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CP+ 2012 レポート (1) -シグマ編

パシフィコ横浜で開催された CP+ に、今年も行ってきました。

カメラと写真映像の情報発信イベント CP+2012 ~伝える、つながる、写真の力~

カメラ業界的には昨年の東日本大震災やタイ洪水の影響で開発や発売が遅れた製品は数知れず、なおかつ今年は米国のカメラショー「PMA」が CES との合同開催という形で事実上の消滅に近い形になった、ということもあり、カメラメーカー各社の気合いの新製品がこの CP+ に集中したという印象。実際、今回の CP+ 直前の新製品発表ラッシュはすごいものがありました。
中でも個人的に注目したのはシグマ。キヤノンとソニーにあまりサプライズがなかったこともあり、開場早々にシグマブースに足を運んだら、既にクマデジさん、しょういちさん、丁稚さんというだいたい思った通りのメンバーがシグマブースに集結していたという(笑。

まず出迎えてくれたのは、ようやく誰もが購入を検討できる価格レンジに入ってきた SD1 Merrill。まだ開発発表段階ということでアクリルケースに入っての展示でしたが、中身はほぼ同等である旧 SD1 が多数ハンズオン機として用意されていました。
SD1 のハードウェア周りについては去年のレポートでも書いたので、ここでは割愛。

SD1 Merrill は外観上の違いも旧 SD1 とは全くなく、見分けることが不可能・・・と思っていたら、液晶モニタの下あたりに控えめに「Merrill」のロゴが。おそらくここでしか見分けをつけることはできないのではないでしょうか。
カメラ系の製品ではこういう上品なロゴは珍しいですが、私は好きです。


続いて DP シリーズ。DP1 Merrill はまだ開発途上とのことで、DP2 Merrill だけが展示されていました。それも 2 台のみ、うち撮影可能なのは 1 台、もう 1 台は動作はさせられるけど撮影はできない状態。私は撮影できない個体しか試せなかったので、肝心の撮影プロセスが体験できなかったのは残念でしたが、それでも概要は掴めました。

DP Merrill で最も進化したのは液晶、という皮肉もあるくらい(笑)、今回は液晶モニタの品質が上がっています。撮影 NG の個体だったのでサンプルとして旧 DP1 の撮影画像を再生して見るくらいしかできませんでしたが、本体液晶での操作や再生も、これなら気持ち良くできそうです。
液晶の右下には SD1 Merrill と同じく「Merrill」のロゴ。

設定画面もずいぶん現代的になりました。初代 DP1 は店頭で 1 分も触らないうちに投げ出したくなってしまう UI でしたが、世代を重ねるごとにじわじわと良くなってきていますね。今回も操作系はかなり見直されているようで、十字キーだけでなく上面のダイヤルでもカーソル操作ができるようになり、扱いやすくなりました。

背面のデザインはプレーンになってずいぶん垢抜けましたね。従来の形状のほうがボタンは押しやすかったような気もしますが、都会的なデザインになった印象です。

操作ダイヤルがついた代わりにモードダイヤルがなくなってスッキリした上面。モード切替は「MODE」ボタンを押してからダイヤルを回して決定します。

ボディは全体的に従来機種よりも大型化。NEX-5 のボディ部分よりも量感のある筐体なので持ち歩きにはそれなりに覚悟が必要です。まあそれを差し置いても持ち出したいという機にさせられるカメラだとは思います。

新規設計のレンズ。30mm(45mm 相当)F2.8 のスペックです。従来の DP2 シリーズが 41mm 相当のレンズだったので、微妙に望遠側の焦点距離になりましたが、それほど大きな違いはないと思います。
レンズ周辺部にはピントリングが備えられ、MF 操作もやりやすくなっています。まあ 4,600 万画素でローパスフィルタレスだと、ピントがかなりシビアになりますからね・・・。でもそれだといくら向上したとはいえ、本体液晶でのピント合わせではそもそも厳しい気もします。

ちなみに DP2 Merrill と DP1 Merrill では上記の開発状況の違いもあり、発売時期が分かれるようです。DP2 Merrill のほうが先で 5~6 月、DP1 Merrill のほうは 8 月頃になる見込みとのこと。肝心の価格はさすがに教えてもらえず、10 万円を切るかどうかさえまだ分からないとか。ただ、スタッフの方によると「SD1 Merrill が 20 万円前後になるので、そこから考えて納得できる価格帯」を目指しているとのこと。個人的には 10 万円を切らないと検討対象にするのは難しいので、ぜひともがんばってほしいところです。

ミラーレス機用の「DN」シリーズレンズも展示されていました。19mm と 30mm、E マウントとマイクロフォーサーズ。マウント部が細くくびれているほうが m4/3 向けです。

30mm F2.8 EX DN(E マウント用)。これに限らず現在発売が予定されている DN レンズは全て E マウントの標準と同じ 49mm のフィルタ径です。
ちなみにマイクロフォーサーズ用は今月 24 日に発売するようですが、E マウント用はまだ未定。19mm のほうは両方まだ未定。早く頼みます・・・!

こちらは 19mm。どちらも前玉があまり大きくなく、F2.8 と控えめのスペックになっていますが、本体サイズとの兼ね合いや NEX の場合はセンサへの光の入射角の問題(色かぶり)も考えるとこんなものかと。
どちらもパンケーキというほど薄いわけではありませんが、NEX につけるとそれぞれ 28mm、45mm 相当になるので常用しやすい焦点距離だと思います。

ちなみに 19mm、30mm という焦点距離は奇しくも DP Merrill と同じですが、実際にこれらのレンズは DP Merrill のレンズの基本設計を流用して開発されたものだとか。そりゃ EX 銘もつくわけだ。

シグマブースで 1 年ぶりに山木社長にお会いしました。今年も自ら精力的に取材や接客に対応されています。今でも私の顔を覚えていてくださって、本当に頭が下がります。
つい先月、お父様でもある創業者の山木道広前会長が亡くなったところなので、もしお会いすることがあればまずはお悔やみ申し上げよう、と思っていたのですが、CP+ 会場では終始にこやかに過ごされていて、逆に私がお悔やみ申し上げるきっかけを失ってしまいました。なんというか、この一年つらいことがたくさんあったけどそれはそれ、今は本当に自信がある新製品を無事発表できたことが嬉しい、といったような感情が言外に溢れているように感じられました。

シグマはカメラメーカーとしては大手ではないので全方位には力を入れられないけど、玄人好みのするものづくりで着実にカメラメーカーとしての地盤を固めつつあるのではないでしょうか。今年の活気溢れるシグマブースを見て、そう思いました。

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