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LUUP のシェアサイクルサービスを試す

先日、外を歩いているときに自宅近くに電動キックボードシェアの「LUUP」のポートがあることに気がつきました。
今まではこういうのはまだ山手線圏内くらいにしかないものと思い込んでいたのですが、こんなところまで来ているんですね。しかもキックボードだけでなく自転車もシェアしていることを初めて知りました。で、調べてみたら自宅周辺に複数ポートあって、しかもいつも利用しているドコモ・バイクシェアのポートより近所。

私は電動キックボードは乗り物として安全性に欠ける部分があるし利用者のマナーが悪くて危険という話もよく聞くからあまり支持しておらず LUUP のサービスにも否定的な立場だったのですが、普通のシェアサイクルがあるなら話は別。とりあえず試しに利用してみました。

サービス | Luup(ループ) | 電動キックボードシェア/シェアサイクルアプリ

地図上にポートリストが表示されるアプリの作りは基本的にドコモ・バイクシェアHELLO CYCLING と同様。特に違和感なく使い始めることができます。
なお地図上では機材が借りられるポートはグリーン、出払っているポートはグレー、後述する特典つきのポートはオレンジで表示されます。

LUUP の利用料は 30 分 200 円(大阪地区を除く)ということでド競合他社よりは若干割高。しかし、地域にもよるけどポートが他社より高密度に配置されているように見えます。シェアサイクルサービスでは乗りやすい/降りやすい場所にポートがあるかどうかが重要なので、その点で LUUP は利用しやすそう。

ポートに待機している機材は自転車とキックボードが並列して表示されます(絞り込みも可能)。自転車に乗るつもりがキックボードを予約していた、ということがありそうなので注意が必要。
地味に良いと思ったのが「建物のどのあたりにポートがあるか」の説明が記されていること。他社のサービスにはそれがなく、地図上のポイントの周辺まで来たけどポートが見当たらずに数分迷うことがあるからこれは助かります。

またポートによっては割引特典がついていることがあるのが面白い。どういうアルゴリズムかは不明ですが「このポートから他のポートにライドすると割引」「他のポートからこのポートに返却すると割引」という形になっており、要はポートによる機材の偏在軽減にユーザーの力を借りようということですね。サービサーがトラックで機材を移動させるのも 24 時間やれるわけではないし、ユーザーに金銭的メリットを提示して協力を仰ぐのは良い仕組みだと思います。

機材を借りるポートを決めたら次は返却先のポートを選びます。借りるときと同様に返却可能なポートがグリーンで表示されます。
ドコモだと返却先のポートを決めずに借りられてしまうので、乗ったはいいけど行き先のポートが満車で返却できず、周辺のポートも満車で途方に暮れてしまう…ということがままあるから(これ本当に困る)LUUP の利用フローのほうが理に適っていると言えます。

また機材を借りるときのポート検索はキックボードのみ/自転車のみに絞り込むこともできます。
私は基本的にキックボードは使うつもりがないので自転車に絞って検索しました。

というわけで返却先のポートを指定します。なおポートごとの機材台数はキックボードか自転車かの区別なく合計で何台までと決まっている模様。

今回は有楽町駅前のルミネから乗って地下鉄大門駅近くのポートで返却してみます。

乗り/降り両方のポートと機材を指定したら予約完了。10 分以内に乗車ポートに到着して乗車しないとキャンセルされます。他社サービスだと予約から乗車までの猶予はもう少し長かったからここは少し厳しい。

乗車ポートに到着しました。緑色の枠内にキックボードと自転車が区別なく駐車されています。
全てのポートに上限台数が設定されているため、ドコモのようにポートに自転車が溢れかえっているということは基本的になさそう。ドコモはあれで交通や周辺住民の迷惑になっているポートがけっこうあるんじゃないでしょうか。

車両についている QR コードをアプリでスキャンして解錠する仕組みはドコモ(の新しめの車両)と同様。
ただし、ドコモや HELLO CYCLING が車両後部に大きく車両番号を表示しているのとは違い、LUUP は QR コード下部に小さく書かれているだけだから予約した車両が探しにくい。ドコモほど大量の車両が待機しているポートは多くないからまだマシですが、ここは改善してほしい部分。

自転車はミニベロ系の独特なデザインの車両です。市販の電動アシスト自転車を流用したドコモや HELLO CYCLING とは全く違うタイプですが、独自開発でしょうか?雨ざらしになることを想定してかいろんなパーツにプラスチック製のカバーがかけられていたり、シェアサイクル運用されることを前提に作られているように見えます。

前カゴはかなり小さめ。ビジネスバッグだと入らないかもしれません。
乗ってみて驚いたのですが、このカゴはハンドルではなく車体フレーム側に固定されています。ハンドルを切っても荷物が傾かないのは良いのですが、重い荷物を載せているとハンドルを切ったときに慣性で車体が外側に引っ張られる感覚があってちょっと怖い。重量がある荷物を持っているときはバックパック等で背負ったまま乗る方が良さそうです。

なおこの車両には変速機はついていません。左ハンドルの根元に回転シフトっぽいのがついていたから回してみたら、ベルが鳴りました(笑

バッテリーは車両後部から抜き挿しするだけで、一般的な電動アシスト自転車よりも簡易。一般ユーザーがバッテリー交換することはありませんが、運用性を重視して開発された車両であることが分かります。サービスといい車両といい運用性を考慮した作り込みがドコモや HELLO CYCLING よりも一段上で感心します。

駐車用のスタンドは全後輪の間にスクーターのような形でついているのが面白い。

すごく良いのがハンドルバーにスマホホルダーが標準装備されている点。シェアサイクルは知らない道を走ることが多い乗り物だけに、スマホによるナビは必須なんですよね。私は今まで外出先でシェアサイクルに乗ることがあらかじめ分かっている場合はマイスマホホルダーを持ち歩いていましたがそうでないことも多いので、これが全車についているのは素晴らしい。競合他社にもぜひ見習ってほしいところです。

その代わり、この車両には電池残量表示やアシスト力を調整するためのパネルがついていません。走っているときに電池残量が見えないのは不安なので、電池が残り少ない車両は借りないようにしようと思います。

そういうわけで目的地のポートまで移動開始。他社同様にこのアプリから地図アプリを起動して直接ルート案内させられます。アプリで解錠→地図アプリでルート表示→そのままスマホをハンドルのホルダーに固定、までが一連の動作でできる UX が素晴らしい。他社はルート表示まではできるけどスマホホルダーがないのが不親切なんですよね。

目的地に到着したらポートの枠内に駐車して施錠、その上で「枠内に駐めた写真を撮って送信」する必要があるのが面白い。サービサー側でこの写真を審査しているかは分かりませんが、少なくとも利用者側にちゃんと整列駐車させる心理的効果はありそうです。他社のポート(特にドコモ)はひどいもんですからね…。

というわけで、LUUP は電動キックボードのあまり良くないイメージが先行していましたが、UX としてはとても使いやすく面白いサービスで見直しました。ポートの数が多いのも使いやすい。コンビニや商業ビル、公園などが中心の他社サービスとは違ってアパートやマンションに小規模なポート(2~3 台制限のところも多い)が存在することも多く、営業方針が根本的に他社とは違うように見受けられます。小さいポートが多いから機材がない/空きがないポートも多いですが、そこはポートの絶対数でカバーしている感じ。シェアサイクルって結局は自宅やよく行く場所の近くにポートがあるかが重要なので、LUUP の戦略は間違っていないように思います。
また車両に関しては、個人的に小径の自転車にはほとんど乗ったことがなかったから不安でしたが、段差に弱い(といっても電動キックボードよりはマシ)ことを除けばそこそこ安定もしているし、小径ホイールゆえにトルクが強いから登坂しやすい。電動アシストも十分なアシスト力が感じられて、ギヤチェンジもパワー調整もできないのに坂道があまり苦にならなかったのは良い意味で予想外でした。スピードが出せないから乗ってて楽しい自転車ではありませんが、意外と坂道が多い都市圏での近距離移動手段と割り切るなら乗りやすい車両ではないでしょうか。あとはこの車両が導入されてからまだ一年ちょっとしか経っていないので、今後メンテナンスがちゃんと実施されるかによって評価は変わってくるかもしれませんが、現時点ではドコモや HELLO CYCLING の車両よりも高評価です。

ドコモは最近ポートが閉鎖されるケースが多くて「使ったことがあるポートに行ってみたらなくなっていた」ということが何度かあり、車両の状態が悪い/バッテリー残量がない車両が多い/ポートごとの車両の偏在がひどい という従来からの欠点がなかなか改善されないこともあり年々使いにくくなっています。HELLO CYCLING はまだマシだけど個人的には近所にポートがないから出先でしか利用できません。なのでこれからしばらくは LUUP をメインで使ってみようかな、と思っています。
まあどのシェアサイクルサービスも基本料金なしの都度課金コースがあるので、とりあえず 3 サービスともに登録しておいてその時々で利用しやすいものを使う、が正解ではないでしょうか。ただそうなってくると各サービスごとに出発地/目的地のポートを探すのが面倒くさいので、誰か各シェアサイクルを串刺しでルート検索するサービスを作ってくれませんかね(笑。

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