キヤノンが EOS R1 と R5 Mark II を正式発表しました。
キヤノン「EOS R1」が正式発表…新エンジン&クロスAFで捕捉力UP – デジカメ Watch
開発発表時に私が予想していたのは「グローバルシャッター(GS)ではない積層センサーを搭載した高画素連写機」「秋口発表、11~12 月発売」というあたりでしたが、当たっていたのは非 GS ということと発売時期のみ。実際にはパリオリンピック前に正式発表されたし、センサー画素数は 2,400 万画素級と据え置きでした。R1 を高画素連写機として R3 シリーズは低画素のまま連写特化機になると思っていたのでアテが外れましたが、おそらくこのまま R3 はディスコンして R1 に一本化していくことになるのでしょう。R3 はあくまで R1 に向けたプロトタイプ的な位置づけだったのでしょうね。
基本的には R3 に入っている機能は継承しつつ、電子シャッターによる連写を 30fps→40fps(ブラックアウトフリー対応)としつつ AF 性能を大幅強化したのが R1、という理解で良さそうです。AF 進化には二つの要素があって「ディープラーニングによる被写体認識・追尾」と「クロス AF」。オートフォーカスの AI 化は近年のトレンドだからそれほど驚きはない(仕組みよりも実際にどれくらい効果があるかが重要)ですが、クロス AF って一眼レフ時代以来久しぶりに聞きました。1 画素を 2 つに分割して位相差検出をするキヤノンの「デュアルピクセル AF」を横分割と縦分割の画素を組み合わせることで縦線・横線の両方を検出可能にして精度を高める方式です。でも今調べたらオリンパス(現 OM SYSTEM)が 2016 年に E-M1 Mark II でオールクロス像面位相差 AF を実現しているので、像面位相差 AF でのクロス測距自体は新しい話ではないようです。デュアルピクセル AF の仕組みに基づいたクロス測距がそれらとどう違うのかは気になるところ。
で、個人的に意外だったのはむしろ R5 Mark II の方ですよ。
キヤノンの4,500万画素機「EOS R5 Mark II」が登場…カメラ内アップスケーリングで“約1億7,900万画素”に – デジカメ Watch
初代から順当進化させてくるだろうけど R6 Mark II の二年遅れで出てくる R5 Mark II にはどこまで上位機種のスペックを引き継いで出てくるのかと思ったら、なんと積層センサーと視線入力まで搭載してきました。それでいて画素数は初代 R5 から据え置きの 4,500 万画素。電子シャッターにより 30fps のブラックアウトフリー連写に対応というのはまさに私が R1 として予想していたスペックそのものじゃないですか。クロス AF には非対応だけどディープラーニング記述を使った被写体認識 AF は R1 同等だし、R5 II も R1 と併せてパリオリンピックでガンガン使えそうなカメラに仕上がっています。とにかく AF と連写が必要とされる競技は R1、それよりも画質やトリミング耐性が重要な競技は R5 II、という使い分けになると予想。まあ、キヤノンのことだからかつての EOS-1D シリーズのように別途フラッグシップの高画素連写機として EOS R1s とかを出してきても驚きませんが。
価格は R1 が 100 万円超え、R5 II でも 65 万円。個人でもちょっと頑張れば EOS 5D シリーズが買えた時代は昔の話になってしまいました。今や一般人向けのフルサイズ機は R6/R8 ですね…まあそれでも十分すぎるスペックではありますが、物価高と円安が恨めしい。
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