前回に続き、Cyber-shot WX1 のインプレを書いてみます。本当ならばまずは WX1 単体の画質を評価したいところなのですが、時間の関係で WX1 の本領発揮たる低照度のシチュエーションであまり撮れていないので、旧機種 W170 との比較を中心に。また、同じく 24mm スタートのリコー GX100 とも比較してみて、「ちょっとこだわり撮影用コンデジとして WX1 に一本化できるか?」の検証が個人的には重要なポイントだったりするので、それも併せて。
なお、以下に掲載する画像は基本的に各カメラのオートモードもしくはプログラムオートにて撮影、ファイルサイズの都合でリサイズしていますが、それ以外の画質調整はかけていません。
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RICOH GX100 |
まずはワイド端での撮影。さすがに 24mm スタートの WX1 と GX100 は 28mm な W170 よりも一歩引いた画が撮れています。オートモードでの撮影だと WX1 の発色が最も淡泊ですね。イメージ的には GX100 のほうが淡泊だという先入観を持っていたので、これはちょっと意外でした。
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RICOH GX100 |
もう一本、ワイド端での比較。
WX1 の画がちょっとフレアっぽくなってしまったのでフェアな比較とは言えませんが、こういう影っぽい構図だと WX1 は W170 よりも全体的に明るめに描写されることが多いような気がしますね。単に最低 ISO 感度が W170 では IS80 なのに対して、WX1 では ISO160 というちょっと辛い仕様になっているせいもあるからかもしれませんが。
WXGA~UXGA くらいのサイズで見る分にはどれもそんなに問題なく、優劣は好みの問題という気もしますが、
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RICOH GX100 |
ピクセル等倍にすると、それぞれのカメラの性格がはっきりと見て取れます(画像はクリックでピクセル等倍に拡大表示)。カラーノイズがかなり少ない代わりに粒状感の強い WX1、ピクセル間のエッジが良い具合にぼけてそこそこ滑らかな割にカラーノイズが多く、輝度差の大きい箇所では偽色も出ている W170、全体的にノイジー(あえてノイズ処理していないような雰囲気)だけど全体的にシャープな画像(こちらは逆にソフト的にシャープネスをかけているようにも見える)の GX100、といったところ。
得手不得手あるという印象ですが、どれもあくまで PC モニタ上でピクセル等倍鑑賞した際に気になる程度であって、一般的に PC モニタやデジタルフォトフレームで画像全体を鑑賞したり、L 判~A4 くらいまでのサイズに紙焼きして見る分には問題にならないレベルだと思います。
個人的にはこういうピクセル等倍での比較は実使用に即していないのであまり積極的にやらないのですが、今回は新素子の実力を垣間見たい気持ちで買い換えたこともあり、今回だけはちょっとやってみます。
お次は 28mm 相当の焦点距離で比較。WX1 は 1.2 倍ズーム(28.8mm 相当)、W170 はワイド端(28mm 相当)、GX100 はステップズームで 28mm 相当に設定して同位置から撮影しています。
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RICOH GX100 |
WX1 の 24-120mm 相当のズームレンズはワイド端で F2.4 を出していることもあってけっこう無理をしているはずで、28mm 近辺の画像でもワイド端な W170 よりも周辺部の像が流れ気味。掲載した画像サイズだと分かりにくいかもしれませんが、写真右下の砂利の解像度合に差が出ています。逆に GX100 は WX1 と同じ焦点域のズームでワイド端 F2.5 にも関わらず、それなりに歪曲していながらも隅々まできっちり解像しており、さすがは GR DIGITAL の兄弟分だけあると思わせます。
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RICOH GX100 |
広角ばかりというのも何なので、引き続いて 50mm 付近の画像。私が比較的よく撮る植物モチーフで撮影してみました。いずれもプログラムオートですが、慣れていることもあって W170 のホワイトバランスが最も私の記憶色に近く、好ましい色が出ています。WX1 はグリーンっぽく、GX100 は黄色っぽく出てしまいました。
でも、私が気になったのはそこではなく、
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ここ。画面右側のヒガンバナを切り出して拡大したものです(画像はクリックでピクセル等倍に拡大表示)。合焦している部分ではないとはいえ、WX1 のほうはどうもモヤモヤした表現になってしまっています。最初は手ブレを疑ったのですが、手ブレてない写真でもこの傾向が見られたので、私の撮影の癖としてそもそもブレているというのでなければ、WX1 のこのレンズはこういう傾向があるのかもしれません。
ちなみにこの傾向はワイド側ではあまり見られず、50mm 付近(つまり約 2 倍)以上にズームしたときに気になるようです。これもピクセル等倍まで寄らなければあまり問題はないですが、被写体や構図によっては画像全体が印象として少しうるさく感じるかもしれません。
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マクロっぽい作例も少し。こちらは残念ながらこれを食べたときに GX100 を持っていなかったので(笑)WX1 と W170 のみです。
他の作例でも感じましたが、ホワイトバランスは W170 の世代と WX1 とでは顕著に違っていますね。オートモードでは WX1 のほうがより正確なホワイトを出す方向にバランスをいじるようです。個人的にはこういうシチュエーションでは白熱球系の色温度が低い地明かりの場所ではできるだけオレンジ味を残しつつ、レタッチ時に少しだけ色を抜いて仕上げることが多いので、あまりカメラ側で正確にホワイトを出してほしくなかったりします。そういう意味では、私は従来の「あまりいじらない」(よく転ぶけど(ぉ))Cyber-shot のオートホワイトバランスがけっこう好きだったので、ここはちょっと残念。
でも一般的には環境光に左右されない正確なホワイトを出したほうが好まれると思うので、作り的にはこれで正しいのかもしれませんが、私はホワイトバランスのデフォルトは太陽光にしておいたほうが良いかなあ。
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DSC-W170 |
こちらも一応ピクセル等倍にて(例によって、画像はクリックでピクセル等倍に拡大表示)。
オートホワイトバランスの結果も違えば ISO AUTO の結果も違うのであまり正確ではありませんが、W170 が皿やホワイトソースの部分に黄色い斑模様のノイズが浮いているのに対して、WX1 は輝度ノイズのザラザラ感こそあるもののカラーノイズがほぼ皆無なことに驚かされます。カメラ内で大胆なカラー NR をやっているとは思えないので、これが裏面照射型 CMOS の威力なんですかね。確かに低照度撮影で最も気になるのは、ブレを除けば暗部に乗るカラーノイズだと思うので、これが裏面照射型 CMOS が暗所撮影に強い所以かもしれません。
WX1 の弱点と言われる最低 ISO 感度が高めなこと、および低 ISO 設定時のノイズについては実使用上の問題はあまりないと思いますが、個人的にはやはりズームしたときに画像がモヤモヤした感じになるのがちょっと気になります。ワイド側であまり気にならないということは、やっぱりレンズですかね?調整に出して何とかなるものなら出してみたいと思いますが、これがこのレンズの実力ならばむしろレンズは先代から変わらず実績のある TX1 に買い換えて普段使いに、広角が欲しいとき用にさらに GX100 を GX200 に買い換え、というのがもしかして正解だったかな?とまた変な虫が疼いたりしています(´д`)。単に私が買った個体の問題ならば良いのですが・・・。
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