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芝大門 とんかつ いわい

先日、増上寺近くを歩いていたら芝大門のすぐ脇に気になるとんかつ店を発見したので、すかさず食べに入ってみました。

とんかつ いわい

お昼過ぎに来たところ、路面店でもないビル 2F の店舗にも関わらず階段途中まで行列ができていました。狭い階段で、これから夏にかけてここに並ぶのはちょっと蒸し暑そう。
人気とんかつ店っぽいから一時間近く待つ覚悟でいたのですが、思ったより早く 30 分程度で着席できました。

この店は「六白黒豚」という銘柄豚を使っている様子。六白、って鼻先と四つ足、それに尻尾の先の計六カ所が白い鹿児島産の黒豚とのこと。初めて聞きました。
メニューはオーソドックスだけどどちらかというとヒレよりもロース推しな感じ。数量限定の「特選厚切りロースかつ定食」はこの時点で売り切れてました。

店主、気持ち強め。うんちく多め。でもこういうの嫌いじゃない。
メンタル壊したときに救われた経験があると、元気になったときに恩返ししたい想いが強くなりますよね…。よく解ります。

そんなわけで、私が注文した特選ロースかつ定食(160g)が出来上がってきました。
ミックスやコンビ、トリオでいろいろ食べてみたい気もしたけれど、初めて来た店ならやはり王道から攻めたい。

明るめのきつね色にカラッと揚がった衣が美しい。
ステーキの感覚だと 160g はちょっと物足りないイメージだけど、とんかつの 160g ってけっこうボリューミー。コンビやトリオじゃなくても十分満足できそうです。

脂っこすぎず、赤身と脂身のバランス良い肉。六白黒豚、肉自体に甘みがあってジューシー。鹿児島のサツマイモを食べて育った豚、ってのがいいんでしょう。
これはおいしい。肉そのものもいいけど揚がり具合もちょうど良い。行列ができる理由がよく分かります。

調味料はソース、醤油、藻塩の三種類。
私は通常ならば半分くらいを塩で食べて残りをソースで食べるところですが、この店では塩よりもソースよりもとんかつ醤油の壺が大きい。お店によると、とんかつに添えられている茎わさびのすりおろしとこの醤油で食べるのがお勧めらしい。

茎わさび醤油を試してみると…おおお、これはうまい!
さわびは茎だから刺激は強くなく、爽やかな香りと甘みが花を抜けていく感覚。そして濃いめの醤油がほんのり甘い。まるで富山の刺身醤油のような甘みのある醤油と脂身の甘さが混ざり合って絶妙なおいしさ。そこにわさびの香りが抜けていくから甘ったるくなりすぎないのも良い。

仰るとおり、このとんかつをいただくなら塩よりもソースよりもわさび醤油と断言できます。むしろ他の店でもこうやって食べたいくらい気に入りました。

濃いめだけどどこか優しい味のする豚汁もおいしい。
個人的経験として、豚汁がおいしい店はとんかつもおいしいし、とんかつがおいしい店は豚汁もおいしい。

いやあ…おいしかった。わさび醤油でいただく六白黒豚、想像以上でした。
仕事ぶりも丁寧で、自分を元気にしてくれた六白黒豚に恩返しをしたい、とんかつでお客さんにも元気になってほしい、という店主の想いがとんかつから伝わってくるかのようでした。

ここは絶対また来よう。
今度は贅沢して厚切りかトリオ、いっちゃおうかな。

ごちそうさまでした。

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