鈴鹿に持っていくカメラについて悩んでいた件、最終的に今回はこちらの装備で臨みました。
2023 年のレギュレーションは 2022 年よりもカメラの全長が 1cm 長くなっただけで、実質的には変わらず。だから昨年同様に α1+70-350G で行こうかと考えたのですが、AF システムが刷新された α6700 が出たことだしどうせならそっちを試してみるかと思い機材をレンタルしました。総合的には α1 のほうが扱いやすいのですが、α6700 のほうが AF システムが新しいことと APS-C クロップ時のセンサー画素数が多い点で上回っています。
レンズは昨年と同じく E 70-350mm G。望遠端でも全長がレギュレーション内に収まってできるだけ焦点距離が長いレンズ、だと E マウントではこれが最適というのは昨年検証した通りです。
土日の観戦席は昨年は S 字(レッドブル/アルファタウリ応援席)でしたが、今年はヘアピン出口側の仮設スタンドでした。比較的低速で撮りやすいこと・オーバーテイクが多そうなこと・スタンドからコースまでの距離が近いことを期待して行ったら実際その通りでした。ただ逆にコースが近すぎて望遠レンズ的にはオーバースペックだった感が否めません。
↑がワイド端 70mm(換算 105mm 相当)の写真。S 字だと 200mm 相当でもこれより小さくしか撮れなかったからヘアピン付近は本当に近い。こだわらなければ最近のスマホの望遠カメラでもこれくらいの大きさで撮れるわけで、F1 マシンとの近さにこだわるならヘアピンが正解だと思います。
続いて 132mm(換算約 200mm 相当)。レンズ的にはまだまだ全然余裕を残した状態で、ほぼ画面一杯にマシンを捉えることができました。実際、目の前を走り抜けていくマシンを撮る際には 70~150mm(105~225mm 相当)くらいで使うことが多かった感じで、これならフルサイズカメラ+70-200mm でも十分だったかもと思いました。
こちらは 193mm(換算 290mm 相当)。コクピット付近にグッと寄った写真が撮れますが、ヘアピンからの立ち上がりで加速していくマシンをこのフレーミングに捉え続け(て、かつ流し撮りの速度を合わせ続け)るのが難しい。迫力のある写真にはなるけど歩留まりはガクッと落ちる撮り方になります。
それでは望遠端は必要なかったかというとそんなこともなくて、ヘアピン出口側仮設スタンドからだとヘアピンのエイペックス付近はさすがに遠い。この場所でオーバーテイクや接触、それに伴うコースマーシャル作業を撮るには 350mm(換算 525mm 相当)が必要になります。焦点域が広いと撮れる画のバリエーションも広がるわけで、やはりこのレンズは機材に制約があるレースの撮影に最適。
ちなみに金曜フリー走行ではメインスタンド以外が自由席扱いになり、機材制限も厳しくないので金曜限定で 70-200mm F2.8 GM II+2x テレコンバーターを持ち込んでいました(カメラは同じく α6700)。1~2 コーナーはスタンドからコースまでが遠いから 200×2×1.5=600mm 相当の望遠が威力を発揮します。テレコンを挟んでも 70-350G より明るいし AF も速いし、レンズの長さ制限さえなければ土日もこれを使いたかったくらい。70-200GM2 と α6700 だけなら 26cm 制限にギリギリ収まるのですが、テレコンを足すとオーバーしちゃうんですよね…。
こちらの写真も 70-200GM2。
今回初めて α6700 を使ったのですが、AI プロセッシングユニットによる被写体認識 AF の威力がすごい。車(オープンホイールカー含む)も検出対象にでき、いったん認識するとコーナリング等で姿勢が変わっても追いかけ続けてくれます。α1 や α7 IV のリアルタイムトラッキングも精度としては十分でしたが、車体に AI 認識による AF 枠が出続けるのは分かりやすく安心感があります。
昨年 α1 を使ったときの感覚と比べるとブラックアウトフリー連写じゃないしファインダーも光軸上にないから撮影自体は α1 のほうがしやすかったです。体感的には今年の方が写真の歩留まりは悪いと思っていたのですが、帰宅後に写真を選別してみたところ去年と変わらないくらいの歩留まりで撮れていました。
α1 は一般人がおいそれと買えるカメラじゃないのでレース撮影用に自分で買うなら α6700 なんだろうなあ。機材の制限がもう少し緩ければいつもの α7 IV+シグマ 100-400 を持っていくところなのですが。
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