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F1 ドイツ GP 2018

ドイツ決勝:ハミルトン大逆転で混乱のレース制す。ベッテルはリタイア

ここ数戦波乱のレースが続いている F1 ですが、ドイツ GP もまた伝説に残るであろうレースになりました。

波乱の予兆はある意味予選からありました。Q1 のアタック中にハミルトンが縁石を乗り越えた瞬間、路面とのショックのせいかメルセデスのマシンにトラブルが発生して Q2 出走不能、ハミルトンは予選 14 番手からのスタートになってしまいます。対するヴェッテルは自身のホームレースをポールポジションからスタートする権利を得、またしてもヴェッテルがハミルトンとのポイント差をラクに広げるレースになるかと思われました。

が、決勝。トップ 10 のマシンが履いていたウルトラソフトタイヤが 10 周ほどでパフォーマンスを落とし始める中、ソフトタイヤで 1 ストップ戦略を狙っていたハミルトンがあっという間に入賞圏内にポジションを戻します。とはいえ、ハミルトンも表彰台までは狙えるだろうけどフェラーリには速さもあるし、ヴェッテル楽勝は変わらないかな…と思っていたレース中盤、雨が降りそうで降らないという微妙な天候に各チームのピット戦略が翻弄。さすがのハミルトンも 42 周目にソフトタイヤの限界を迎え、降雨を待たずにウルトラソフトに履き替えます。
するとその直後に雨。一部のドライバーは先行してインターミディエイトやフルウェットタイヤに履き替えるギャンブルに出るものの、その時点では時期尚早。彼らがドライタイヤに履き替えたタイミングで再度雨脚が強まり始めた…と思ったら、トップを走るヴェッテルがコーナリング時に些細なミスを犯し、そのままグラベルからウォールにヒット!まさかの単独クラッシュでリタイヤとなりました。そこでセーフティカーが導入され、ライコネンとボッタスがピットインしている間にハミルトンがトップに。その後、フレッシュタイヤを履くボッタスと競い合うシーンもあったものの、ハミルトンがポジションを守り切りトップチェッカー。

ここまで後方のグリッドからスタートして優勝した例は、私の記憶を遡る限り 2005 年日本 GP のライコネン(17 番手スタートからファイナルラップ 1 コーナーでオーバーテイクを決めて優勝)以来ではないでしょうか。降雨やセーフティカーに助けられたとはいえ優勝を狙えるポジションまで上がってきたのはハミルトンの実力だし、その追い上げがヴェッテルに見えないプレッシャーを与えていた可能性もあります。本当に見応えのあるレースでした。やはり複数チームが実力伯仲しているシーズンは、ドラマが起きますね。
選手権はこれで再びハミルトンがトップに立ちました。昨年までならそろそろフェラーリは信頼性や戦略面を中心に自滅していく時期ですが、今季はまだ安定感がある。シーズンも折り返し地点に来ましたが、このまま後半戦も接戦でお願いします。


我らがトロロッソ・ホンダは、ブレンドン・ハートレーが久しぶりの 10 位入賞で 1 ポイントを獲得しました。
フリー走行から二台ともタイヤのグリップに苦しみ、予選はハミルトンの事故によるイエローフラッグ導入もあってタイムを更新できず、二人とも Q1 敗退が確定。決勝でも思ったようにはペースを上げていけない中、降雨時にガスリー車はいきなりフルウェットタイヤを投入するという大ギャンプルに出、それが大失敗(;´Д`)ヾ。そこで大きく落としたポジションを取り返せないまま、完走を目指すしかなくなってしまいました。一方のハートレーは順当なタイヤ選択で、光る速さは見せられないまでもライバルがタイヤ選択で自滅していく中、粘り強い走りを続けて入賞圏内へ。ペースに優れるグロジャンに終盤オーバーテイクを喫しはするもののマグヌッセンは抑えきり、殊勲の 10 位入賞をもぎ取りました。
ハートレーにはガスリーのような果敢なアタックは見られませんが、今回の走りは元耐久レース王者らしさが存分に発揮された結果と言えるでしょう。また今季ダブル完走は(記録上の完走扱いを除き)なんとアゼルバイジャン以来だし、シーズンを通してもようやく三回目。PU の信頼性だけでなくシャシーやチーム、ドライバーの経験不足もあってマシントラブルやアクシデントが相次ぐ中、やっとまともに新型 PU のデータが集まったレースだったのではないでしょうか。

マシンのセットアップをなかなか煮詰めきれないという課題はあるものの、チーム的には久しぶりのポイント獲得で少し一息つけたのではないかと思います。次のハンガリーはマシン性能の差が縮まり、波乱も起きやすいサーキット。このまま勢いに乗って行ってくれることに期待しましょう。

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