「肉 肉 肉 肉、焼肉焼肉!」
『孤独のグルメ Season9』の聖地巡礼、今回も放送直後の新規レポート公開。先ほど放送されたばかりの第 5 話、静岡県伊東市宇佐美の焼肉店「ふじ」に行ってまいりました。
特急踊り子で伊豆に入って、伊東の一つ手前の鈍行停車駅・宇佐美。海岸沿いの小さな駅の裏口にひっそりと佇む焼肉店。肉屋に併設されたお店というだけで期待感が高まります。
何やら普段から予約で埋まることも多い人気店らしいとのことで、事前に電話予約しておきました。
看板が出ていなければ普通の民家にしか見えない店構え。だからこそ知る人ぞ知る名店という雰囲気が漂っていて、却って期待が高まります。
きっと地元の人たちに長く愛されている店なんだろうなあ。
通されたのは入口近くの久住シートでした。
厨房カウンター上に吊された黄色い短冊メニューがイイ感じ。そうそう、こういう雰囲気の焼肉店を求めていたんだ。
注文を迷っているとチャキチャキした感じの女将さんが「今日はこれは品切れ」とか「これよりもこっちがお勧め」と促してくるので、あえてその誘導に乗りながらいろいろとオーダー。
最近めっきり飲む機会の減った生ビールをいただきながら肉の到着を待ちます。
こういうご時世なので、あまり飲み過ぎない程度に自制しながら。
焼肉屋でコンロの火を眺めながらビールを飲んでる瞬間って、なんか好きなんだよなあ…。
ビールのアテにキムチもいっておこう。
ちょっと味濃いめのキムチで、これだけでおかずになりそうな勢い。当然ビールにもよく合います。
マスターが運んできてくれた上牛タン…と、なんか頼んだ覚えのないものがあるぞ?と思ったら、こちらはマスターからのサービスという青森の麦豚バラ。これは嬉しい。
しかも肉の種類ごとに微妙に味付けを変えてある芸の細かさ。こういうの、肉を知り尽くしているからこそできる芸当に違いない。
麦豚バラ、何もつけなくてもうまい。そして…肉のうまみが肉汁に乗ってガツンと来た!
牛とはまた違う豚のうまさがよく分かる味。
こんなおいしいの、サービスでいただいちゃって良かったんでしょうか。でもうまいからいいか(何
続いて上牛タン、まず大きさに驚き。
軽くレモンを絞って食べてみると、タンなのに良い具合にサシが入りつつ、肉肉しい弾力感も程良くてうまい!これは今までの牛タン観を軽く覆してきたぞ。
そしてまとめて注文した肉がまとめて到着。
上レバーに上カルビ、上ハラミ、ミスジの焼きしゃぶ。
焼きしゃぶは普通の牛焼きしゃぶもあったけど、注文しようとしたら女将さんが「絶対ミスジを食べた方がいい」ということで変更したら、五郎もミスジの焼きしゃぶを食べていました。
それにしても、これは壮観。なんだかすごいことになっちゃったぞ。
ようし、焼肉フジロックフェスティバル 2021 だ!
マスターが「昔だったら刺身で食べられるほど新鮮」と言って出してくれた上レバー。
炙ってからいただくと、くさみが皆無で、口に入れるとしゅるんとほどけるように融けていく。これはすごくいいレバーだ。
上カルビ。あと、たまらずにライスも注文してしまった。
このカルビもまたたまらん。ここんちの肉、どれも期待値を軽く超えてきてる。
うまいな~!肉、飯、タレのグルーブがすごい。
からの、上ハラミ。
カルビとは違った肉肉しさがありつつ、そこいらのハラミとは格の違う柔らかさ。
肉の種類ごとに違ったうまさがあり、食べるたびに新たな発見がある。
今日の焼肉、超楽しい。誰が何を持ってこようと片っ端から平らげる自信がある。
肉のうまさにビールが空いてしまったのでハイボールに切り替え。
でも女将さんの気前がいいのか、このハイボール濃い(笑)。焼肉と一緒に水代わりに飲むハイボールだからもっと炭酸とレモン中心でいいんだけど、これは油断してたら酔っ払うやつだ。
普段は飲みながら白飯って邪道だと思ってやらないんですが、今回ばかりは白飯頼んどいて良かった(笑
ここで満を持して、ミスジの焼きしゃぶ投入。
あまり直接炎に当てないようにというアドバイスをもらいながらも、なかなか位置取りが難しい。
でも、焼けるの見てるだけで、胸が躍る。
九割、早く焼けないかなあ。
こうしてくれと肉が言ってる。というわけで白飯を焼きしゃぶで巻いていただきます。
ゴローのことだから、これは絶対やると思った(笑
うぉほほほほ、これは思わず笑っちゃうくらいうまい。せっかくいい肉なら厚いまま食べた方がいいんじゃないかと思ったけど、この薄さでこの火加減で食べるのが一番いいことに気がついた。
宇佐美の焼きしゃぶ、とんでもないぞ。
さらに豚の焼きしゃぶ。
牛と豚、ダブしゃぶは見境なかったか?でもそれも旅先の妙。
これもまたいい。豚肉の甘みが引き立っていて、牛焼きしゃぶとは種類の違ううまさ。
マスターが言うには「豚は牛の代替品じゃない、豚がおいしいことをもっと知ってほしい」とのこと。
食事の合間にいろいろと話をさせていただいたのですが、単に高価い方を食べさせたいんじゃなくて、とにかくマスターが肉を愛しているのが伝わってきました。そもそもこの焼肉店を始めたのも、単に肉屋やってるだけだと面白くないからというのが理由だとか。肉への愛とこだわり、だからここの焼肉はどれでもうまいのか。
このへんでミックスホルモンもいっとこうじゃないですか。
噛むたびに肉汁が溢れてくるのが嬉しい。でも、この店の他の焼肉同様、脂がしつこくないからいくらでも食べられる。
ホルモン好きとしてはこの軽快なホルモン、気に入った。
お~、いい!この感じ初めてだ。
マスターが「これを是非食べていってほしい」と仰ったので追加オーダー、コロコロステーキ。
もっとサイコロステーキ状のを想像していたけど、これ完全に高級サーロインじゃないですか!
興奮のあまり焼き上がり写真を撮らずに食べてしまったけど(汗)、舌の上で脂がサッと溶けていく。
サシがたくさん入っているにも関わらず、全然重たくない。このステーキなら無限に食べられそうな気がしてくる。
なんだかよくわからないけど、とにかくめちゃくちゃうまい(語彙力
〆の一品は石焼きビビンバ。
この音!また新たな食欲が湧いてきたぞ。
よ~し、最後まで盛り上がっていこう。
グルグルかき混ぜていただきます。
おいしい、でもこれは今までにない感じだなあ。
石焼きビビンバというと普通は味濃いめでガツンと締める一品だけど、ここのはなんだか優しい味。
そうか、ナムルか!大根の酸味で落ち着いた味わいになってるんだ。
これは確かに、ゴローちゃんが赤身カルビを追加して食べたのも分かる気がする。
〆のさらに〆、久住さんが食べていた冷麺。
冷たくてさっぱりした麺がうまい!焼肉で火照った内臓がクールダウンしていくかのようだ。
肉から〆に至るまで、どれもが焼肉屋なのに上品というか優しいというか、子どもからお年寄りまで楽しめそうな懐の深さがある。地元の人たちに愛されている理由が分かったような気がします。
ああ…俺の夏フェス、終了。
至福の放心状態、この興奮を俺の胃袋は忘れない。
最初から最後まで、全部うまかった。
『孤独のグルメ』の恒例となっている焼肉、どのシーズンも名店揃いだったけど、肉の品質でいったらここがベストかもしれません。マスターの肉愛、天城の山よりも高いに違いない。
ああ、さすがに腹がパンパン。東海道線で寝て帰るか…。
ごちそうさまでした。
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