サイカ先生のエントリーを読んで、PowerShot G5 X/G9 X がとっくに発売されていたことを思い出しました。そういえば最近、しばらくカメラ屋や量販店のカメラ売り場を覗いていなかった…。
PowerShot G9 X の操作系がどうなっているのかは気になっていたので、今さらながら実機を見に行ってきました。
いつもならショールームに行くところですが、もう発売済みだし、先日から店内の写真撮影 OK になったヨドバシカメラにて。怒られないと分かっていても、まだドキドキしますね(小心者
本体デザインは、本革調のエラストマー張りはなくてもいいんじゃないかと思うけど、この薄さはなかなかイイ。気軽にポケットに突っ込んで行ける 1inch センサ搭載機という点では、唯一無二の魅力があります。
大胆に絞り込まれた操作系。カーソルキーもコントローラーホイールもなく、いくつかのボタンがある以外は全てタッチパネルでの操作になっています。
画面内の要素は、四角で囲まれている部分がタッチ操作可能(それ以外の領域はタッチフォーカス/タッチシャッターに相当)。シャッタースピードも絞りも露出補正も ISO 感度も、全てタッチで操作できます。
たとえば絞りを調整したい場合は、絞り値をタップするとスライダーが表示されて、これをフリックすることで任意の絞り値の設定が可能。操作の速さだけで言えば、リングやホイールで操作するよりも速く目的の設定値にたどり着けます。これは慣れると物理スイッチよりも快適かもしれません。まあ、スマホをいじっているような感覚なので、カメラを操作している感に乏しいのがちょっと寂しいですが。
レンズ基部にあるコントローラーリングを回したときには、タッチ操作とは異なる UI(従来の PowerShot S シリーズや G7 X 等と同じ UI)で表示されます。
以前書いたエントリーでは「RING FUNC. ボタンがついていれば、それだけでも半マニュアル撮影できそう」と書きましたが、画面右側の AE ロック(*)ボタンの下にある、リングにループ矢印がついているボタンが RING FUNC.(コントローラーリングの機能切り替え)に相当するので、私の望む使い方はできることが分かりました。
でもタッチ操作がこれだけ快適なら、コントローラーリングはステップズーム専用にして、あとの操作は全てタッチでやってしまったほうがシンプルだし早いでしょうね。
というわけで G9 X の操作系は思っていた以上に使えるということが確認できましたが、一方で気になった点もいくつか。
- 中途半端に物理キーが残っているせいで、何の設定が物理キーで何がタッチで操作するのか混乱しそう(慣れの問題もあるでしょうが)。クイック設定(Q)ボタンは物理キーとタッチ UI 双方に存在するから余計にややこしい。いっそ電源スイッチとシャッターボタン以外は全てタッチ操作、くらい割り切ったほうが良かったのでは
- タッチ操作は慣れれば速いけど、スマホと同様にどちらかの手をカメラから離して操作する必要があるため、カメラを構えたまま様々な操作が可能な物理キー/ホイールのほうが撮影のテンポを妨げないというのはある。それとも慣れればカメラを構えたまま両手の親指で操作できるようになるか?
- 操作系がほかの PowerShot シリーズとは随分違う(EOS とも当然違う)ので、別機種と持ち替えた場合に戸惑いやすい。まあ明確に EOS のサブ機だった G7 X とは違って、スマホからのステップアップユーザーが主眼だろうから、そこはあえて割り切っているのだろうけど
そんなところでしょうか。PowerShot G-X シリーズの中でも異色の UI なので、これに馴染めない人は全然ダメだろうけど、ハマったらとても快適だろう、両極端なカメラだと思いますね。ズーム操作以外はプログラムオートでサクサク撮りつつ、1inch センサの画質面での恩恵だけ受ける、というのが一番幸せな使い方のような気がします。
個人的には、次機種あたりで UI がもう少し練り込まれたら手を出してみてもいいかなあ、と思いました。
# せっかくだからヨドバシも個人向けアフィリエイトをやってくれれば、これ↑もわざわざ Amazon を貼ったりしないんだけどなあ…。
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