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響け!ユーフォニアム [Netflix]

ゴールデンウィークから各 VOD サービスで配信が始まっていた『響け!ユーフォニアム』を視聴しました。とりあえずテレビシリーズの 2 期まで。

響け!ユーフォニアム

響け!ユーフォニアム

以前 Netflix で『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を観て、その流れで観たいと思っていたのですが当時は Netflix や Prime Video では配信されておらず。このたび新作の劇場公開を控えて旧作の配信が解禁されたので、すかさず視聴しました。特に終盤は引きが強くて一気に観てしまった。

京都の北宇治高等学校(架空の高校)の弱小吹奏楽部がコンクールで全国大会を目指すお話です。4 月の新歓期に「下手すぎる」と言われていた吹奏楽部が、いかに一年生の経験者が複数人入部して優秀な指導者がついたからといって半年後には全国大会に出ている、というのはちょっとリアリティーに欠けますが、その過程の描写がリアル。作画の美しさもさることながら、人物の動きに人間らしさを感じて映像に見入ってしまいます。動きというのは「ヌルヌル動く」というのとはちょっと違って、動作に至る溜め、動き、止め、それらのリズム感、といったものに美学を感じる。でもそれ以上にあまりアニメっぽくない会話劇の生々しさが、実際の女子高生の生活を間近で見ているように感じられるのです。特に我が家には今まさに現役の女子高生がいるので、自己が確立されてきているのにどこか不安定さを抱えたあの感じがよく表現されていると感じました。もはや自分の高校時代を思い出しながら観るというよりは親目線ですね(笑。

吹奏楽部が全国大会に至るまでには様々な事件が発生し、それが物語の抑揚を作っていくわけですが、客観的に見るとそれぞれの事件はどれも人間関係に起因するものばかり。でもよく考えたら自分の高校時代も、今の我が子の悩みも大半は家族・友人・先輩後輩・先生といった人間関係にまつわるものばかりだったように思うし、高校生の視点ではそれがリアル。まあ大人になっても悩みの大半は人間関係由来ですしね…。

主人公である黄前久美子はやや冷めたキャラで、普段の言動もちょっと引き気味だし喋り方もボソボソとしている(からこそ生っぽい)のですが、それ故に 1 期 12 話、2 期 10 話・12 話・13 話のように自身の感情を爆発させるシーンの破壊力が高い(こうしてみると終盤に向けてキャラクターがどんどん昂ぶっていっているのがよくわかる)。特に終盤のエピソードは観ているこちらが泣きそうになりました。
でも久美子を中心とした作品というよりは吹奏楽部全体が主役といえる青春群像劇になっていて、群像劇好きとしてはそれがすごく良かった。ちなみにチューバ担当の後藤、津田健次郎の高校生らしからぬ渋い声が出てくるから喋るたびに笑ってしまう(笑。

私は昔(吹奏楽ではないけど)いろいろと音楽をやっていたので、練習とか合宿の様子を「あるあるw」と思いながら観ていましたが、もっとガチでやっていたウチの奥さんは「オーディションとかコンクールの緊張感が生々しすぎて観てられない」と途中離脱してしまいました。それくらい空気感が出ているというのはある意味誉め言葉ですね…。

人と人とがガッツリぶつかり合う作品だから観るのにもけっこう体力を必要とする作品ですが、だからこそとても良かったです。京アニの感動作というと『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』だけど、もっと身近で等身大の人間性を描いた本作はまた違った良さがあります。音楽も良いですしね、

あとは『リズと青い鳥』と『誓いのフィナーレ』の劇場版二本が残っているので、二週間後の新作公開までには履修を済ませて映画館に行こうと思います。

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