ハンガリー決勝:ハミルトンが圧巻の今季5勝目。ガスリー6位入賞
2018 年シーズンも後半戦に入り、夏休み前最後のレースとなったハンガリー。予選は Q1 から雨絡みとなり、波乱のグランプリとなりました。
例年路面温度が高く、タイヤへの負担が厳しくなりがちなハンガリーでは、タイヤに優しく低速サーキットとの相性が良いフェラーリ有利が予想されましたが、蓋を開けてみれば雨を味方につけたメルセデスが予選を席巻し、フロントロウ独占で決勝に臨みます。レースでもハミルトンが後続を寄せ付けず、最後までペースコントロールして完勝。メルセデスはボッタスが序盤 2 位をキープし、フェラーリに対する壁となったことでハミルトンの勝利に大きく貢献しました。そのボッタスはタイヤがタレてきた終盤にヴェッテルにオーバーテイクを許し、さらにその際の接触で追ったダメージが元でライコネンとリカルドにも抜かれて 5 位まで下がってしまいましたが、それでもチームとしては「よくやった」と言いたくなるアシストぶりだったと言えます。個人的には、ボッタスにはもうちょっと「自分のレース」をして早く今季一勝目を挙げてほしいところではありますが。
フェラーリは 2-3 フィニッシュでチャンピオンシップにおけるダメージを最小限に抑えはしましたが、結局ハミルトンの影さえ踏めない完敗。途中ヴェッテルのピットストップに余計な時間がかかってしまった等の微妙なミスはあったとはいえ、結局はスターティンググリッドが大きく物を言うのがハンガロリンク。予選が終わった時点でほぼこの結果は見えていたと言って良いでしょう。オーストリア~イギリスとハミルトンには不本意なレースが続きましたが、ドイツ~ハンガリーの二連勝はさすがディフェンディングチャンピオンだし、フェラーリはやっぱりちょっとしたところでのミスが今年も響いてきますね。
それでも現時点でマシン性能が拮抗しているのが昨年との違いでしょうか。昨年は夏休み明けからのフェラーリの失速がすごかったですが、今季はこの接戦状態を保つことができれば、最終戦まで面白いレースが見られそうです。
F1ハンガリーGP決勝|トロロッソ・ホンダのガスリーは6位!「前半最後の1戦としては、素晴らしい結果になった」|motorsport.com日本版
でもってトロロッソ・ホンダ、よくやった!!!
予選は Q1 から Q3 にかけてアタックしたタイミングが良く、またドライバー二人のがんばりもあって今季初となる二台揃っての Q3 進出。しかも 6・8 番手スタートというのも今季最高。抜きにくいハンガロリンクならばうまくすればそのままダブル入賞も夢ではない状態でした。
決勝ではとにかくガスリーの走りが素晴らしく、三強には全く敵わないもののハースやルノーを全く寄せ付けないレースで堂々の 6 位入賞。4 位に入ったバーレーンよりも安心して見ていられるレースだったように思います。ハートレーはスタート直後のポジション取りに失敗し、ルノーに抑え込まれる形になってしまい我慢のレース。結局ポイント圏には惜しくも届かず 11 位でしたが、ピット戦略以外にミスもトラブルもなかったことは決して悪くない。ハンガロリンクは PU の性能差が出にくいサーキットとはいえ、二台ともウェットでもドライでも悪くないペースで走りきって夏休みに突入できるのは良い形だと言えるでしょう。後半戦はスパ~モンツァと高速サーキットが続きますが、このままの流れで行ってほしい。
ちなみにこのハンガリーではフェラーリのマルキオンネ CEO が急逝、フォースインディアが破産申請、さらにはトロロッソの TD ジェームズ・キーのマクラーレンへの移籍騒動などチーム体制に関わるニュースが立て続けに飛びこんできました。いずれも来季に向けたストーブリーグに影響のある話ばかりで、今までの噂もいくつかは白紙に戻りそうな気配があります。そのへんの動きは夏休み中にもありそうなので、しばらく F1 関連のニュースには注目していきたいと思います。
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