3度SC出動もピアストリ盤石V! 王座争う僚友ノリスはトラブルに泣く……新人ハジャーが大金星の3位&角田裕毅9位|F1オランダGP決勝
4週間の夏休みを挟んでF1が再開しました。この夏は移籍関連のニュースも少なく(キャデラックがペレス&ボッタスの獲得を発表した程度)、おあずけ状態が長くて辛かったです。
チャンピオン争いはピアストリとノリスが9pt差でサマーブレイクに入ったこともあり、再開早々に緊張感あるレースが見られるかと思っていたら…実際そういうレース展開ではあったものの、意外な結末に。
■マクラーレン
フリー走行からノリスがトップタイム連発。遂にピアストリを凌駕し始めたのか…と思ったら予選 Q3でピアストリが0.012秒差をつけてPP。今シーズンのピアストリ、やはりパフォーマンスの安定性に加えて週末の組み立て方がうまい。
決勝はソフトスタートだったフェルスタッペンがグリップ力を活かしてノリスに先行。その後マシン性能で圧倒するノリスがフェルスタッペンを抜き返したものの、そこからはピアストリが主導するレースでした。その後二度のセーフティカー導入でも位置関係は変わらず、互いにミスを誘うべく攻め合った結果65周目にノリスのマシンから白煙、そのままリタイヤ。それによりピアストリは難なくポディウムの中央に立ち、ノリスとのポイント差を34にまで広げました。
今回のレースでノリスにミスらしいミスはありませんでしたが(強いて言えばスタート直後にフェルスタッペンを抑えきれなかったことくらい)、運によって明暗が分かれるのが今の二人の状況を示しているように思います。まあ追いかけるノリスの方がPUにかかる負荷が高く、それがトラブルに繋がった可能性もありますが。
残り9レースで34pt差、今後ピアストリにも同じことが起きない保証はないとはいえチャンピオンシップの行方がピアストリ側大きく傾いたことは間違いありません。ハンガリーGPまで絶妙に拮抗していたバランスがこれで一気に変わるのではないかと思っています。
■レッドブル
ノリスのリタイヤによりフェルスタッペンが2位表彰台。クルマとの相性から圧倒的に不利と言われていたザントフォールトで予選P3、決勝P2というのはもはやフェルスタッペンのすごさとしか言いようがない。
角田は予選は僅差でQ2敗退のP12スタート。粘り強く走れば入賞のチャンスはあるし天候次第ではジャンプアップの可能性も…というレースでした。フェルスタッペン同様のソフトスタートはあまりうまくいかず、雨も降りそうにないから早めのタイヤ交換を実行した直後にセーフティカー導入。計3回導入されたSCのどれもが角田には有利に働かず、トラック上ではDRSトレインに阻まれ、さらにはスロットルマップの不具合で加速に難がある…という三重苦に苛まれました。それでも諦めずに走って何とか9位入賞、久しぶりのポイントを持ち帰りました。
同じレースで元チームメイトのハジャーが表彰台を獲得したことからすると寂しい結果ですが、それでもベルギーGP以降はそれなりの競争力を見せられていること、そして何よりポイントを獲得できたことを今は喜びたい。来季のシートが確定しない不安もあろうとは思いますが、まずは目の前のレースで着実に結果を積み上げることですよ。次のモンツァではさらに良くなると信じたい。
■レーシングブルズ
おめでとうハジャー!!!!!
金曜のFP2をPUトラブルでほぼ走行できないという苦境から、土曜日には目覚ましい進歩を見せて予選P4を獲得。マクラーレンの二台とフェルスタッペンのすぐ後ろというのは(実際のラップタイム差が大きいとはいえ)まずそこからして殊勲でしょう。そして決勝ではルクレールやラッセルの猛攻を凌ぎきり、コース上でポジションを明け渡すことはありませんでした。で、そのまま4位フィニッシュでも大金星…というところでノリスがリタイヤし、初表彰台が転がり込んできました。
ノリスやルクレールのリタイヤによってハジャーにとっては多少楽な展開になったとはいえ、今回の表彰台は単にラッキーだったとは思いません。予選から決勝にいたるまで堂々たる走りを見せ、実力でP4をキープしたからこそ上位にトラブルがあった結果ポディウムが得られたということ。今回の走りは十分に表彰台に値すると思います。
しかしトロロッソ/アルファタウリ/VCARBは数年に一度こういう巡り合わせが来るんですよね。そのタイミングに居合わせたハジャーは「持ってる」と思うし、巡り合わせが悪かった結果今レッドブルで苦労している角田はその点では「持ってない」と言わざるを得ない。でもこのレースをふまえてハジャー昇格/角田更迭論が再加熱したら嫌だなあ。必要以上にセンセーショナルなタイトルをつけるメディアが多くて、読んでるこちら(そういうのは本文を読みに行かなくても)のメンタルが削られます。
次はすぐ今週末のイタリアGP。今のレッドブルとモンツァの相性はさほど悪くないと思うから角田には連続入賞を期待してしまいますが、角田本人がモンツァとあまり相性良くない(マシントラブルに見舞われやすい)んですよね…。今年こそはノートラブルで上位争いできることを願っています。


コメント