フルサイズ初、広角20mmからの10倍ズームレンズ – デジカメ Watch

シグマがレンズ新製品を一挙に三本発表しました。いつもならYouTube Liveで山木社長自らのプレゼンテーションがあるところ、今回はプレスリリースのみという比較的ひっそりとした製品発表。何かあったのか、と少し心配になります。
三本のうち二本は135mm F1.4と35mm F1.2 IIという超フラッグシップ級のレンズですが、個人的には最近はいくらスペックが高くても重くて持ち出す頻度が下がるレンズへの興味が薄れていて、俄然注目しているのが20-200mm。超高倍率ズームは昔から旅レンズとして定番でしたが、一昔前なら28-200mm、最近でもせいぜい24-240mmというズームレンジでした。それが一気にワイド端が20mmまで広がり、これならもう広角ズームを併用しなくてもこれ一本でほとんどのシチュエーションで撮影できてしまう。近年はスマホで超広角が撮れるのが当たり前になってきたせいか24mmでもあまり広く感じないことが増え、レンズ交換式カメラでも広角始まりの標準ズームレンズ(具体的に言うと 20-70mm F4G)がちょっと欲しかったりしてるんですよね。そんな私にこの20-200mmはどストライク。旅に持って行くならこれ一本あれば良くね?というレンズです。しかも28-85mmの焦点域ではハーフマクロとしても使えるとか、使い勝手が良すぎる。
ただしテレ側が200mmまであるレンズということで全長がけっこう長い。縮長115.5mmというのは私が使っている24-70GM II とほぼ同じ長さで、テレ端ではほぼ倍の全長になるというからかなり存在感あります。まあ重量550gならば、他にレンズを持って行かないなら許容範囲かな。
私は旅行にカメラを持って行く際に物量と使いたい焦点域のバランスでレンズ選びにけっこう悩みがち。しかも旅先だと撮影よりも楽しむことを優先したいからできるだけレンズ交換の手間は減らしたい。となると、明るさには多少目をつむってでも便利ズーム、アリなんだよなあ。
そしてこのシグマに対抗するかのようにタムロンからも高倍率ズームレンズが開発発表されました。
タムロンが広角端「25mm F2.8」からの8倍ズームレンズを開発発表 – デジカメ Watch

こちらは25-200mm。ワイド端はシグマに比べて狭いけど、その代わりF2.8スタートというのがこちらのレンズのセールスポイント。まあ、シグマの20mmスタートでもF3.5というスペックはちょっと物足りないよね…というのも解ります。とはいえ物理法則には逆らえないから焦点距離を取るか明るさを取るか、というシグマとタムロンの方向性の違いはとても面白い。
ただ、この手のズームレンズでありがちなのは「F2.8はワイド端だけで、ちょっとでもズームするとすぐにF値が落ちていく」という仕様。これの前機種は28-200mm F2.8-5.6で28mmではF2.8だけど50mmの時点でF3.5に落ちる仕様だったようで、おそらくこのレンズも50mmでF3.5~4くらいまで落ちそう。それならばワイド端が広いシグマのほうが活躍の場が多いかな、というのがスペックだけ見た時点での印象です。
ともあれ、こういう高倍率ズームはカメラメーカーが純正レンズとしてあまり注力していない領域なので、レンズメーカーの力の見せどころ。特にシグマは近年Lマウントアライアンス向けにハイスペックなレンズを供給することに注力していた側面があるので、この手のレンズは久しぶり。私自身としても具体的に購入候補になり得るレンズなので、一度実機を触りに行こうと思っています。


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