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F1 シュタイアーマルク GP 2021

F1シュタイアーマルクGP決勝:フェルスタッペン、完璧なレースで2連勝。角田裕毅は10位で今季3度目の入賞
F1シュタイアーマルクGPの決勝レースが行なわれ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが今季4勝目を挙げた。角田裕毅は10位だった。

6 月のヨーロッパ三連戦の真ん中、シュタイアーマルク GP はマックス・フェルスタッペンの完勝という結果になりました。予選から決勝までほぼメルセデスに付け入る隙を与えず、安定感のある勝利。前戦フランスとは対照的なレース運びでトップ争いという意味では若干退屈な内容でしたが、これでフェルスタッペンは F1 キャリア初の連勝。レッドブル・ホンダとしてはモナコ以来の四連勝を挙げ、ドライバーズ/コンストラクターズともにメルセデスとのギャップをまた少し広げることに成功しました。

Red Bull Honda

■マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

今回ここまでのワンサイドゲームになるとは正直予想していませんでした。フェルスタッペンとハミルトンはレーシングドライバーとしての能力はほぼ互角か、勝負どころでの引き出しの多さという点ではまだ少しハミルトンに分があると思っていますが、こと今シーズンに関して言えばマシンとチーム力を含めた総合力ではレッドブル・ホンダが一枚上手を行けていると思います。メルセデスは一足先に今季マシンの開発を停止して来季向けの開発に移行しているというのもあるでしょうが、モナコあたりまでは拮抗していた両チームのバランスが傾いてきた印象があります。
ホンダとしては四連勝というのはマクラーレン・ホンダの 1991 年開幕四連勝となりました。これを上回る連勝というと次はあの伝説の 1988 年(開幕 11 連勝)になるわけで、いよいよ両チャンピオンシップ獲得が実現可能な目標として見えてきました。

■セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)

予選 4 番手からの決勝 4 位は順当なリザルトに見えますが、レース序盤は 3 位を走っていただけに表彰台を逃したのは惜しい。敗因はピット作業の遅れで、レッドブルならば通常 2 秒前半で済ませられるタイヤ交換を 4 秒あまりもかかってしまい、その間にボッタスにポジションを奪われてしまいました。レース終盤には前回のフェルスタッペンを彷彿とさせる 2 ストップ戦略に切り替えての猛追を見せてくれましたが、あと 1 ラップ足りず 0.5 秒遅れの 4 位。トップ 2 に敵わないまでも速さがあっただけに残念です。とはいえフェルスタッペンの得点と合わせてコンストラクターズポイントでメルセデスとのギャップを広げることには成功し、チームとしては最低限の仕事をしたということろでしょうか。

■ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

フリー走行から二強に迫る速さを見せ、予選も 6 番手。これは決勝でも大量得点が期待できる…と思っていた矢先、スタート直後にルクレールと接触してそのままリタイヤ。状況的には好スタートを決めたアロンソとルクレールに挟まれて行き場を失った格好でした。今シーズンここまで抜群の速さと安定感を見せていたので非常に残念な結果。しかし後述の角田が入賞したことでチームとしては開幕以来の連続入賞を継続できていることが救いでしょうか。マシンとサーキットの相性が良いことは確認できたので、一週間後のオーストリア GP での巻き返しに期待。

■角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

デビュー以来最もクリーンな週末を過ごせました。予選 Q3 でボッタスのアタックを妨害したとして 3 グリッド降格ペナルティを受けたのが唯一の失策ですが、ぶつけたりクルマを壊したりしなかっただけ良いでしょう。ただしこのペナルティでグリッドは 8→11 となり、中古のソフトタイヤスタートで新品タイヤ勢と戦わなくてはならないというハンデを背負ったのが辛かった。中盤以降はポイント圏内を走り、一時はアロンソにオーバーテイクを仕掛けようとする場面も見られましたが、ラップダウンの青旗のタイミング等もあって攻略しきれず。逆に戦略を(珍しく)見事に組み立てたフェラーリのルクレールに交わされて 10 位フィニッシュが精一杯でした。もしペナルティを受けていなければ 7~8 位フィニッシュもあり得たでしょうが、これ以上のリザルトはオーストリア GP のお楽しみですかね。

全体的に見るとフェルスタッペン以外はもう一段上の成績を残せたレースでした。全員が完璧な週末を過ごせるわけではないのが難しいところですが、マシンパフォーマンスが良く四台揃っての予選 Q3 進出は翌週に向けて十分ポジティブな状況。レッドブル・リンクでの 2 レース目でより高い結果が出ることに期待です。

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