『ロード・オブ・ザ・リング』以来増えている古代スペクタクルもののひとつ。観なきゃ観なきゃと思いつつ、ようやく観ました。
いわゆるアーサー王と円卓の騎士の物語で、FF などのファンタジー系 RPG での引用も多く、そういうのが好きな人にはヒキが強いんじゃないでしょうか。
まあ、ディレクターズ・カット版のジャケット写真の中央がアーサーでもランスロットでもなくヒロインのグウィネヴィア(キーラ・ナイトレイ)な時点でなんとなく予感していましたが、実際に観てみてああ、なるほど、と(´д`)。
アーサー王物語ということで聖剣エクスカリバーの逸話やそれぞれの騎士の個性が見えるエピソードを語ってくれることを期待していたんですが、そういうのはほとんどナシ。円卓の騎士たちの名前と顔が一致しないうちに死んでいってしまうので、泣くに泣けない。ストーリーが淡々と進むのに、戦闘シーンがちょっとだらだらしているせいもあって、なんか不完全燃焼のままエンディング・・・みたいな感じでした。
円卓の騎士たちの個性に限らず、ローマとの摩擦とか、魔術師マーリンとの駆け引きとか、アーサーとグウィネヴィアとランスロットの三角関係とか、スポットを当てればいくらでも深められそうなネタはあるのに、どれもうわべだけなぞっておしまいなのは、アーサー王伝説があまりに壮大すぎて映画の枠内でまとめきれなかったのか(それでも幼少期や青年期のエピソードはばっさり省略されている)、脚本の問題なのか・・・。ディレクターズ・カットでこれなんだから、さらにカットされている劇場版を観に行かなくて正解でした(ぉ。
画や音はそれなりに見どころがあって、全体的に夜や冬の暗く無彩色なシーンがベースにある、液晶プロジェクタの性能を試すような厳しい画作りながらも、要所要所で見せる炎や血の鮮やかさ(とはいっても、血は赤黒い「生々しい」描写だった)や『ロード・オブ・ザ・リング』と見紛うような雄大な景色に目を奪われました。音も、剣戟の金属音や斬撃の流血音が生々しい印象。逆に、マルチチャンネル的なダイナミックさはクライマックスでの多数の矢が飛び交う音くらいしかなく、やや物足りない感覚もありました。
物語の深みやキャラの立ち具合では近い時期に制作された『トロイ』の比較にもならず、なんかブームに乗って作られただけのダメ映画のお手本みたいな作品でした(´д`)。
ラックの待ち行列には『アレキサンダー』もあるんですけど、観るの怖くなってきたな(;´Д`)ヾ。
コメント
食わず嫌いならぬ”観ず嫌い”も激しいほうなので(ぉ
この作品もキング・アーサーも未見です
脚本がイマイチでもキャスティングが良ければOKという個人的な法則でいくと、今作品もキング~も食指が動きませんでした
キーラ・ナイトレイとブラッカイマーの組み合わせだけでは弱いです
この手のジャンルのものでハマったのはリドリー・スコットのグラディエイターとジョニー・デップのパイレーツ・オブ・カリビアンだけかなあ・・
トロイはちょっと残念だったというか、
ペーターゼンはもう過去の人になってしまいましたね
キャスティングは申し分なかったのにパッとしませんでした
キングダム・オブ・ヘブンはちっと楽しみです
リーアム・ニーソン嫌いな僕としては不安ではありますが
だって、あの人どんな映画に出てもクワイ=ガン・ジン
なんだもん!(笑
ようは尺が足りないんでしょうね。壮大な叙事詩を映画化する場合には
話を網羅なんか出来ないわけで、どういう風に見せるか、という手法くらい
しか見るべきところはないのかな、と思っています。この辺は丸っきりの
フィクションであるグラディエーターとは違うところですよね。
こういうのは、所詮は歴史話の総集編というかダイジェスト版って
くらいにしか思ってなくて、そういう意味で、個人的にはまぁ普通に面白いかな。
円卓の騎士というものがどういう時代のどういう物語であったのか紹介する
プロモであると考えれば、ポイントは押さえてると思うし、キャストを見るまでもなく
比較的低予算の映画ですから、まず善戦した映画じゃないかな。
ハリウッドの楽しませるだけの映画に食傷気味なので、このくらいの方が
私はゆったり観れましたね。