなかったし、さらに Q3 で(新品ソフトを使い切っていたため)ユーズドタイヤで 8 番手タイムを刻んだのには驚きました。決勝では 2 台のマクラーレンに挟まれてタイヤマネジメントをしつつ我慢のレースという感じでしたが、ミスらしいミスもなく 10 位 1pt を持ち帰ってきました。今回はアゼルバイジャンにしては珍しくリタイヤの少ないレースで、10 位は望み得るほぼ最上の結果でした。今季常に入賞を争う位置で走り、チャンスが来たら確実に掴みに行っているのは本当に素晴らしいですね。予選一発も決められるようになってきたし、個人的にはそろそろレッドブルに乗せてみたい(レッドブル側はまだそこまでは思っていないようですが)。
一方のデフリースは本当に良いところなし。スプリント SQ1 でクラッシュしノータイム、しかもそれが角田のアタックラップを邪魔する結果になった他、スプリント決勝では角田と接触して彼のレースを台無しに。本選決勝でも自身のクラッシュによるリタイヤと、結果的にその後の SC 導入で角田がポジションを落とすことにもなりました。チームからはそろそろ結果に対するプレッシャーがかかり始める頃だから無理もありませんが、チームメイトの邪魔をするようなことが続くのはなあ。同じレースでアストンの良いチームプレイを見せつけられただけに複雑な気分です。
でもそれよりも酷いのはチームですよ。スプリントレースでデフリースと接触した角田のマシンをチェックして「問題なし」と送り出してみたらステアリングが完全に狂っていて真っ直ぐ走らないし、しかもその映像を見てチームスタッフが笑っている瞬間を国際映像に抜かれるという。これはレーシングチームとして終わってると思いましたね…。マシンアップデートの成功や角田の連続入賞に浮かれてないで、今回は猛省してほしい。
連続開催なので次のレースは今週末のマイアミ GP。北米のレースは開催時間が辛いことが多いのですが、今回は深夜というより早朝だからまだマシかな。がんばってリアタイ私用と思います。
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