「お、こっちにもうなぎ…よし、新規開拓だ」
Season2 の聖地巡礼もあと一店だけ残っていますが、Season3 が始まってしまったので、『孤独のグルメ』聖地巡礼もさっそく Season3 と行きたいと思います。まずは、第 1 話に登場した、赤羽の「川栄」にやってきました。
赤羽の駅前すぐのところにある「OK 横丁」。原作コミックにも登場した、あの朝 9 時からうなぎで飲める「まるます家」もこの横丁にあります。呑兵衛を引き寄せる強大な磁力を持っている横丁を入ってすぐのところに、お店はありました。
うおぉぉ…うなぎだうなぎだ。土用の丑の日には早いが、今の俺の身体が、うなぎを欲している。
それに、この匂い。久々のうなぎの匂いに、胃袋がもんどり打っている。
実は、初回放送のタイトルが判明した時点でこのお店であることを突き止め、放送前に予約を取っていた私(ぉ。結果的に放送翌日から大行列で品切れ続出、という状態だったらしいので、事前に予約しておかなければ入れなかったに違いありません。案の定、我々の後に飛び込みで来たお客さんのほとんどが断られていたようでした。作品の人気が高まるのはファンとして嬉しいですが、聖地の競争率が上がってしまうのは悩ましいところ。巡礼のペースを緩めてゆっくり巡るようにしたほうが良いかもしれません。
ちなみに予約ができるのは 19 時まで。昼間仕事をして、19 時までに赤羽に来る、というのはなかなかハードルが高いです(;´Д`)ヾ。
店内には一階席と二階席(座敷)がありましたが、ドラマの絵的にぜったい一階のテーブル席で撮ってるに違いない!と考えて、一階席を予約。ゲスト出演の酔いどれ客役・石倉三郎さんが座っていた席に通されました。
壁面には定番、松重さんと久住さん、石倉さんのサインが飾られています。
奥のほうにはさらに『酒場放浪記』の吉田類さんのサインまで!どうやら 6 年前の放送で登場していたらしいですが、こどグルに酒場放浪記、ってもうオヤジグルメ番組のグランドスラム達成じゃないですか(笑。
さらには故・藤田まこと氏の「必殺うなぎ人」サインも。石倉三郎さんといい、やっぱりこういう古めかしいうなぎ屋には時代劇俳優がよく似合う。
まあ、まずは生ビールで乾杯ですよ。お通しは鴨ハム。これから訪れるほろほろ鳥とうなぎの饗宴に、心躍ります。
ついでに、ビールのつまみに奈良漬け。口に入れた瞬間に、酒粕の香りがつ~んと鼻に抜けていく感じが、酒飲みには堪りません(笑
これはいい奈良漬けだ。でも、ちょっと酔っ払っちまいそうだ。
あとシンプルに野菜サラダでビールを進めていきます。
じゃあ…ほろちょっと行って、〆にうな丼頼もう。
…と思ったら、放送後の大人気はまだまだ衰えておらず、19 時の時点ですでに主要なほろメニューは売り切れ。ほろ串、楽しみにしてたのに…(´д`)。それでもいくつかのほろメニューは残っているとのことで、片っ端から頼みます(ぉ
まずは「ほろ皮ぽん酢」。薬味は山葵かもみじおろしから選べましたが、やっぱりぽん酢との相性でいったらもみじおろしでしょう。
けっこうしっかりと存在感のある皮の脂身と、ぽん酢のさっぱりした風味が良い。この酸っぱさが、疲れた夏の五体に染み渡ります。
せっかくのうな丼の前にビールでお腹いっぱいになってしまうのはもったいない!というわけで、飲み物は角ハイボールに移行。夏はビールも良いけどハイボールもうまい。
そして本命のひとつ、ほろほろ鳥の合わせ盛りに突入します。鳥刺しとたたきの盛り合わせで、ほろ料理のメインどころが軒並み売り切れる中、予約者は特別に(あらかじめ言わなくても)これだけ取っておいたとのこと。それだけ定番メニューということでしょう。
肉厚、見るからにうまそう。
さあて、ほろほろ初体験。
おおーっ、おおおーっ。この旨さ、未知との遭遇。
鶏とは違う、かといって鴨なんかとも違う、野性味あふれるうまさ。それでいて生臭さや変な癖はなく、初めてでも食べやすい。フランス料理なんかで重用されるのも、分かる気がする。
ほろほろ、こういうやつだったか。
そして、ほろほろ鳥のレバーペースト。って、この店、うなぎ屋だったよなあ(笑
クラッカーやドライベジにつけると、滑らかで濃厚なお味。ビールやハイボールというよりも、むしろシャンパンが欲しくなるなあ。
いやあ、ほろ、大正解。この店、当たり。
続いてせせりの辛みそ焼き。せせりの弾力感のある噛み応えに、ぴりっと辛い味噌がよく浸みていて、お酒がとても進む味。
ああ、この瞬間、フランスから急に赤羽に引き戻された(笑
それじゃあ、ほろほろから、そろそろうなぎ祭りへと突入しようじゃないか。
初っ端は、ゴローもやたらうまそうに食べていたうなぎのオムレツ。
きれいだなぁ~っ。食べるのが惜しいようだ。
美しく焼き上げられた卵を割ってみると…おおーっ、とろっとろの中からうなぎクンが。
さっきから、洋食屋とうなぎ屋の間を行ったり来たりしているような感覚だったけど、このオムレツは一つで両方の要素を兼ね備えているなあ。
うなぎ屋で、洋食屋気分。
甘くって、とろとろしていて、その中からガツン!とうなぎのパワフルな味わい。
卵の中にいても、うなぎはうなぎ。仲良くしながらも、己を全く失わない。
これはおかわりしてもいいくらいだな。
ようし、そろそろメインのうな丼、いこう。
うな丼が「並」扱いで、その上に「上」「特」「特上」までは分かるけど、「最特」って(笑。しのび重(「ふらっと QUSUMI」で久住さんが食べていた、二段重ねのうな重)の最特の 6,100 円というのは、怖いけど一度食べてみたい(笑
しかし、ここのところの人気で、うなぎはうなぎで品薄。この日はもう並と上までしか残っていないとのことで、4 人でうな丼とうな重を 2 人前ずつ頼みました。
ちなみに、うな丼・うな重についてくる香の物は、うな丼とうな重できゅうりの枚数が違うという差異化が図られています(笑
もちろん肝吸いもセットで。
じゃーん、本日の本命、うな丼。うな重のほうが高いけど、聖地巡礼に来たからにはここはうな「丼」でしょう。
ふっくらと丁寧に焼き上げられたうなぎが、ほろほろ鳥に負けないくらい、口の中でほろほろとほどけるようで、たまらない。
うんうん、見た目を裏切らないうな丼だ。
うまい、うなぎと白い飯、最強。最強線、胃袋行き快速。
こちらは私が食べたものではありませんが、うな重。
うな丼に比べて、心なしかうなぎが大きいような…。
また来る機会があったら、今度はしのび重を攻めてみたいところ。
うな丼・うな重は完食しても、これだけ美味しいうなぎをまだまだ味わいたくて。
鰻の骨せんべいをつまみながら、獺祭の純米大吟醸をいただきます。
もう、この時点で完全におやじくさい(笑
〆はうなぎの白焼き。石倉三郎さんばりに、白焼きと日本酒で「くゥ~ッ!やっぱ人生、このときのために生きてるようなもんよねぇ~!」と唸りたくなります。
たれをつけずに、うなぎそのものの味を楽しむ白焼き。これが美味しい店は、他のものも間違いない。
いいぞいいぞ、食っても食っても、まだうまい。
ほろほろの活躍が霞むような、うなぎの横綱相撲だ。
「うなぎとほろほろ鳥」という、看板食材が二種類あるだけでも強いのに、メニューの種類や味も多彩。
ここは想像以上の満足度の高さでした。
この奥深い味は、一朝一夕にできるものじゃない。
俺は、歴史を食ったんだ。
今度はほろ串が食べられるときに、改めて足を運びたいなあ。
コメント