「メキシカン感、メッキメキ」
放送開始からここまでハイペースに回ってきている『孤独のグルメ Season7』聖地巡礼、今回は先週放送された第 3 話、南麻布の聖地を訪問してきました。
地下鉄広尾駅から徒歩数分。地名に「麻布」とついていると敷居が高そうなイメージがありますが、ここはちょっと親しみやすそうな雰囲気を醸し出しています。しかも地下一階にあるお店なので、文字通り敷居も低い(そうじゃない
店内、カラフル。そして放送直後だけにほぼ満席。私は放送前に予約していたので入れましたが、当分はいっぱいだろうなあ。
テキーラに乗せられてなのか、お店の中は決してうるさいわけではないけれどウキウキした気分に包まれています。
まずは飲み物、久住さんが飲んでいたメキシコ風ライムジュースライム入りのビールってどれだ?とメニューから「ミチェラーダ」というビアカクテルを頼んでみたところ、なんかちょっと違う。飲み口に塩がつけられたグラスにライムが入っていて、そこにコロナビールを注いでいく方式。しかも、ビールなのに氷が入っています。
期待していたものとはちょっと違うけど、これはこれでアリ。塩がちょうどビールのつまみ代わりになるし、氷が入ってるのもあんまり気にならない。一杯目としては正解だったと言えよう。
さて改めて、メニューは…と。
え、メキシコ料理ってこんなにあるの!?
サルサ、ナチョス、は分かるが…、ケサディーヤ?ソペス?全然分からない。想像もつかない。
とりあえず、ゴローちゃんが食べていたものを片っ端から注文していきます(笑
まずはソペス。メキシコ風ブルスケッタという感じか。
イタリアやフランスにも似たようなおつまみ料理はあるけど、ちょっとメキシカンにするだけでこんなにも楽しげになるものか。
いろんな味が混じってる。この店のカラフルな感じ、そのままだ。
ユカタン風チキンとライムのスープ。
ライムっていうか柑橘類でスープを作るっていう発想自体が日本にはないと思うけど、一口飲んでみて驚いた。
口当たりがスッキリしていて、全然違和感がない。これ、おいしいじゃないですか。
下にお宝ざっくざく。
アボカド、トマトにチップスまで。
なんだか癖になりそうな…この味は、ちょっと言葉ではうまく説明できそうもない。
改めてメキシカンビール。
店員さんに尋ねてみたところ、久住さんが飲んでいたのは普通にテカテでした。ライムを添えて出してもらえます。
久住さんが食べていたサボテンのサラダ。これも味が想像できなかったものの一つ。
サボテンって固そうだし美味しくなさそうだし、そもそも食べられるものなのか?と思っていたけど、食べてみればあらら。サボテンというより、なんかインゲンかピーマンのような食感と風味で、イケルイケル。さっぱりしたドレッシングと隠し味のチーズも利いていて、ビールのつまみにちょうど良い。
そこにチョリソのケソ フンディード。メキシコ風グラタン、といったところか。
チョリソのピリ辛をチーズが受け止めて、食べる前からうまさ当選確実。
ケソ フンディードについてくるトルティーヤ。
このトルティーヤ、モロコシ感が尋常でない。
布に包まれて出てくることで、最後まで熱としっとり感を維持したまま食べられるのも嬉しい。
トルティーヤをちぎったら、ケソ フンディードを包んでいただきます。
お~、期待通り。ピリ辛とチーズのコクを、モロコシの優しい甘みが包み込んでいる。
この手の巻き食いはタコスしか知らなかったけど、これもいいぞ。
こんなの食べさせられたら気分も盛り上がって、テキーラいってみたくなっちゃうなぁ~。
って、何?このラインアップ。めちゃくちゃ多いじゃないか。
超定番のクエルボとサウザくらいしか知らなかった。しかもこの見開きで全部じゃなくて、この後にもさらにページが続いています。これはもう「テキーラ沼」と呼んでも間違いではないに違いない。
さすがに選びきれなかったので、各三種ずつまとまっている「テイスティングセット」を二種類頼んでみました。
店員さん曰く「それぞれ飲んでもかなりアタックが違うので、飲み比べてみてください」とのこと。テキーラの「アタック」っていうのか!憶えておこう(笑
…確かに、最初からガツン!と来るタイプと、後からじんわりくるタイプ、追いかけて重い一撃が来るタイプ、など一口にテキーラといっても全然違う。これはまごうかたなく「アタックが違う」だ(ぉ
ウィスキーみたいな飲み口のもあるし、本当に面白い。テキーラ沼、侮りがたし。
テキーラってつい調子に乗って一気飲みするか、飲み会で罰ゲームに一気飲みするお酒のイメージがあるけど(←どっちにしろ一気飲みするのかよ)、ちょっとそれは失礼に思えてきたな。
こういうしっかりしたお酒を飲んでしまえば、料理の方もパンチ力が欲しくなるというもの。
何種類ものサルサソースでケソ フンディードを強化して対峙するしかない。
瓶のデザインからして相当辛そうだけど、実際はそうでもない。というかむしろ、ナイスアクセント。これは癖になるなあ。
チョリソの溺れ卵。
確かにチョリソが溺れてる。わかりやすくうまそうだ。
さっきのケソ フンディードとでチョリソがダブってしまったけど、こちらはトマト&卵でまた違った味わいがある。
そして鶏肉のピピアンベルデ。
これもすごいことになってる気がしちゃうな。この色!ベルデ(Verde)、つまり「緑」か。
店員さん曰く「食用ホオズキとカボチャを使った優しい味」とのこと。
うわ…この鶏肉、うまいな!ソースは…何だろう?食べたことない味だ。
さっきのライムスープもそうだったけど、なんというか日本人には言語化の難しい、未体験の味。
強いて言うなら、辛くないグリーンカレー。だけどカレーともちょっと違う。グリーンシチューとでもいうような、なんだか優しくてホッとする感じ。
このご飯と相まって、メキシコの〆に相応しいと思う。うん。
メキシコ、もう少し踏み込んでみたい気もする。
というわけで頼んでみたのが、ゴローちゃんの隣の席のお客さんが食べていた「モレポブレーノ」。
唐辛子にドライフルーツ、ナッツ、チョコレート(カカオ)を使った「一つのソースに全ての味覚が含まれている」料理だそうです(店員さん談)。
こっちはピピアンベルデとは対照的に、どっしり、しっかりした味。確かにカカオやナッツの風味はするんだけど、甘ったるくない。かといって辛くもなくて、とにかくコクが凝縮されている感じ。個人的にはピピアンベルデよりも気に入ったかも。
ちょっとテキーラを飲み過ぎた感があったので、最後はメキシコで最もポピュラーなカクテル「パロマ」でちょっと薄めます(それでもテキーラベース)。
グラスについている茶色いのは何かと思ったら、これも塩!テキーラをグレープフルーツとライムで割った爽やかな口当たりで、改めて頭がスッキリします。
いやあ、どれもこれも美味しかった。
正直なところ、メキシコ料理って「挽肉、トマト、チーズ、サルサ、どーん!」という大雑把な先入観をもっていたけれど、こんなに繊細なものだったとは。今まで自分がメキシコ料理だと思っていたのは、あくまでアメリカ流にアレンジされた TEX-MEX(メキシコ風テキサス料理)にすぎなかったんだなあ。そりゃあ、マヤやアステカといった高度な文明を源流に持つメキシコの、料理だけが高度でないはずがない。
店員さんも、メキシコ出身かと思ってしまいそうな濃い顔に似合わず(失礼)料理や飲み物について丁寧に解説してくれたり、「日本の出汁にも通じるメキシコ料理の繊細な味を多くの人に知ってもらいたい」と熱く語ってくれて、他の料理もいろいろ食べてみたくなりました。
この店にして大正解。
最高のメキシコ日和だった。
ここは混雑が落ち着いたらまた来ようと思います。
ごちそうさまでした。
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