本日開幕したCP+に行ってきました。
CP+2026 カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+(シーピープラス)」
今年はCP+合わせでの新製品発表もかなり少なかったし見るもんないなあ…と思っていたのですが、サプライズ的にキヤノンが参考出品していたウエストレベルファインダーカメラが唯一面白かったと言える展示でした。
いわゆるハッセルブラッド型の上からスクリーンを覗き込んで撮るカメラです。記録はデジタル(35mmフルサイズセンサー搭載)ながら操作性も画作りもアナログフィルムカメラのような質感を目指した、いわゆる「エモさ優先」のカメラ。レンズはEF50mm F1.8の光学設計を流用しつつあえての「MF専用」「レンズ交換不可」とのこと。
製品化を視野に入れて開発中ながら、スペックもデザインもまだ未決定という状態での参考出品。デザインは市場の反応を見ながら決めていくとのことで、会場では方向性の異なるデザインモック2種類と体裁は半端ながら動作するようにした原理試作的なプロトタイプが出ていました。
なんかこういうレトロスタイルのカメラとキヤノンの現行ロゴって馴染まないですね…かなり昔の旧キヤノンロゴとか、むしろROLLEIFLEXとかRICOHFLEXとか、あるいは小文字のminoltaのような1950年代のロゴが似合いそう。
カメラの原理としてはレンズからの入射光をミラーで90°曲げて上から覗き込めるようにしたウエストレベルファインダーカメラそのもの。本来のウエストレベルファインダーカメラとの違いは、一旦スクリーンを通した光をもう一度ミラーで90°曲げてイメージセンサーに記録することです。これにより「レンズを通ってきた光」ではなく「ファインダーに映っている像」が記録されることになります。つまりファインダーで見えているものがそのまま記録されるという点がデジタルカメラ的でありつつ、同時にスクリーンを交換することでまるでフィルム交換のように写りの違いを作り出せるというもの。面白いこと考えるなあ。
これ、おそらく昨今の「エモさ重視でオールドコンデジを買う」という若者を意識したカメラかと思います。でも発想は面白いと思うけど売れるのかなあ。
これで思い出したのが7年前のCP+で、当時のキヤノンもコンデジの技術を応用してカメラの新しい需要を掘り起こそうとしていました。その模索が形を変えて続いているのでは…と想像しています。私は出ても買わないと思いますが、こういう挑戦がどのように形になって市場からどんな反響を受けるのかは興味の尽きないところ。
もう一つ、これも参考出品されていた「デュアルピクセル3D」という技術。キヤノンのカメラに搭載されているデュアルピクセルCMOS AFの技術を応用して、FacebookにiPhoneなどから投稿できる「3D写真」のような立体的な写真が撮れるという技術デモです。
モニターに表示されている写真をトラックパッドでドラッグすると本当にFacebookの3D写真のように角度が変わって見える。本当にグリグリ回転できるわけではなく、上下左右に±5°くらいずつ動いて見えるというもので、本当に深度情報を使って動かして見せているのでしょう。ビッグテックなら見えていない部分までAI生成してもっとグリングリン動かしそうなところを実直に撮像の範囲内だけでやっているあたりがキヤノンらしい。ただ、やっていることがFacebookの3D写真と大差なくて差分が画質程度という点がちょっと弱いなあ…。
ちなみにこの技術、すっかりスルーしてしまっていたのですが2年前のCP+の時点で技術展示はされていたんですね。今回はあらかじめキヤノンが用意した画像限定ながらもっと大々的にデモできるレベルになったということでしょうか。
iPhoneのように物理的にカメラが数センチ離れているなら視差から立体を作りやすいところ、このキヤノンの技術ではセンサー上の隣り合うピクセルだけの視差で立体を生み出している(んだよね?)というのが驚き。どういう仕組みなんだろう。
キヤノンブースでは他にもオペラグラス的な手軽さで覗き込めるVRゴーグルなんかもデモしていました。ここ数年のキヤノンはCP+では必ず一定のスペースを確保してVR関連の技術デモをやっています。少なくとも短期的に大きな収益を上げるビジネスになるわけではないと思うのですが、キヤノンはどういう未来を予想しているんだろうか。
続いてシグマブース。昨年のCP+で発表したCI(コーポレートアイデンティティ)刷新とその象徴たるSigma BFの発表は新たなファンを生み出した一方で一部ユーザーの離反も招いたと思うのですが、結果どうだったんでしょうか。
また俳優の松重豊さんが福島県のPR動画シリーズ「福島豊」の中でSigma BFのアンバサダー的な役割を引き受けた(BFを持ってNHKに出演していたりもする)ことで、私も個人的に改めて気になっています。
今年も御自らプレゼンステージに立つ山木社長。ほぼ全ての製品についてまるで自ら開発にあたったかのように語れる社長もそうはいないのではないでしょうか。その点に関しては素直に尊敬します。
今回のCP+に併せて発表された「35mm F1.4 DG II | Art」。従来の35mm F1.4 DG DNからのリニューアルで、画質をさらに向上させながらも20%軽量化。触ってみたけど確かに35mm F1.4とは思えないほど軽い。シグマのレンズも一時期の「とにかく画質が最優先で軽さは二の次」というアプローチを大きく変えてきています。
軽いとはいえけっこう長さはある…と思ったけどフードを外してみたら思いのほかコンパクト。
色収差の少なさやボケの滑らかさは2012年の35mm F1.4 DG HSMの良さを受け継いだまま進化を続けてきた印象だし、あのレンズに惚れ込んで買った私としては久しぶりにシグマの35mmを買ってもいいかも…と思えました。
そして開発発表された「85mm F1.2 DG | Art」。35mm、50mmに続きこのレンズの登場により代表的な単焦点レンズ三本をF1.2で揃えることができるようになります。
85mm F1.2だからどうせ馬鹿でかいんでしょう?と思ったけど85mm F1.4との差はスペックを考えればまあ許容範囲。外観展示のみで持ってみることができず重さが不明ではありますが楽しみなレンズの一つです。
そして会場内で異彩を放っていたのがタムロンブース。何故か映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とのコラボレーションをブース全体で押し出していました。
ブース内での説明を聞いた限りでは今年はタムロンの創業75周年で、劇中で同じく1950年代にタイムスリップしたBTTFをフィーチャーすることでブランドの長い歴史を認知させたかった、ということのようです。BTTFってそんな雑な絡み方でもコラボできるんだ…というのが正直な感想(笑
展示の目玉はタイムマシン「デロリアン」のレプリカ。これが見られるだけでアツい。
ただ今やっている劇団四季のミュージカルとは特に関係がないようで、四季が用意したレプリカとは別の個体のようでした。超貴重なはずのデロリアン、意外とあちこちにあるんですね…。
タムロンブースで試したのが先週発表された35-100mm F2.8。全くのノーマークでしたがポートレートで多用する焦点域をほぼカバーしつつF2.8通し、という意欲的なスペックのレンズ。最近のタムロン、シグマとは違うアプローチで独特なスペックのレンズをいろいろ出してきています。
ポートレートズームというとソニーの50-150 F2 GMが圧巻ですが、自分が手が出せる範囲という意味ではこの35-100mm F2.8の方が現実的に興味の対象になり得ます。
ソニーの24-70mm F2.8 GM IIよりも100g以上も軽いことと、最大望遠(100mm)にしてもレンズ全長があまり伸びない点がとても好感触。16-35mm F2.8くらいのレンズと一緒に持ち歩くと相性が良さそう。
今年はこんなところですかね。見るものがないと思っていたけど歩き回ってみたらいろいろとありました。
でも展示を見ていた時間よりもいろんな知り合いと話した時間の方が長かったなあ…やはりCP+はもはや製品展示の場というよりはカメラファンコミュニティのための場、という感じがします。
















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