ソーシャル・ネットワーク デラックス・コレクターズ・エディション [Blu-ray]
ちょっと興味はあったけど BD 買うほどじゃないなーと思っていた本作、たまたま人から借りられたので、観てみました。
あちこちで何度も言っていますが、私はネット上では匿名で何でもすればいいと思っているわけではないけどコテハンくらいの匿名度合いで良く、なおかつオープンな場で意見交換してこそのオンラインコミュニケーションだと思っているので、実名かつある程度クローズドな Facebook という場はあまり好きではなかったりします。かつ、最近背後に大手広告代理店の影が見え隠れする国内の Facebook 人気に関しては余計に懐疑的。アカウントを持っていてある程度知人関係のコネクションも繋がってはいますが、それほど積極的に利用しているわけではありません。
でも、ハリウッドで映画化されるに至った Facebook 人気の秘密がどこにあるか?マーク・ザッカーバーグという人のモチベーションはどこから来るのか?といったところに興味があったので、機会があれば観たいな、でもお金出すほどじゃないな(ぉ、とは思っていました。
(日本ではまだその印象は薄いけど)今や Google を超えたと言われている Facebook の若き創業者、マーク・ザッカーバーグ。自分の興味がないことには全くと言っていいほど興味を示さないが、自分が好きなことにはとにかく早口でまくし立てるように(しかしあくまで正確に)しゃべる。アメリカではいわゆる “geek” や “nerd” と表現されるそんな人間性は、学生時代の自分にも少なからず似たような部分があったので、むしろ共感すら覚えました(笑。
ただ、この映画自体はザッカーバーグの人間性や肝心の Facebook の中身について直接言及されることはほとんどなく、Facebook 誕生からビジネスとしての規模拡大の流れと、それによって生まれる人間関係の亀裂を「半ばフィクションとして」映像化した作品に過ぎませんでした。言ってみれば、Facebook を題材としてはいるが、Facebook の映画ではないと言っても良いかもしれません。観終わった後の感想も、「ザッカーバーグすげえ」でも「Facebook 面白そう」でもなく、「シリコンバレーってなんかすごいけど、ちょっと怖い」というのが最も近いかも。つまり、そういう映画です。
でも、それもこの映画の製作背景を知って納得しました。この映画自体はザッカーバーグ本人には取材を拒否され、Facebook の共同創設者兼 CFO であり後にザッカーバーグを提訴するエドゥアルド・サベリンをはじめとした関係者への取材から成り立っているとのこと。映画自体が主に関係者の視点で描かれ、主役であるはずのザッカーバーグ本人が何を考えているのかがイマイチ分からないことは、作品に群像劇的性格を与え、なおかつ主役に対する解釈の幅を許容するという意味で、確かに作品としての面白さに繋がってはいると思います。ただ、これを映画という形で映像化する必要があったかどうかは疑問(笑。まあ、日本と違って米国では、映画というメディアをいわゆる「映画」だけでなく、ドキュメンタリー作品などを中心としてテレビ代わりの媒体として利用する文化があるので、本作もそういう位置づけなのかもしれませんが。
個人的には、この映画を観たことで逆にザッカーバーグと Facebook について消化不良気味になってしまったので(´д`)、やや今さらではあるけど本人への取材に基づいて書かれたというドキュメンタリー書籍のほうをちょっと読みたくなりました。
デビッド・カークパトリック / フェイスブック 若き天才の野望 5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた
そういえば、この映画に出ていた Napster の創業者であり Facebook の出資者であるショーン・パーカー役、どこかで見た顔だと思ったらシンガーのジャスティン・ティンバーレイクじゃないか(笑。俳優もやってたのね・・・。
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