ダニエル・リカルドの RB チーム離脱が正式発表されました。
先日のシンガポール GP ではもう F1 全体が「そういう空気」で、最後のはなむけとして RB チームがリカルドにファステストラップを記録させる場面もありました。が、グランプリ期間中の発表は一切ナシ。そして F1 が次のアメリカ GP に向けた休業期間に入ったところでの正式発表となりました。
リカルドは二年前にマクラーレンから更迭され、リザーブドライバーとしてレッドブル・グループに復帰して昨シーズン後半からアルファタウリより参戦。レッドブルとリカルドとしてはアルファタウリで角田裕毅を圧倒して実力を示しレッドブルに再昇格というシナリオを描いていたのでしょうが、マクラーレン時代同様にアルファタウリ/RB でもほぼ一貫してチームメイトに敗れる結果となりました。年齢やグラウンドエフェクトカーへの適応失敗、モチベーションの低下などいろいろ理由は考えられますが結果は結果。トロロッソ時代からシーズン中のドライバー交代が当たり前だったチーム的には「評価の済んだドライバー」の処遇は決まっています。それ自体は仕方がないとはいえ、かつてはレッドブルのエースドライバーとして複数回の優勝を記録したドライバーに別れの言葉を告げさせる機会さえ与えないというのはいくらなんでも残酷ではないでしょうか。
リカルドの後任として今シーズンの残りレースを走るのはリアム・ローソン。昨年もオランダ GP でリカルドが骨折してからしばらくは代役を務めていました。が、去年のレースを見ていた限りではローソンは無難ではあるけど特に伸びしろも感じなかったんですよね。鈴鹿でのチームメイト角田に対する執拗なブロックを見れば逆にチームの足を引っ張るリスクすらあると思っています。まあ去年は 5 レースに出走し、今年も残り 6 レースを走れば RB 的にもローソンのポテンシャルは見極められるでしょうし、今シーズンの出走はローソンにとっての最終試験というのが実際のところではないでしょうか。それで結果を出せば来季はレギュラーとして継続だろうし、見切りをつけられれば F2 からハジャーを昇格させるかウィリアムズからコラピントあたりを借りてくるか、大穴で岩佐…というあたりじゃないかなあ。まあレッドブルもフェルスタッペンとペレスのどちらか、または両方が離脱する可能性もないわけではないし、来季のレッドブル系 4 席についてはまだあらゆる可能性が残っていると思います。
ともかくリカルドにはお疲れさまでしたと言いたいです。もう F1 には彼の席はないでしょうが、他所でレースを続けるにしても引退するにしても、第二の人生が充実したものになることを願っています。
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