先日の金沢への帰省時に「いつもとはちょっと違うところを」と行ってきた場所の一つが、にし茶屋街でした。
金沢の茶屋街というとひがし茶屋街が圧倒的に有名ですが、地元では東・西・主計町(かずえまち)をまとめて三茶屋街と呼ぶこともある模様。ひがし茶屋街が最も有名で規模も大きいのに対して西と主計町は地味めであまり混んでないということで、今回は西に行ってみたわけです。
実際に行ってみたにし茶屋街は想像以上にコンパクトで、ほんの 100m ほどの通り沿いに古い街並みが並んでいるだけ。走ったら二十秒もかからずに渡りきれる距離ですが、ゆっくり歩いてみると趣深いことに気づきます。
規模が小さいだけで建物の古さはひがし茶屋街と同じくらいに見えます。でも東に比べて圧倒的に空いていて、東に何度か行ったことがあればゆったり過ごすなら西の方が良いのでは、と感じます。東はお店も多いし和服で歩いている人もいて雰囲気ありますけどね。
ちょっと面白かったのが、大通りからにし茶屋街に入ってすぐのところにある「忍者武器ミュージアム」。この茶屋街随一の観光スポットではないでしょうか。私は子ども心を大いに刺激されて楽しかったので、この施設については後日改めてレポートします。
そしてランチがてら涼みに入ったのがこちらの茶店でした。
まあ店舗数自体が少ないから選択肢があるわけではないのですが、ここはおいしいらしいという話を聞いていたので実はちょっと楽しみにしていました。
「ゆすら」ってことばは初めて聞きましたが、漢字を読む限りでは「さくらんぼ」のことですね。桜色の暖簾がとてもかわいらしい。
加賀棒茶で一息。棒茶はいわゆるほうじ茶の一種ですが、渋みがなくて香り、甘味、うまみが立っているのが加賀名物たるゆえん。
抹茶のラスクがお茶請けとしてついてきて、これまた甘すぎず・苦すぎず加賀棒茶と一緒にいただくととてもほっとします。
軽食としていただいたたまごサンド。
たっぷり入ったタマゴサラダの味が濃厚でおいしい。添えられている加賀野菜のピクルスの酸味がたまごサンドの味にさらなる抑揚を与えてくれる感じ。
そしてカツサンド。これに驚かされました。
何がってカツの衣が今まで食べたことがないほどにサックサク。ふっくらしたパンの次にこのサクサク食感が訪れるのが新鮮な感覚です。甘めのソースと柔らかい豚肉も絶妙だけど、このカツサンドの主役はカツの衣ですね。これを一度食べてしまうと他のカツサンドでは物足りなくなりそうです。
食後にかき氷(宇治金時)。
抹茶香るふわふわのかき氷自体もおいしいんだけど、上に載っているあんこが小豆の味と香りを感じられてとても良い。これは加賀棒茶によく合うわ~。
いやはや、期待通りにおいしかった。
でも食べ歩きはこれだけにとどまりません。
にし茶屋街の外れにある甘納豆の店「かわむら」にも立ち寄ってみました。
こちらのお店も暖簾がかわいらしい。
ここは基本的にはさまざまな種類の甘納豆・糖果子・羊羹などを販売しているお店です。
ひよこ豆の甘納豆とか初めて見たんだけど、どんな味がするんでしょうね。
ここに来た目的は甘納豆ではなく、店内で注文できる「賞味期限 6 分もなか」。
生菓子だって賞味期限は当日中なのに 6 分ってさすがに盛りすぎでしょと思うのですが、実際どんなものか気になったのと最中の具材が面白そうだったので食べてみました。
注文後は店外にあるカウンターで受け取り、お店の裏手にあるベンチスペースか土蔵の中で食べることができます。
ベンチスペースは建物の影になってたり水が張られていたりするけどやはり屋外は暑くて、私は土蔵の中でいただきました。
これが賞味期限 6 分もなか。左から順に「塩豆あん・マスカルポーネ」、「芋みたらし」、「トリプル珈琲」。
私が食べたのは塩豆あん・マスカルポーネですが、マスカルポーネチーズに柑橘ピールが練り込まれていて爽やかな甘さ。最中のパリパリと餡のしっとりした味わいの対比が面白い。そして食べてみて初めて理解したのですが、この餡やアイスの水分を最中が吸ってパリパリ感が損なわれてしまうタイムリミットが 6 分ということなんですね。でもこれ実際に食べ始めたら止まらなくなって 6 分どころかあっという間になくなってしまいました。
散策しに来たつもりが半分食べ歩きに来たようになってしまいましたが、楽しかったです。ひがし茶屋街と違って人混みに揉まれることもなくのんびりできるのがいいですね。
こぢんまりした茶屋街だから観光でここをメインにするには物足りないけど、兼六園~香林坊~片町という金沢の中心地から徒歩圏だから何かのついでに回るとちょうど良さそうです。
次回の帰省時にはもう一つの茶屋街である主計町にも行ってみようと思います。
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