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N響 ドラゴンクエスト・コンサート ~導かれし者たち~ @東京芸術劇場

NHK交響楽団の「ドラゴンクエスト・コンサート」を聴きに行ってきました。

N響 ドラゴンクエスト・コンサート~導かれし者たち~ | NHK交響楽団

N響 ドラゴンクエスト・コンサート~導かれし者たち~

小学生の頃からドラクエのサントラ(交響組曲)を聴いて育った私。過去二年の間に都響のオケコンウインドオーケストラ(吹奏楽)コンサートを聴いたらあとは何としてもN響のオケコンも聴きたくなりました。
交響組曲としてのドラクエのサントラは最近の作品では都響が担当していますが、元々はN響の演奏でリリースされていたのです。私はドラクエI~VまでのサントラはずっとN響版を聴いてきたからいつかはN響のドラクエコンサートを聴きに行きたいとチャンスを窺い、今回何とかチケットを確保できました。残念ながらS席は取れず3FのA席でしたが前方ど真ん中が押さえられた幸運。会場は池袋の芸劇、近年なんだかんだで年1~2回は何かの演奏会でお邪魔してます。

曲目は『交響組曲ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』。ドラクエのサントラの中でも特に好きなのがIIIとIVで、都響コンサートでIIIを聴いたから次はIVを聴いてみたいと思っていたのでした。ロト三部作に比べメインキャラクターが増えて楽曲のバリエーションも大きく広がったIVの楽曲は聴き応えがあります。交響組曲として36年前にリリースされたサントラの曲順通りに演奏されます。

1 序曲
言わずと知れたオープニングテーマ。全作同じ印象があるけど実は作品ごとにタイトルもアレンジも違う。中でもIVではイントロが大きく変更され「ロト三部作」とは別の新シリーズが幕を開けたことを象徴している。この曲を聴くと、現実世界の池袋から冒険の世界へと精神がいざなわれる。
2 王宮のメヌエット
ロト三部作の王宮のテーマに比べ荘厳さを感じる響き。序曲の直後にこれを聴くと第一章冒頭のライアンの姿が脳裏に浮かんでくる。
3 勇者の仲間たち(間奏曲~戦士はひとり征く~おてんば姫の行進~武器商人トルネコ~ジプシー・ダンス~ジプシーの旅~間奏曲)
第一章~四章の主人公のテーマをメドレーで。
間奏曲:プレイ再開時に毎度聴く「ぼうけんのしょ」を選ぶ際のジングル的楽曲。ピチカートによる軽快な演奏が幕間らしくて良い。
戦士はひとり征く:第一章ライアンのテーマ。第一章はドラクエI、あるいはII序盤の一人旅のリフレインだけどライアンは王宮仕えのベテラン戦士。朴訥としたライアンが特に不安感もなくゆったりと旅する感じが出ている曲。
おてんば姫の行進:第二章アリーナのテーマ。快活なトランペットが跳び跳ねたり転がったりするような音階を奏でるのが「おてんば姫」らしい。
武器商人トルネコ:第三章トルネコのテーマ。商人トルネコのたっぷりとした体格や性格をコントラバスの低音と木管の優しい響きで表現。
ジプシー・ダンス:第四章のバトルBGM。モンバーバラの姉妹のうち姉の踊り子マーニャを感じる曲。鉄の扇と炎系呪文を駆使して舞うように戦うマーニャを想起させて痺れる。
ジプシーの旅:第四章のフィールドBGM。こちらは落ち着いた中にも決意の強さが秘められた曲で、妹の占い師ミネアっぽい。
どの曲もいいけど個人的には四章の2曲がドラクエIVの中でも特に好き。『ジプシー・ダンス』の生演奏を聴くのは念願だったから泣いちゃいました。
4 街でのひととき(街~楽しいカジノ~コロシアム~街)
:タイトルどおり町のBGM。洞窟や塔から町に帰ってきたときにホッとできるだけでなく、市井の人々の生活やお店での買い物の楽しさまで感じさせてくれる名曲。
楽しいカジノ:DQ4で初登場したカジノ。子ども心に「カジノってこんな場所」という印象を植え付けたのがこの曲。と同時に、これを聴くと「838861」という数字(838,861枚のメダルが4ゴールドで買える裏技)を思い出す。
コロシアム:カジノの大当たりファンファーレからこの曲のイントロへの繋ぎが神。カジノとは別種のワクワク感と勇壮さが同居する展開に鳥肌が立つ。
5 勇者の故郷~馬車のマーチ
第五章のフィールドBGM二曲のメドレー。
勇者の故郷:勇者が孤独に旅立つときの曲。同じ一人旅でもドラクエIの荒涼感とは違う、故郷を失った悲しさがついて回るメロディー。ドラクエIVではピサロとロザリーの悲劇ばかり語られがちだけど、主人公がシンシアを喪った悲しみも忘れてはいけないと思う。
馬車のマーチ:前曲とは対照的に力強い行進曲。馬車を手に入れてフィールドに出た瞬間、それまでとは違って陣形が横に広がるのとシンクロするようにこの厚みのあるBGMに切り替わった瞬間の感激は忘れられない。そしてこの余韻に浸ったままインタミに入る構成が素晴らしい。
– Intermission –
6 恐怖の洞窟~呪われし塔
ダンジョン曲から塔BGMへのメドレーは交響組曲ドラクエシリーズの定番。
恐怖の洞窟:オーボエが奏でる主旋律は蠢くモンスターの影か、それとも洞窟を彷徨う勇者の不安な心の象徴か。この曲に限らず交響組曲ドラクエシリーズでは主題を二回以上繰り返す楽曲が多いが、リフレインでは楽器編成が変わって分厚いシンフォニーになるのがどれもドラマチック。
呪われし塔:洞窟の曲がどこか湿っぽく生物感のある曲調なのに対して、塔の楽曲はいつも無機質な方向性で不安を煽ってくる。バックでずっと繰り返しているトロンボーンのフレーズが「ここは普通じゃない」と言っている。
7 エレジー~不思議のほこら
エレジー:パーティー全滅時、およびストーリー上の悲しいシーンにおけるBGM。本当は見たくないシーンでかかるはずの曲なのに、あまりに美しくてずっと聴いていたくなる。
不思議のほこら:ドラクエシリーズのサントラにおいて祠曲にハズレなし。この曲もどこかもの悲しいメロディーなのに、聴いていると何故か心が浄化されていくように感じられる。
8 のどかな熱気球のたび
気球移動時のフィールド曲。摑みどころのない変拍子(何十回聴いてもよくわからない)が風や気圧によって振り回される気球の気まぐれ感を表現しているかのよう。ゲーム中ではそんな制御不能になることはないんだけど。ストーリー上はクライマックスに向かっているにも関わらず、何故か気球に乗っている間だけはのほほんとした雰囲気が漂う。
9 海図を広げて
ドラクエで船関連の曲にもハズレなし。この曲はドラマチックなイントロからもう泣ける。ゲームの進行上では船→気球の順のはずなのに、組曲では逆順になっていて軽い気球の曲の後にこの曲が始まると感情の波に押し流されそうになる。
10 謎の城
天空城のテーマ。人間界の城とは違って優美かつ神々しさを備えた曲。ヴァイオリン・ソロの熱演はまさに偉大なるマスタードラゴンを讃える響きに聞こえた
11 栄光への戦い(戦闘~邪悪なるもの~悪の化身)
ここまでとにかく溜めて溜めて、ついにバトル曲。しかもメドレー。
戦闘:ドラクエのバトルBGMはIVで新たな基軸を見出したと思う。IIIのバトル曲を超える疾走感に変拍子の導入。しかしこの曲をファミコン音源に落とし込んだ実装にも改めて驚く。
邪悪なるもの:中ボス・エスタークとラスボス前半戦のBGM。通常のバトルBGMがアップテンポな分、泰然としたこの曲がボスの強さを際立たせる。どこかIIのシドー曲『死を賭して』とも重なる。
悪の化身:デスピサロが進化の秘法で最終進化を遂げた姿のバトルBGM。『邪悪なるもの』よりもヤバさを増した感がビンビン伝わってくる名曲。
12 導かれし者たち
IVのエンディング曲。天空城でのファンファーレから始まり、流れるスタッフロールとともに気球で冒険の仲間を一人ずつ故郷に帰していく。最後は大団円…ではなく勇者が滅びた故郷の村に独り帰る姿に合わせるように、静かな幕引き。このしんみりとした終演がまた泣ける。
– Encore –
13 結婚ワルツ
アンコールはなんと『V』のエンディング曲!IVのしんみりしたラストから改めてのハッピーエンド。天空シリーズ続編のエンディングに浸ったことで、まるでナンバリングタイトルを2つ続けてクリアしたかのような充足感。

いやあ素晴らしいコンサートでした。中学生時代からサントラを何百回と聴いてきたから構成は全て頭に入っていますが、音源とは曲想の付け方やダイナミズムが全然違う。生演奏の方が遥かにドラマチックでした。カーテンコール中だけステージの写真撮影OKなのに、あまりに浸りすぎて撮るのを忘れそうになってしまったほど。

サントラの印象からN響ってカッチリした演奏をするイメージがあったから意外だったけど、むしろいい驚きでした。何十年も演奏を重ねるうちに楽曲が「育って」いったのでしょう。きっと今の奏者の中にはドラクエリアルタイム世代の方も少なからずいるだろうし。

N響 ドラゴンクエスト・コンサート~導かれし者たち~

ドラクエのコンサートはどの楽団でも、最後に指揮者の方がすぎやま先生を讃えるように楽譜に敬意を表すくだりがあることにジーンときます。

やっぱりドラクエコンサートはいいなあ。他の楽団のも含め、また定期的に聴きに行こう。
そしてまんまとドラクエIVをプレイしたくなりました。スマホ移植版を今やってもいいんだけど、やっぱりロト三部作に続いて天空三部作をHD-2Dリメイクするのに期待しててもいいんですかね。

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