Amazon Prime Videoにて『劇映画 孤独のグルメ』が配信開始されました。
デジタルセルスルーでは二週間ほど前から販売されていたのがこのたび見放題にも追加されました。
私は東京国際映画祭での先行上映から数えて五回映画館で観ています。もうほとんどのセリフを諳んじられるレベルになってしまった(笑)。大抵の映像作品はそれだけ観れば飽きるものだけど、個人的にはこの映画は繰り返し観ても飽きが来ない。最近の映像作品って本来の脚本の力を映像や音楽の演出で盛りに盛って感動させに来るものが多いから、繰り返しによってそのバフが解けると冷めちゃうんですよね。でもこの映画はしみじみとした感動はあれど、盛り上げすぎず盛り下げすぎず感情のコントロールが「ちょうど良い」。そのさじ加減の良さがテレビドラマ版と共通していて何度でも観れてしまうんだと思います。
冒頭の五郎が機内食を食いっぱぐれるシーンとか、旧助羅での入国管理官(ユ・ジェミョン)とのやりとりとか、終盤で善福寺六郎(遠藤憲一)が出てくる場面とか、もう全部分かっていても毎回可笑しい。それはきっと出オチではなくやりとりの空気感とかセリフの「間」といったものが絶妙だからではないでしょうか。半ば古典落語みたいな領域なのかもしれません。
そういえば今回は映画の公開前に行けた聖地巡礼は東銀座のプゴクの店(「さんせりて」の実店舗)くらいでした。それが南風島のロケ地から奈留島のちゃんぽん、そして福江島の聖地巡礼まで行った後で改めてこの映画を観るとより解像度が上がって楽しい。特に劇中では奈留島ということになっていた場所の大半が実際には福江島で撮影されており、それを現地で見た後に改めて映画を観るのはなかなかに感慨深いものがあります。
とにかくこれで今までは脳内再生するしかなかった劇映画をいつでも観ることができるわけです。気になっていたシーンを細かく見直すこともできるし、ラーメンを食べるシーンを伊丹十三の『タンポポ』と見比べることだってできる。
また本作は映画だから映像のカラーグレーディングも音響の使い方もテレビドラマ版とは大きく異なっているわけですが、いつもドラマを観ている自宅のテレビでその違いを確認できるのも楽しい。
いずれBlu-rayが発売されたらそれも買うつもりですが、それまでの間もPrime Videoで何度となく観よう。
ところでまだ行けてないところの聖地巡礼、どうしますかね。




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